石川県金沢市にやってきました!
今回の旅の目的は、金沢が全国に誇るブランド野菜「加賀野菜」の取材です。
昭和20年以前から栽培され、現在でも金沢の地で生産されている野菜のうち、
「加賀野菜」として認定されているものは15品目。
そのうちのひとつ、「源助(げんすけ)だいこん」の収穫が、 目前に迫っているという情報をキャッチ。
早速、生産者さんの畑にお邪魔しました。
一面に広がる大根畑の向こうは、すぐ海。日本海です。
海が近いということは、このあたりは砂丘地。
畑の土質が「砂地」なので、豪雨になっても水はけが良く、
微生物が少ないために連作障害が出にくいというのが、
砂丘地での農業の利点なんだとか。
教えてくれたのは、「JA金沢市 砂丘地集出荷場」、
大根部会の松本充明さん。
「源助だいこん」は、なんと、松本さんの祖父にあたる、
松本佐一郎さんという方が作った大根なんだそうです。
昭和のはじめ、愛知県の井上源助という人からタネをもらって、
金沢の地で作り始めたのが最初。
その後、約10年の歳月をかけて、昭和17年に今の「源助だいこん」が完成しました。
「源助だいこん」という名の由来は、
品種誕生の元になった井上源助さんの名前から来ていたんですね。
一般的な大根と比べて、肉質が柔らかくて煮崩れしにくいのが「源助だいこん」の特徴。
みずみずしく、辛味も少ないので、おでんやふろふき大根などの煮物にするのが、
おススメだそうです。
「でね、大きさも普通の大根とちょっと違うんですよ。
ちょっと抜いてみましょうか。」
「源助だいこん」のとなりに一般的な「青首大根」も栽培している松本さん。
畑から2つの大根を抜いて下さいました。
2つを見比べてみると、その違いは歴然!
青首大根と比べて「源助だいこん」は、
短く、ずんぐりむっくりとした風貌。
そして葉は、フワッと肌触りが良く柔らかい感触です。
川瀬良子、早速、1本収穫させて頂きました。
どうですか? この立派な「源助だいこん」!
さらに松本さんから、こんなご提案も。
「実は、生で食べると梨のような食感でおいしいんですよ~。
是非、そのままかじって、確かめてみて下さい!」
うわー!ほんとに果物みたい。
大根特有の辛みがほとんどなく、ジューシーで新鮮なお味を楽しませて頂きました。
金沢にはこんな素敵な農産物があるんですね!
「加賀野菜」というブランドを守り続けていくことへの、 松本さんの思いって何ですか?
最後にこんな質問を投げかけてみました。
「加賀野菜は土地の風土に合った野菜。
地域の宝物です。
祖父の作った源助だいこんをこれからも大切にしていきたいです。」
キラキラとした笑顔でこう話す、松本さんの姿がとても印象的でした。
松本さん、これからもおいしい「源助だいこん」、作り続けてくださいね!