福岡自慢の農産物を追いかける今回の「あぐり紀行」。
次に向かったのは、みやま市瀬高町のセロリ農場です。
福岡県はセロリの生産量国内第3位。
日本有数のセロリ産地で川瀬良子を待ち受けていたのは、
どんな生産者?
「実は、最初から知ってたんでしょ〜」と思われるかも知れないけど、
本当に誰からも知らされてなかったんです! …えっ?何をって?!
今回お訪ねした生産者さん、JAみなみ筑後瀬高町セルリー部会の坂田太さんが、
あの人気ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」のさかた前校長のお兄さんだったなんて!
そんな坂田さんは、とっても自然体。どんな質問にも率直な言葉で返してくれます。
川瀬「セロリ農家を継ごうと思った理由は?」
坂田「いや、儲かりそうかな〜と思って(笑)でも、最初の2〜3年は全然ダメでしたけど」
川瀬「子供の頃から、セロリ食べてたんですか?」
坂田「全然。ジャガイモとか、“ザ・子供”みたいなのばっか食べてました(笑)」
川瀬「(セロリを食べて)…ホントに美味しい!何もつけなくてOKですね」
坂田「自分、つけますね(笑)マヨネーズとか、お馴染みのやつ…」
全てがこの調子。
あまりに表裏なさ過ぎな言葉の連発で、
笑いの絶えないインタビューになりました。
坂田さんによると、元々この地域はレタス栽培が盛んだったそうですが、
今から50〜60年前、佐世保の米軍に納めるためのセロリを生産することになったことから、
セロリ栽培が広がっていったそうです。
ただ当時のセロリは、西洋人の好みに合わせて作られたため、
独特の香りや味が、逆に日本人受けしませんでした。
その後、品種改良が重ねられて、徐々に日本人に受け入れられるセロリに変わっていったのです。
他の野菜でもそうですが、昔食べて苦手だったとしても、味はどんどん改良されて変化します。
坂田さんも「セロリは、今が食べてみるチャンスかも」と仰っていました。
そんな坂田さんが、自慢のセロリを私たちの前で刈り取って下さいました。
セロリって、スーパーで売っている時は茎2〜3本が一束という感じですが、
一株全体の姿を見たことありますか?
根元の方は、まるで白菜のお尻のような豪快さ。
ズコン!ズコン!と上へ逞しく伸びる茎の高さは50〜60cmもあります。
このひと株を抱えてみると、まるで赤ちゃんを抱っこするような感じ。
重さは2〜3kgといったところでしょうか。
坂田さんが根元を刈り取っただけで、セロリの爽やかな香りがふわ〜っと辺り一面に広がり、
試食用に茎を折るだけで、水のしずくが弾け飛びます。
そして、頂いた一本を早速ポキッ!!!!
口の中に広がる水の量が半端じゃない!
これぞ穫れたての醍醐味☆
たっぷりと水分が蓄えられたセロリは、
爽やかそのものでしたよ~
…なるほど。
セロリを抱えた時にヒンヤリと感じたのは、
そういうことだったのか~
そのことを坂田さんに言ったら、特に冬場の収穫では「氷を掴んでいるような感覚」…とのこと。
ホント、生産者のご苦労には頭が下がります。
苦手だからって、お皿のスミっこに除けたりしないで食べましょう!
ちなみにセロリの収穫作業は、気温が上がり始めない夜明け前、夜中の1時とか2時頃から始まるそうです。
…もう感謝しかありません。