About
番組概要
東京にある
『とある療養ホテル』
の中で起きた、
本当の話。
2020年4月。世界中で新型コロナウイルスに罹患し、『隔離された人』たちが存在しました。
『隔離施設・療養ホテル』に閉じ込められ、PCR検査で「陰性(Negative)」を待つ患者たち…。
日本でも、2020年3月末~4月は、感染症二類に指定された指定感染症である新型コロナウイルス陽性者は、
原則全員入院と定められていたため、病院は入院患者で溢れ、
医療崩壊寸前の状況に追い込まれました。
そこで登場したのが『療養ホテル制度』です。軽症者や無症状者はこの、療養ホテルに入所し、
2回連続PCR検査で『陰性』が確認されると、退所・退院できることになる…というこの制度。
『陽性(Positive)』の間はこのホテルの外に出ることが出来ない状況、
中には数週間にわたりホテルから出られない人も存在し、その辛さに負け、逃走する人も…
この物語は、2020年4月に、東京にある『とある療養ホテル』の中で起きた、本当の話。
陽性患者たちのラインチャットを元にした、ドキュメンタリードラマです。
この度、第75回文化庁芸術祭ラジオ部門優秀賞受賞を記念し、
放送では時間の都合でカットした部分も加え、完全版ディレクターズカットとして、
音声コンテンツプラットフォームAuDeeで配信致します
。
ディレクターズカットを配信中!
Drama
ドラマ
「療養者の皆様、
匿名チャット
で繋がりませんか」
2020年4月の中旬、緊急事態宣言が発令された東京都では、医療崩壊を防ぐため、病院に入りきれないコロナ軽症者を隔離するために、宿泊療養という制度がスタートした。軽症者の彼らは、PCR検査で2回連続して陰性(Negative)になるまで退所できない。そのひとりの、ハンドルネーム「マンタ」という女性。都内のビジネスホテルに連れてこられ、不安になる。部屋の外に出ていいのは、1日3回の弁当の配給時のみ。不安な心持ちを持っていたある日、エレベーターの中に小さな付箋が貼られているのに気づく。そこには「療養者の皆様、匿名チャットで繋がりませんか」という言葉とLINEのURL。そこにアクセスすると、陽性患者同士の極めて前向きな(Positive=ポジティブ)な言葉が溢れていた…医療従事者の人、法律家、IT企業の人、主婦…LINEチャットの中には様々な人がいた!
ドラマと現実が
交差する
、
ドキュメンタリードラマ。
匿名LINEチャットの中で話されていたのは、その隔離環境を乗り越えるノウハウと、PCR陰性がなかなか出ない療養者の励ましあい、そして、この辛い状況を支える『Positive』な言葉。「鼻うがいが効きますよ」「やっと陰性が出ました」「息子がホテルの外から手を振ってくれました」LINEグループの陽性者たちは、ひたすらみんな励まし合い、悲しみを共有し、嬉しさを分かち合った。隔離された場所だからこそ繋がりたい。人間は社会的な動物だからこそ、コミュニケーションが必要なのか…。
そしてようやく検査で2回連続陰性(ネガティブ)となった「マンタ」は待望の退所をするが、周りからの冷たい視線、近所からの冷たい扱いを受けることとなる。
テレビをつければ専門外のコメンテーターたちがバーチャル画面で口角泡飛ばしながら揚げ足をとっていると「マンタ」は思う。世間の「陰性=ネガティブ」である人たちは、なぜひたすらにネガティブな立ち振る舞いをしているのか、一体この世の中はどうなってしまっているのか…。「ごうさん」「4階の住人さん」「しょうたさん」「もぷさん」「ポパイさん」などなど、退所した人たちは今何を感じているのかという追加インタビューを元に、ドラマと現実が交差する、ドキュメンタリードラマ。
台本は、「ゲームの王国」で第31回山本周五郎賞受賞。
第162回直木賞候補作品、『嘘と正典』の著者、
新進気鋭の小説家である、小川哲が担当する。
Cast
出演
ドラマ出演
藤間爽子
マンタ
このストーリーの中心人物。昔飼っていた猫の名をチャットネームにした。女性20代後半で放送局勤務。4月中旬に発症。ややクールで、職業柄、状況を俯瞰してみている。ただ初めての経験ゆえ、不安は強い。
辻しのぶ
うさぎ
40代。小学生の息子2人を持つ母。チャットネームは、ウサギを飼っていることから。突然の感染に加え、慣れない場所にきたこと、そして子供たちや家族のことで不安がいっぱい。
山崎一
リッキー
男性40代後半。LINEオープンチャットの考案者。小規模の貿易会社を経営している。世の中の自粛傾向が強まっていた3月下旬、飲みに行って4月上旬に発症。そのことを悔いてはいるが、常に前向き。外に出ることができない療養ホテルで、ポジティブに過ごすためにLINEチャットというコミュニティを作る。
玉置玲央
GO
男性30代前半。3月下旬に発症。会社では人事、カウンセリングを担当し、心の動きを把握することには長けているつもりだったが、コロナ渦で、自身が冷静になれないこともでてきた。そんな中、いまひとつ気分が乗らないままLINEチャットに参加する。
ドラマ脚本
小川哲
小説家
1986年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。2015年、『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、デビュー。2017年刊行の長編『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。第39回吉川英治文学新人賞の候補にもなった。現在、「小説すばる」で「地図と拳」を連載中。
インタビュー取材
大曲貴夫
国立国際医療研究センター/国際感染症センター長
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水無田気流
社会学者/詩人/国学院大学教授
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マンタ
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脚本
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