小学生の頃社会の授業で「出稼ぎ」という言葉を習ってはいたものの、自分とは遠い話とぼんやり思って生きてきましたが、今回その苦労、その辛さ、そして馴染み深い上野恩賜公園ですれ違うホームレスの方々の中にそのバックグラウンドがあるのを知り、今まで深く知ろうとしなかった自分を恥ずかしく思いました。小川さんも同じような思いを持たれていたようで、この作品の与えてくれるものの大きさを実感。ホームレス、貧困、震災、家族、世界遺産などなど様々な問題について考えさせてくれる、ページ数はそれほど多くないのに重い、重い小説です。しかし小川さんも気になったホームレス仲間のシゲちゃんの博識は凄かったですね。彼の上野観光案内部分は深刻さ抜きに純粋に楽しめました。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!)
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