今回の1曲目、名曲『春の海』は、宮城道雄本人の演奏で、しかもヴァイオリンとの共演とあって私も聴くのを楽しみにしていました。和楽器、洋楽器の垣根を超えた『春の海』は不思議なほど違和感がなく、小川さんいわく「でもハンガリーあたりの民族音楽のようでもありますねぇ」。とても新鮮な鑑賞体験でした。さて私はこの随筆の中の『箏と私』が教科書に載っていたことを、今回はたと思い出したのですが、当時の先生の教え方やテストの問題、そして「慢心は進化の敵」という宮城道雄の教えに感動したあの頃の気持ちまで鮮やかにフラッシュバック。目が不自由であるのをものともせず前向きに人生を楽しんだ宮城道雄。30年ぶりに再読し、その凄さに再度額づきました。
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