メッセージ
today's topic

この番組では毎年恒例、戦争文学を読む季節が今年もやってきました。今回は「原爆を爆心地から近い場所で体験」した、まさに当事者が書いた作品。小川さんもその成り立ちを、「なかなかない貴重な文学ですね」と神妙な面持ちで指摘していました。大袈裟な心理描写などが一切ない極めてシンプルな文章。だからこそ原爆の現実が凄惨すぎて、辛く、やるせない気持ちになりました。最後もなんとも言えない不思議な終わり方。恐ろしい出来事が無限ループのように続くようでぞっとします。終戦を迎えたからといって戦争は終わったわけではない。爪痕の深さを原民喜が示しているような、印象深いラストでした。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2020年08月02日
舟崎克彦『ぽっぺん先生の日曜日』
2020年07月26日
江戸川乱歩『鏡地獄』
2020年07月19日
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
2020年07月12日
モンゴメリ『赤毛のアン』

アーカイブ
混声合唱のための『原爆小景』から「永遠のみどり」/東京混声合唱団
「永遠のみどりを広島のデルタに青葉したたれ」とは、原爆を経験した次の世代の私たちが永遠の平和を保っているかと、原民喜からの問いかけのようです。と小川さん。原の詩「原爆小景」に林光が作曲しました
鎮魂歌(映画『母と暮らせば』)/高野二郎(独唱)
「ひとつの嘆きに堪えよ、無数の嘆きに堪えよ」原爆で亡くなった人の嘆きを自らのものとして、原民喜は短い生涯を終えました。原民喜の「鎮魂歌」最終部分に坂本龍一が作曲しました。
 
今まで紹介した作品
当サイトは Amazonアソシエイトプログラムを利用しています。