今から34年前の大惨事。当時中学生でしたが情報が少しずつしか伝わってこず、大人たちが「なんだかわからないけど大変だ」と騒いでいたのが記憶に残っています。小川さんはご結婚された年で、ハネムーンをヨーロッパからアメリカに変更せざるをえなかったそう。チェルノブイリから遥か遠くに住む日本人にもさまざまな影響が出た、世界中を震撼させる出来事でした。本に収められているのは、事故によって日常が消えてしまった約300人の悲しい声。誰もが飾らない言葉で愛する人・ものを奪われた事実を話しているので、読む側も受け止めきれない重いもの背負わされます。しかし「読んで良かった」と心から思える一冊。「作者にちゃんと文学賞を授与したノーベル賞はさすがです」と小川さんも深く頷いていました。
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