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言語学者だったトールキン。下巻ではビルボが竜に乗っ取られた山の底根に足を踏み入れた際、「(ビルボの驚愕を)エルフから教わった言葉を人間が下手に作り変えたせいで言い表せなくなった」と表現するところなどに“言語学者らしさ”が現れていました。しかし竜を退治してめでたしめでたしとならないのがこの物語の深いトコロ。結局この世で一番恐ろしいのは「怪物」でも「闇」でもなく、「欲」であるという哲学的な結末が用意されていました。欲に飲み込まれていく多数の登場人物たちに対して清貧を貫いたビルボ。この結末、読者である子どもたちはどういう風に受け止めるのでしょうか。あ〜、自分が子どもの頃読まなかったことが本当に悔しいですっ!
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2019年09月01日
トールキン『ホビットの冒険(上)』
2019年08月25日
藤本和子『塩を食う女たち、聞書・北米の黒人女性』
2019年08月18日
ニール・サイモン『おかしな二人』
2019年08月11日
松谷みよ子『ふたりのイーダ』

アーカイブ
早く家に帰りたい/サイモンとガーファンクル
少しずつ勇敢になるビルボですが、旅の途中、何度も自分の家で朝ごはんを食べることを夢見ます。♪これが故郷へ帰る旅であってほしい、家、それは心の隠れ家♪
ストレングス・コーリッジ&ウイズダム/インディア・アリー
♪強さも勇気も賢さも私の中にあったもの♪手に入れたアーケンの宝で、戦いをやめさせ、平和のために使おうとするビルボ。彼の中にあったものは本物でした。
最後のお別れ/ビリー・ボイド
映画『ホビット 決戦の行方』主題歌。♪雪が舞い始めるとき、息絶えた仲間たちに最後のお別れを告げよう。帰り道が呼んでいる、もう行かなくてはならない♪歌は俳優のビリー・ボイド。
 
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