吸取紙に文字が移る瞬間が見たいなー、スペエドの3はスペエドの2のことをどう考えているのかなー・・・と日々考えている青年が、ある日唐突「土星にいかないと!」と思いつき、その瞬間牧神に変身してしまう。裸になって駆け回りたくなり、自然動物園に行き、知り合った女の子はニンフになって2人で心地よく暮らしましたとさ、という話。「なんじゃそら!」という声が聞こえてきそうですが、そうとしか説明できないのがある意味『牧神の春』の魅力です。小川さんは学生時代この作品に出会ったそうですが、途中に出てくる意味不明な言葉の羅列の部分をみて、「これを題名にして短編を書いてみたい」と思ったのだとか。私には「なんじゃこれ!」としか思えなかったのですが・・・これが芥川賞作家と凡人の違いですね。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |