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1960年代にこの世界観を一から作り上げたフィリップ・K・ディック。頭の中は一体どうなっていたのか・・・最後のページにたどり着く遥か前にもう、その凄さにはノックアウトされました。正直「マーサー」や「ヒキガエル」や物語のオチなど良くわからない部分も多々あったのですが、それは超絶頭の良い作者に私がついていけなかったからなんだろうなぁと完全に白旗です。ところで小川さんも指摘されていた冒頭の主人公と妻の喧嘩の場面。こんなにも科学が進化し、人の感情のコントロールすら機械がやってくれるのにあえて争うとは、夫婦喧嘩って最もシンプルで、簡単で、必要不可欠な人間的活動なのかもしれませんね。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2017年10月29日
澁澤龍彦
『華やか食物誌』

2017年10月22日
ウィルバート・オードリー
『機関車トーマス』

2017年10月15日
太宰治
『富嶽百景』

2017年10月8日
エドワード・ゴーリー
『うろんな客』

アーカイブ
エンパシー/デューク・ピアソン
この小説には、「共感」や「感情移入」を表す英語「エンパシー」という言葉がよく出てきます。それにちなんで1960年代に活躍したジャズ・ピアニスト、デューク・ピアソンの曲を選びました。
オペラ「魔笛」第1幕フィナーレより(すばやい足が、機敏な勇気が)/モーツアルト作曲:ドーン・アップショウ(ソプラノ)、アンドレアス・シュミット(バリトン)、ザ・ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ、ロジャー・ノリントン(指揮)
アンドロイドを追うリック・デッカードは歌劇『魔笛』のリハーサルに遭遇。小説にはパパゲーノがパミーナの歌に加わり、鈴のリズムと合唱も入るとくわしく描写されています。♪手を取り合った友情だけがこの世の苦労をやわらげる、いたわり合い(共感)をぬきにしてこの世に幸福はありえない♪という歌詞です。レコード店やラジオ局で働いたクラシックファンの作者ならでは。
パラノイド・アンドロイド/レディオ・ヘッド
アンドロイドを追いかけながら苦しんだリック・デッカードと思って。アルバム『OKコンピューター』から。
 
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