北村薫さんと宮部みゆきさんという、今をときめく人気作家であり、大変な読書家のお二人に選ばれた恐ろしい短編。私は円地作品初体験でしたが、随分前に『女坂』を読んだという小川さんは「あの作品も凄まじかったですが、今回もまた・・・」と震え上がっていました。それにしても娘の方の嫉妬はわかりやすいですが、お母さんの嫉妬の意味・方向がよくわからず、それがなおさら不気味でした。最近「母との関係に悩む娘」の話が度々話題に上りますが、「円地さんは時代をかなり先取りしていたのかもしれませんね」と小川さん。アルゼンチンまで逃げた娘さん。鬼から、嫉妬から、母から逃れられたのでしょうか。
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