「福島」という地域に縁のある作家たちの作品を集めた貴重な1冊。特定のエリアをテーマとしたアンソロジーというのは番組でも初めて取り上げましたが、「難しそう」と敬遠していた作家の世界に触れるキッカケにもなり、とてもいい機会となりました。福島の個性的な風景が文字から伝わってくる短編は、どれも大変興味深かったのですが、特に『鉛の旅』は忘れられない作品に。戦時下の深刻な、心配と不安だらけの日々を「鉛色」と表現するとは!同じ色でも「ブルー」とは比較にならない重さが伝わってきて、小川さんと二人、「やはり日本語の持つ力にはぐっときますね」と唸りました。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |