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長編というだけでなく、フランスの古典ということでページを開く前は戦々恐々・・・しかし読み始めてみると歴史小説、青年の成長記、ラブストーリーなど色々な読み方ができることがわかり、意外にすんなり没頭することができました。さて「野心家」といわれる主人公のジュリヤンですが、自分が求めるより前に出世の道ができていたり、高貴な美女が寄ってきたり、「美形」「頭がいい」ということに加え「とんでもなく強運」という点も彼の強みのようです。上巻ではレナール夫人との恋愛模様が描かれましたが、下巻では別のお相手が登場。ジュリヤンは一体どちらをより愛したのか、この辺りも全編通しての見どころです。来週も乞うご期待!
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2015年1月25日
パトリック・モディアノ
『1941年。パリの尋ね人』

2015年1月18日
尾崎紅葉
『金色夜叉』

2015年1月11日
石川達三
『青春の蹉跌』

2015年1月4日
谷崎潤一郎
『春琴抄』

アーカイブ
ショパン:12の練習曲作品25より「蝶々」/小山実稚恵(ピアノ)
ジュリヤンとレナール夫人は、こどもたちと田舎で蝶々採集に興じ標本を作ります。2人に共通の話題ができて仲良くなることにちなんで。
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」第1楽章/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 クラウディオ・アバド(指揮)
ジュリヤンはナポレオン崇拝者。この曲はベートーヴェンが1804年にナポレオンに共感して作曲。のちにナポレオンが皇帝になったことに怒って、彼への献辞が書かれた表紙を破って捨てた、のは有名ですね。
モーツアルト:「フィガロの結婚」より「自分で自分がわからない」/エリーザベト・シュワルツコップ(ソプラノ)
スタンダールはモーツアルトについて本も書いた音楽愛好家、この歌劇はお気に入りでした。レナール夫人とジュリヤンが出会う章の冒頭に<私にはもはやわからない自分が何者かいったい何をしているのか>(フィガロの結婚)と引用されています。ジュリヤンと夫人に。
 
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