2015年02月01日

長編小説を読む 第一週
スタンダール『赤と黒』

 (光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

毎年2月には歴史に残る作品を2週にわたって特集しています。今年は「赤と黒」。19世紀の作家スタンダールの長編小説です。時代は1820年代。ナポレオンが失脚したあとのフランスです。ヴェリエールという小さな町に、ジュリヤン・ソレルという青年がいました。
とても美しく、またラテン語の秀才で野心家でもあったジュリヤン。しかしその野心は、彼の生い立ちによるところが大きく、家庭の中に平和がないため精神的よりどころを探したいという表れでもありました。やがてジュリヤンはレナールという貴族の家の家庭教師になります。そしてその家のレナール夫人と深い仲になっていくのです。

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