2015年02月01日
長編小説を読む 第一週
スタンダール『赤と黒』

 (光文社古典新訳文庫)

古典文学の長編小説というと、題名は知っているけれど読んだことがないという場合が多いのではないでしょうか?「赤と黒」もそのひとつ。しかし長い年月、世界中で読み継がれているだけあって、実際に読んでみるとやはり面白い小説です。ジュリヤンとレナール夫人の行きつ戻りつの恋。夫であるレナール氏にいつバレるかとハラハラしてしまいます。物語を楽しむだけでも読み応えがありますが、歴史的知識を持っているとさらに小説の世界を理解できます。「赤と黒」はナポレオンが失脚して再びブルボン家の王政が復活した時代。スタンダールは背景となっている時代そのものを克明に描き出すことも考えて小説「赤と黒」を執筆しました。

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