最初はブラジルの人名、地名、神様に慣れるまで時間がかかり、ページをめくる手もテンポが悪かったのですが、主要登場人物たちを把握した途端一気にその世界にとり込まれました。冒頭の新聞記事の印象も強いからか、この物語がノンフィクションのように思えてならず、読後はついつい「ジョアン・ジョゼ」という画家が実際に活躍しているか、熱を込めてインターネット検索してしまったほど(残念ながら存在しませんでしたが)。「アマードの書き方は余計な同情や哀れみなどが一切ない。それがリアルでいいのです」と小川さん。作者ジョルジェ・アマードは“砂の戦士たち”の一員だったのではと疑うほど、彼らに肉薄しています。
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