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題名からも判るように、「死」がテーマの物語。しかし冒頭から、同僚達は主人公の葬式に参列することを面倒くさがり、奥さんにいたっては「どうすれば、少しでも多くの遺族年金を受け取ることができるのか」で頭がいっぱい。これから展開されるストーリィが、キレイごと抜きで容赦がない気配が立ちこめています。死にゆくイリイチの心情は苦しく、目を背けたくなるようなつらいシーンの連続。特に死ぬ間際、カラダとココロがどんな状態に置かれるのかを描写した場面は生々しすぎて、小川さんと、「ここまで書けるなんて、トルストイは生前、死んだことがあったんじゃないか(へんな表現ですが)」と疑ってしまうほどでした。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2010年11月7日
石井好子
『巴里の空の下
オムレツの
においは流れる』

2010年10月31日
レイ・ブラッドベリ
『華氏451度』

2010年10月24日
中川李枝子
『ぐりとぐら』

2010年10月17日
柳田国男
『遠野物語』

アーカイブ
トルストイ:ワルツ へ長調/レーラ・アウエルバッハ(ピアノ)
文豪トルストイは音楽好きで、ピアノを弾き、作曲も行いました。1曲だけ残された貴重な作品は清らかです。
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第一番
<クロイツェル・ソナタ>「トルストイの『クロイツェル・ソナタ』に霊感をうけて」
/ハーゲン四重奏団

トルストイはベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ第9番(クロイツェル・ソナタ)」から小説「クロイツェル・ソナタ」を書き、その小説を読んでヤナーチェクが書いたのがこの曲です。

ある男の終曲 Someone's Final Song/エルトン・ジョン
1976年のアルバム「蒼い肖像」から。作詞家のバニー・トーピンはこの時期家庭不和で悲しい歌が多いそう。死んでいく男が人生をふりかえる曲です。

 
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