2010年11月14日
トルストイ『イワン・イリイチの死』
 (光文社古典新訳文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「戦争と平和」や「アンナ・カレーニナ」など文学史に残る名作を書いたロシアの文豪トルストイ。今週は、没後100年にちなんで、トルストイの命日11月20日を前に、中編小説「イワン・イリイチの死」を取り上げてみました。ロシアの裁判官イワン・イリイチが死へと向かう中で葛藤し、それを受け入れていく心の様子が描かれています。今から124年も前の作品ですが、「死」という普遍的なテーマを扱っているため、時代を超えて感じるものがあるのではないでしょうか?どんな聖人でも悪人でも必ず死は訪れるもの。その恐怖からどうやって逃れたらいいのか。その答えが「イワン・イリイチの死」の中に示されています。

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