たった16ページの短編小説ながら、志賀直哉を“小説の神様”とよばれる作家にした『小僧の神様』。短い話の中には様々な人物たちが登場しますが、小川さんが気になったのはAの奥さんだそう。小僧を可哀想に思い、お寿司をご馳走したのはいいけれど、なんだかスッキリしないA。その気持ちを聞いて「そのお気持ちわかるわ」と慰めつつも、次の瞬間には「そのお寿司をご馳走してください」とおねだりを始める奥さん。(しかも2度も!)確かに気になる人物です。そういえば小川さん、夏目漱石の『こころ』の時も、主要人物・先生の奥さんが気になっていたような・・・。主要人物のあまり目立たない“奥さん”に注目して文学遺産を読んでみると、また新たな発見があるかもしれませんね。
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