年は明けた。誰にとっても、平等に。

2011年1月。
未来の鍵を握る学校、SCHOOL OF LOCK!の "カリスマセールスマン" こと林さんは、母校、東海大学の湘南キャンパスにいた。

「今回は、

そう。前回、東海大学の海洋学部を、あろうことか、『謎の海洋機関』と勘違いし、"スパイ" 気取りでモデルガン片手に暴れまわり、あとでSCHOOL OF LOCK!の職員たちにこっぴどく叱られた林さん。(当たり前だ)

今回は前回の失敗を取り戻すべく、母校の取材に乗り出したのだ。

写真

しかし。
この時既に、SCHOOL OF LOCK!の職員室はパニックになっていた。


なぜか?
…少しだけ、時計の針を戻そう。





つい先週のこと。
ミスターカワカミから届いた手紙を前に、職員室は盛り上がっていた。

「"未来を創る学校"。いいねえ。ミスターカワカミの友人だったら、間違いないでしょ」

ミスターカワカミからの手紙に書かれていた内容。
それは、東海大学で、ミスターカワカミの古くからの友人が、"未来" にまつわる研究を続けているということ。

「そうだね。じゃあ、せっかくだから、その人のところにお邪魔してみようか」

「誰が行く? …林さん?」


……

短い沈黙。
そりゃそうである。

いくらなんでも、つい最近、人様の大学に乗り込んで暴れた男を、もう一度おうかがいさせる訳にはいかない。

「うーん… じゃあ、とりあえず、ミスターカワカミに詳細を聞いてみようか」

声の主は、海賊先生。既に、職員室の電話のダイヤルを回している。

「…はい、お久しぶりです。お手紙、拝見しました。先日はどうも… いやいや、こちらこそ…」

そこへ、忍び寄る足音。

「…それで、ミスターカワカミ。先日のお手紙の件なんですが……… なるほど、そのご友人は工学部の… あっ!」

ガラガラーッ!


職員室の扉を荒々しく開けた、その人物は…

林さん。

「おやおや! SCHOOL OF LOCK!の職員ともあろう方々が、何をコソコソやっておるんですかな! ミスターカワカミからの手紙が届いたんでしょう。その辺の情報は、ウェブサイトの方で、しっかりチェックしておりますぞ!」

「しまった」という顔。その場の全員。

「そして… バッチリ聞こえましたぞ! 今回は工学部ですな! "未来を創る学校"、東海大学工学部! では早速、私が取材をして、そのレポートを、生徒の皆さんにお届けしましょう! これで、前回の失敗もチャラですな! ハッハッハ!」

「ちょ、ちょっと林さん!」

…出て行った。





時計の針を元に戻そう。
2011年1月、東海大学湘南キャンパス。

"未来を創る学校" こと、東海大学工学部のある場所だ。

校門の前でほくそ笑む林さん。

写真

久しぶりの母校。
最近は、先端の研究などが行われているらしい。

東海大学工学部の学生や先生方の、"未来" にまつわる素敵な研究内容
それを、SCHOOL OF LOCK!の生徒に届けることが、今回のミッション……

「フフ… フフフッ! 楽勝! 楽勝ですな!」

そう。林さんは気づいていなかった。

結局、肝心のミスターカワカミの友人の名前を聞かずに飛び出して来てしまったことを。
そして、これから始まる、壮絶な戦いのことを…



SCHOOL OF LOCK! × 東海大学工学部 presents 「東の海より愛をこめて2 〜私を愛したカリスマスパイ〜」