SCHOOL OF LOCK! | スカパー! 校内放送 ラッパーズ

Kダブシャイン先生初来校!!

校内放送ラッパーズ 2018年08月10日(金)

SCHOOL OF LOCK!

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本日の校内放送ラッパーズは、Kダブシャイン先生が初来校!!!



とーやま校長「SCHOOL OF LOCK! 校長のとーやまです!」



あしざわ教頭「教頭のあしざわです。そして!」



R-指定先生「スカパー!校内放送ラッパーズの特別講師、CreepyNutsのR-指定です!」



とーやま校長「Rちゃん。今日は大丈夫? すごい緊張するんじゃないかなって……」



R-指定先生「もう、脇汗止まりません」



あしざわ教頭「(笑)」



とーやま校長「なぜなら! 今日はとんでもないゲスト講師の方がいらっしゃるわけですよ!」



R-指定先生「とんでもないですよ!」



とーやま校長「いつものアレ、どうするんですか?」



あしざわ教頭「確かに」



R-指定先生「いや、俺にとっても先生なんですよ。何回も喋ったりした仲でもないですし…。このあいだ来てくれたDOTAMAさんのようなノリもなかなかできない感じなので……」



とーやま校長「そんなR先生は見たくない!」



あしざわ教頭「でも、きっとやってくれますよ!」



とーやま校長「R先生、ガツンと呼び出しをお願いします!」



<ピンポンパンポーン>



R-指定先生「先生の呼び出しをします。校内放送ラッパーズ、特別講師 Kダブシャイン先生、今すぐ放送室に来てください!」



SCHOOL OF LOCK!



Kダブシャイン先生わしが会長のKダブシャインやぁ



R-指定先生「会長(笑)」



とーやま校長「ちょっとすみません! だとしたら色々と用意しないといけないですから(笑)」



あしざわ教頭「ややこしくなりますからやめてください(笑)」



とーやま校長「会長ではないですよね?」



Kダブシャイン先生「先生です(笑)」



とーやま校長「よろしくお願いします! 聴いているみんなのためにも、今日はお好きに喋っていただいて!」



R-指定先生「俺も色々と聞きたくてワクワクしてます!」



Kダブシャイン先生「すごい荒れた学校だって聞いてたので…」



とーやま校長「そんなことないですから!(笑)」



あしざわ教頭「ヤンキーばかりじゃないです!」





SCHOOL OF LOCK!


Kダブシャイン先生は、東京都渋谷区出身。
1995年、キングギドラのリーダーとして、アルバム『空からの力』でデビュー。
1997年にはソロデビュー、2006年からは、ユニット「Radio Aktive Project」としても活動をスタート。
現在の日本語ラップにおける韻の踏み方の確立に大きく貢献したMCと呼ばれています。
最近では、コメンテーターとしてテレビやラジオにも出演されています。




とーやま校長「ご年齢とかお聞きしてもいいんですか?」



Kダブシャイン先生「いいですよ。今年で半世紀。50歳ですね



とーやま校長「50歳! ヒップホップとはいつ出会ってらっしゃるんですか?」



Kダブシャイン先生15、6歳かなあ。トップ40みたいなポップなものを聴いている時に、ラップが聴こえて来たんですよ。でもその時はヒップホップというものはよく分かっていなくて。最初はラップだと思って聴いていたんだけど、ただのラップとヒップホップは違うんだな、って途中から分かって来て、ヒップホップの方によりのめり込んだって感じですね」



とーやま校長「それはアメリカでのお話ですか?」



Kダブシャイン先生「まだその時は日本ですね」



とーやま校長「アーティストで言うとどんな方を聴いていました?」



Kダブシャイン先生Run-D.M.C.とか、グランドマスター・フラッシュザ・フィリアス・ファイヴなんてのはちょっと前の世代で、すでにオールドスクールになっていましたね」



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とーやま校長「その後にアメリカに留学されているんですよね」



Kダブシャイン先生「交換留学で高校の時に行かせてもらって。結局、大学も行ったので、合わせて7、8年」



とーやま校長「じゃあ、もちろん英語も…」



Kダブシャイン先生「その時はね」



R-指定先生「それじゃあ、その当時のアメリカのヒップホップに生で触れ続けていたってことですか」



Kダブシャイン先生「そうなりますね。原体験をそこでずっと出来たというか。行ってすぐはヒップホップもラップも、アメリカでもそこまで受け入れられてないし、理解もされていなかったのが、だんだん何年かで少しずつ売れていって広がって行った。そんな時代のアメリカにいる日本人として間近で見ていたので、これをどう日本でやれば面白くなるかな、なんていうのも考えながらどんどんハマっていった感じですね」



あしざわ教頭「その時から日本に持って帰ろうみたいな感覚があったってことですか?」



Kダブシャイン先生「最初は無いけど、やり始めて1、2年くらいした時に日本でラップしている人たちを見て、もうちょっとこうだったらカッコイイのになあ…ってところを自分なりに手を加えたって感じですかね」



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R-指定先生「アメリカでKダブシャインさんが初めてラップをした時は、英語で始めたんですか?」



Kダブシャイン先生「耳にしていたのも、手本になるものも英語のラップで、英語も覚えたてだから使いたいっていうのもあったし、自分だったらこういう風なことをが言いたいな、って思ってやっていたんだけど、ある日、黒人の友達に聴かせたら”それはそれで良いけど、なんで日本語でやらないの?”みたいなことは言われた時に、立ち止まって考えたって感じかな」



R-指定先生「最初は英語の方がやりやすかったと思うんですけど、英語と遜色(そんしょく)ないように日本語で表現しようと思った時に最初にぶつかった壁ってなんでした?」



Kダブシャイン先生「やっぱり、日本語の文法として終わりが丁寧というか。『です』、『ます』で終わるじゃないですか。
英語のように言いっぱなしな感じを出すにはどうしたらいいのかと思った時に、喋り言葉というよりは詩的表現の方がやりやすいなってことに気がついて。でも、その時は体言止め詩的表現を使ったりってことを分かっててやっていたわけではなく、なんとなくその方が口に出した時にラップっぽく聴こえるな、とか、これなら韻をいっぱい踏めるじゃないか、とか。そういうことに気がついて、それを自分なりに発展させたらなんとなく最終的な形ができたっていう感じですね」



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R-指定先生「僕は、Kダブシャインさんたちが作り上げてくれた日本語ラップの文法を聴いて育ったから、当たり前のように身体に入っているんですけど、よくよく考えたら日本語って『です』、『ます』で終わるから、ある種リズムが成立しちゃってるんですよね。ただ、韻はリズムを生み出すんで、そこからまた新しくリズムを作るために日本語の文法を変えるところから考え出すっていうのはとてつもない作業やな、って自分的にも思うんです」



Kダブシャイン先生「重いものを運ぶような大変な作業っていうよりは、コロンブスの卵的な、ちょっと視点を置き換えたみたいな感じですね」



R-指定先生「最初、英語のラップを聴いた時に”これがライミングか””これが韻や”っていうのを理屈的にも感覚的にも、聴いた瞬間から理解できました?」



Kダブシャイン先生「いつの間にか”この言葉の後にこの言葉で締めるんだなあ”っていうのがなんとなく分かってきて、そこに自分なりの個性とかユニークさをみんな出しているんだな、っていうのに気づき始めたのは聴き始めて1年くらいかなあ」



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とーやま校長「今、聴いてくれているみんなの中にはもちろんラップ始めている奴もいますし、これから始めようって思っている奴もいっぱいいるんですけど、リリックを書く時にKダブシャイン先生から、『ここだけは大事にしておくべき』というようなアドバイスとかってありますか?」



Kダブシャイン先生「フリースタイルとはまたちょっと違って、曲を書く場合はまとまりが無いと作品として後から評価され辛いな、って僕は思っているんです。
やっぱり、起承転結みたいなのがあると頭にスッと入るし、文章として起承転結って一つのスタンダードだから、それがしっかり歌詞に入っているのはなんとなく国語として優秀なんじゃないかな、って思いますね」



とーやま校長「へぇ〜!」



Kダブシャイン先生「音楽って4小節が一区切りじゃないですか。ラップも1バース16小節とかありますけど、4つに分けられるじゃないですか。そういう意味で起承転結を入れていくことで、聴いている人もどんどん引き込まれていくような組み立てになるんじゃないかな、とは思ってます」



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R-指定先生「Kダブさんの曲やラップを聴くと、今言っていた意味がほんまに手に取るように分かると思います。起承転結もそうやし、韻を踏むっていうのは、最短で『フリ』と『オチ』を提示していくことになるじゃないですか」



Kダブシャイン先生「丁寧な言い方をすると、上の句、下の句みたいなね」



R-指定先生「そうです。それをずっと繰り返すという工程をして、ちゃんと落としつつも話としての全体の起承転結をつけるっていうのをしっかりスタンダードに、かつ高度な感じで勉強させてもらったので、まずは聴いて欲しい!」



Kダブシャイン先生「今言ってくれたように、『フリ』と『オチ』みたいなものがあるので、2小節で一対っていう感じを基本に置いておくとダラダラした韻にはならないかな、っていうのはありますね」



あしざわ教頭「ピシっと締まるんですね」



Kダブシャイン先生「それの積み重ねで、4つで1つパンチラインやオチを作って、次の8つ目でもまた…ってやっていって。次の4つは起承転結の転だから、ちょっと今までよりも変化球を入れてくるとか。最後はスーッと締めると文書としては理解しやすかな、と思います」




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とーやま校長Kダブ先生! 最後に世のラッパーに向けて、先輩から何か一言いただけたら嬉しいのですが…



Kダブシャイン先生「最近よく考えることなんですけど、日本語ラップっていうのとヒップホップっていうのがごちゃ混ぜになっているところもあって、ヒップホップっていうのはカルチャーだと思うんです。DJだったり、ラップだったり、ブレイクダンスだったり。それは目に見えるものだけど、同時にヒップホップは目に見えない、やっている奴同士の心の繋がりとか、”ヒップホップを使ってこうしたい”っていう思いがヒップホップを育ててきているから、そこを忘れずに、ヒップホップの形だけ持ってきて日本語ラップをするんじゃなくて、心からヒップホップをやって欲しいなぁってすごく思いますね」



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R-指定先生「背筋が伸びますね! 勉強になります!」



Kダブシャイン先生「…ワシはやめへんで!」



R-指定先生「(笑)」



とーやま校長「会長、あちらに大量のカンロ飴用意させてもらってますので(笑)」



あしざわ教頭「喉のケアだけはしっかりと(笑)」




Kダブシャイン先生男、Kダブシャイン……もう帰るで!



あしざわ教頭「(笑) というわけで今夜は、Kダブシャイン先生を迎えての、特別授業を行ってきましたが、そろそろお別れのお時間となってしまいました」



Kダブシャイン先生「ありがとうございました!」



とーやま校長「まだぜひ遊びに来て下さい! R先生も聞き足りないことだらけでしょ!」



R-指定先生「まだまだ聞きたいことあります!」



Kダブシャイン先生「用務員でもいいんで呼んでください!」



R-指定先生「いやいやいや!(笑)」



SCHOOL OF LOCK!




そして、来週もゲスト講師を迎えての特別授業を開催!
ゲストに来てくれるのは…、Creepy Nuts・DJ松永くん!


この授業はじまった当初から言ってましたが、ようやく来てくれます!
来週は、Creepy Nutsを丸裸にします!


ということで、「スカパー!校内放送ラッパーズ」は、来週金曜日に再び開講!
Kダブシャイン先生、Creepy Nuts・R-指定先生、今夜もありがとうございました!
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