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ことのいきさつ約束の月曜日約束のアーティスト発表楽曲制作プロジェクト発足

第7回 3月5日更新 back top next
『やま かた山×片』制作日誌
SCHOOL OF LOCK!

【 AFTER THE RECORDING 〜“始まりに”の終わりに〜 】

片平里菜 “始まりに” produced by 山田先生。

ついにレコーディングを終え、あとは、今夜(3/5)のSCHOOL OF LOCK!での初オンエアを待つのみ。

あれから、一ヶ月と、少し。
とんでもない早さで、日々を駆け抜けてきた2人。

あの時、2人が考えていたこと。
今、2人が想うこと。

今回の『山×片制作日誌』は、特別編。
レコーディング直後の、山田先生×里菜ちゃんの対談をお届けします。



山田: 「ようやく終わったね、全部。あとは、マスタリングを残すのみ(※この対談は、レコーディング直後の時点)なんだけれど…もう、今の段階で、いいものができたんじゃないかと。…どう?(笑)」

片平:「ハイ、大満足です(笑)。ちょうど一ヶ月前に曲を作りはじめて…。で、いきなりアジカン先生とか、山田先生にお会いして。その衝撃を抱えたまま、心が落ち着かないままここまで来て、気がついたら終わっちゃった、みたいな。あっという間の、すごい時間でした。」

山田:「そうだと思います、本当に。怒濤(どとう)だったよね。僕たちのバンドも未だに、人生最初のレコーディングは、ワケが分からないまま終わっちゃった記憶があるので。しかも、今回は、一ヶ月という、本当に短い期間。で、一ヶ月と言いつつ、実際、バンドで音を合わせたのは2回くらいだったし、いきなりレコーディングに突入しちゃって。しかも、レコーディングに来たら来たで、よく分からない用語が飛び交うわ、サクサク進んでいくわ、てんてこ舞いな状況で、自分の番が回って来た状況だったと思うんだけど(笑)。」

片平:「そう…ですね(笑)。」

山田:「でも、よくここまでついて来てくれたなって。本当に。これは、誰にでもできることじゃないと思う。ガチガチのまま自分の出番になっちゃって、全く力が出せないってこともよくあるから。なのに、里菜ちゃんのパートは特に、すごくスムーズだった。」

片平:「あれ、スムーズだったんですか?」

山田:「全然スムーズだったよ。バンドスタイルでの人生初のレコーディングで、あれだけ堂々と歌って、アコギを弾いて。練習もいっぱいしたんだろうし、努力の成果でもあると思うけど、最終的には、持ち前のセンスですんなりと。もちろん、自分なりには色々悩んだりしたとは思うけど。ほんと、よくやってくれたと思います。おじさんたちの無謀なリクエストにも、たくさん応えてくれたなと(苦笑)。」

片平:「いや、楽しかったですよ、あれは(笑)。」

山田:「無謀なリクエストにも応えられちゃうんですよね、里菜ちゃんは。それに乗せられて、こっちは、ドンドン無茶なことを言っちゃったんですが…(笑)。改めて、里菜ちゃんから見て、今回のレコーディング、どうだった?」

SCHOOL OF LOCK!


片平:「バンドのレコーディングは初めてで、本当に不安だったんですけど…。なんというか、『バンドの音って、こうやってできていくんだ』って。弾き語りの場合は、ギターを弾いて、歌を乗せたらおしまい、って感じだったんですけど、バンドの場合は、リズム隊の音を録って、メロディーを録って、さらに歌を…という感じで、音が重なり合うごとに化学反応が起こっていって。その過程に参加させてもらうだけで、本当に楽しかったです。」

山田:「あと、この曲を最初に書いた時のイメージと、仕上がりを比べてみるとどう?」

片平:「すごく近いと思います。書いた時は、バンドの音をイメージできている訳ではなかったので、すごく漠然としたものしか描けていなかったんですけど、結果、『うわ、バンドだとこんな音になるんだ!』という驚きはありつつも、元々自分が想い描いていた情景が出てくるような楽曲になったと思います。」

山田:「…よかったです。プロデューサーとしては、その言葉を聴けただけで満足というか(笑)。正直言うと、そこに対する不安はずっとあったんですよ。『里菜ちゃんが描いているイメージから外れていないか』って。最終的には、自分にスイッチが入って止まらなくなっちゃって、思い切りやっちゃった部分もあったんだけど(苦笑)。そう言ってもらえると、本当にホッとします(笑)。でも、できたばかりの曲のイメージを伝えることって、すごく大変なことだと思う。楽譜には表せない、すごく抽象的なことも表現しないといけないので。」

片平:「それは今回、すごく勉強になりました。私は、専門用語が全然分からないし、そもそも経験が少ないので、伝え方を学ばないといけないんだなと。でも、私が言葉で伝えきれていなくても、結果、山田先生はすごく分かってくれていて。最終的に、こんなステキな曲になって……」

山田:「それは、なんとなく“分かる”というか…。結構出ているんだよね、言葉以外のところで。表情だったり、ちょっとした空気だったり。ただ、そういうやり方は、これから自分で見つけていくだろうし、そもそも、曲のアレンジを自分でもっとイメージできるようになれば、言葉で伝えなくても表現できるようになってくるから。うん、これからどうにでもなるよ。絶対に大丈夫。 …あと。改めて、曲の仕上がりについてはどう?」

片平:「大満足です(笑)。山田先生のアレンジがなかったら、ここまで満足していないですよ。ニヤケが止まらないです。本当にありがとうございました。」

SCHOOL OF LOCK!


山田:「里菜ちゃんがつくってきてくれた元の曲から、どこかの段階で、キーを上げたんだよね?僕としては、あれがすごく大きかった気がしていて。あれによって、里菜ちゃんの歌声が持っている、繊細な部分、女の子っぽさが浮き出た気がするんだよね。それが、今までの里菜ちゃんの作品と全然違って聴こえて。仕上がりとしては、結構ダイナミックな曲になったんだけど、そういった、微妙な切なさ、はかなさ。そこを聴かせたいなとはずっと思ってた。」

片平:「最後の大サビだけ、地声で歌ったのもよかったですよね。」

山田:「うん、そうそう。」

片平:「エモい感じ(笑)。」

山田:「そういえば、“エモい”って言葉も、今回『初めて聴いた』って言ってたね(笑)。“エモさ”っていうのは、ただ声を張り上げることじゃなくって、いかに感情を歌に乗せられるか、みたいなことだと思うんだけど、今回の曲では、それも表現できたんじゃないかと思います。」
※ ※ ※ ※

片平:「私は今回の経験で、本当に夢が広がりましたね。前よりもクリエイティブになったというか、曲づくりに関して、今まで以上に興味がわきました。いつか、こういう現場で、プロの大人の皆さんと、対等にやりあってみたいなって(笑)。今回は、ただただ唖然としていたんで。」

山田:「大人と張り合う。大事です(笑)。これから里菜ちゃんの前には、いろんなおじさんが登場するかもしれないので、それに打ち勝って行くのは大切(笑)。でも、その辺に関しては、里菜ちゃんは大丈夫だと思うよ、絶対。」

片平:「……いつかまた、アジカンと対バンできますかね?」

山田:「里菜ちゃんがフェスとかに出られるようになったらいつでもできるし、そもそも、うちのバンドは、割と対バンをよくやるタイプのバンドだと思うし…」

片平:「じゃあ、よろしければ…」

山田:「ああ、もうぜひぜひ(笑)。そういう気持ちも大事(笑)。僕たちは、NANO-MUGEN FES.っていう自分たち主催のフェスもやってるしね。このフェスには、アコースティックのステージもあったりするので。あるいは、これから先、里菜ちゃんがバンドを率いてステージに立つようになれば、バンドでも出演できるし。うん、そうだね。今後、里菜ちゃんが、どうやって音楽活動をしていくのかも含めて、見守って行きますよ。」

片平:「お願いします(笑)。」

山田:「ほんと今回は、鳥肌が立つ瞬間がいっぱいあった。個人的にも、やりがいがあるっていう、そんな一言では済ませられないほど、いい経験をさせてもらったと思います。いい機会を、本当にありがとう。」

片平:「こちらこそ。ほんと、言葉にはできないほど、いろんなものをもらって……ほんとに、ありがとうございました。」

SCHOOL OF LOCK!



(もう少しだけ)つづく

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