ON AIR REPORT

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この後記の放送を聴く

聴取期限 2022年6月3日(金)PM 23:00 まで



今月の放送後記(文字起こし)を掲載する前に、こちらをご覧の皆様にお知らせを少し!

・今月の放送分は1週間以内(2022年6月3日まで)であればradikoのタイムフリー機能でお聴きいただけます。BOSSのトークと音楽を合わせて楽しめるのは実際の放送だけなので聴き逃したという方はぜひどうぞ!

・さらに放送から1週間後には東京FMの音声配信サービス「AuDee」にて放送されたナレーション音声も公開されます。放送尺の都合でカットされた未公開パートも含む完全版となっていますので、ぜひAuDeeの『YAZAWA LOCKS!』もチェックして下さい!(今月のオンエア分は6月3日に公開されます)

・そして『YAZAWA LOCKS!』では、皆さんからのメッセージも募集中!! BOSSに伝えたいこと、聞きたいこと、相談したいことなど内容はなんでもOK![コチラ]のメッセージフォームから送って下さい!




ラジオ初日、永ちゃん節炸裂で最高でした。
ライブのMCでも聞いたことがない、小便の話、さすがです。
今月はどんな話が飛び出すのか楽しみでなりません。
永ちゃんだからこそ話せる、永ちゃんでしか話せない、
重く深い、また面白いお話し期待してます。
RN ビートルしゅん
埼玉県 55歳 男性

とーやま「…というメッセージが届いております!ボス!」

矢沢「ありがとうございます!でもこの間、ファンからのメールで反応が来てましたね。」

とーやま「あ、初回放送を終えて、の。」

矢沢「うん。“おしっこ、もう言わないでください”って(笑)」

とーやま「(笑) それは、ボスのイメージが崩れるから、ということですか?(笑)」

矢沢「そのメール、女性の方だったんですけど、やっぱり“しっこ、しっこはいい加減にして”って……今日また言っちゃってごめんね(笑)」

とーやま「ボスはそうやって、ホームページだったりとかに届くメッセージに目を通されてる、ってことなんですか?」

矢沢「やっぱり、“全然目を通してません”っておかしいじゃないですか。“こういうリクエストがある”とか、“こういうことに不満を持ってる”とか、“ここはひとこと矢沢に言っておきたい”とか。知らないより絶対知りたいよね。」

とーやま「僕たち『SCHOOL OF LOCK!教育委員会』宛にも、『YAZAWA LOCKS!』の反響がめちゃくちゃ届いておりまして!」

矢沢「そんなに?」

とーやま「いやほんとすごかったです!」

矢沢「うわ、うれしい。」

とーやま「『SCHOOL OF LOCK!教育委員会』は普段、僕が一人でやっているんですけれども、そこで電話させていただいた、大阪府の57歳の男性の方がいらっしゃって。“なんでこの番組を知ってくださったんですか?”ってきいたら、ボスの大ファンで、おそらくそれで聴くようになってくださったんですよ。で、“ボスになにかお聞きしたいことはありますか?僕でよければお伝えしますけど”って言ってみたら、その男性の方が“ボスは72歳までどうやってテンションを上げつづけて来られたのですか?”というのを、“ぜひ自分の人生の糧にもしたい” とおっしゃっていたんですよ。」

矢沢「そりゃあまあ、55過ぎて、60になるこの頃っていうのは、人間は男女問わず“これから俺どうなるんだろう”とか、“どうすればいいんだろう”とか、“どういうふうに歳をとって、どういうふうに行けばいいんだろう”って誰もが一度、そういうことを思いますよね。だからその質問が来てるんじゃないんですかね。

僕の場合は、幸いなのか、50周年迎えるぐらい、ずーっとステージやってきたから。ずっとステージやってくると、本当に嫌なときもありましたよ。もう俺ライブしたくない、とか、音楽自体をもうしたくない、とか。やっぱり人間だから、ありますよ。なんで同じことばっかりを俺はやってんだ、と。いつも明けても暮れても街から街へライブ、レコード作るとか、インタビューを受けるとか。いや、そうじゃなく、もっとこういうものではなくて俺をわくわくさせるものが、俺にはないのかな、と思ったりもしました。40歳ぐらいのときにね。

で、1年間まるまるツアーをやらない、音楽活動をしない、っていう意思でつくったことありました!実際につくって、さて何する?ツーリング行ったり、クルーザーに凝ったり、仲間だけで北海道行ったり九州行ったり、いろんなことしましたよ。楽しかった!素晴らしかった。夕日も綺麗。全部いい。全部いいけど、だからどうした?ってとこに最終的ないっちゃうんだよね。

で、俺にはやっぱりライブが大事なんだよ、ってところに、もう一回確認できたよね。確認できて、1年そうやってやった分、もうあの白いマイクスタンドが恋しくてしょうがない、みたいなね。毎回ツアーのとき、ツアーを街から街へ…地方からずーっとまわって、大阪行って名古屋行って、最後は東京に戻ってきますよね。東京に戻るときには、もうこのマイクスタンド見たくもないのよ。」

とーやま「そうなんですね…!」

矢沢「これはもうやってる本人にしかわからないことで。“マイクスタンドはもういいから!お前とはおさらばしたいよ!”みたいな感じ!で、最終ステージ、武道館。1曲終わるごとに、そのシーズンが終わりますからね。終わって、ダブルアンコールの最後の曲!“お前とはしばらく会わなくて済む…!”そんな感じで最後ファイナル終わるんですよ!そのくらいやった、ってことですよ。それで、不思議なのがね、ツアー終わって2〜3ヶ月経つと、“あの白いマイクスタンド、元気かな…” みたいなね。それは過去何度もあります。

さっきの話からちょっと逸れましたけど、そんな感じで、“ああ、俺にはステージがある。だから、これはやめるわけにはいかんな” と。たぶん(ザ・ローリング)ストーンズのミック・ジャガーも、その感覚があるから、やってるんじゃないんですか?いま77か78でしょ?」

とーやま「(リスナーと)お電話させてもらった、その前の週に、沖縄とかに行くのがすごいお好きみたいで、スキューバやって楽しかったです!という方ともお話ししていて。ボスがおっしゃったようにいろんなところに遊びに行って、いろんなことを感じた上で、たぶんその中でまた、戻ってくるところとか、やっぱりこれだな、っていうものが見つかっていったら、ボスのようにテンションもずっとキープできるんではないかというお話ですね。」

矢沢「“キープできる”というか、キープし続けるためにはどうしたらいいんだ?って、その辺かな。昔ね、コマーシャルの撮影だったか、ある撮影があって当然メイクの人がつきますよね。そしたら女性の人で、陽に焼けまくって肌は小麦色、歳の頃は30の終わり頃の女性。」

(矢沢)「あなた、南国の肌してるけど、(出身は)どちらなんですか?」

(女性)「ハワイにずっといたんです。」

(矢沢)「そうなんだ!なんで?」

(女性)「実は、20代の頃ハワイにサーフィンをしに行って、一発で虜になって、仲間もたくさんできて。これだ!と思って会社も全部辞めて、ハワイ行ったんです。それから5年が経って、7年が経って…もう気づいたら30の終わり、40近くなってる。ふと思ったんです。好きなサーフィンやって、仲間もいっぱいできて、この先、自分どうするんだ?……帰ろう、と。」

矢沢「で、(日本に)帰って、前から興味があったメイクの仕事に就いて。これは、どれが正しいとか言ってるんじゃないんだよ。どれも決めるのは自分なんだからね。だから、今の話にあった方、57歳で、スキューバが好きで。それで家族ができて、食わせていけて、それをそのまま職業に代えられたら最高だよね。

"音楽で飯食って、子どもを大学に行かせる"。これ、スローガンのようにうちのバックミュージシャンによく言うの。うちの前々からやってるキーボードプレイヤーが…」

(キーボードプレイヤー)「ボス!うちの女房のお腹に、入ったんですよ!赤ちゃんが!」

(矢沢)「よかったね!」

矢沢「…っていうときに、すぐに何を言うかっていうと」

(矢沢)「お前、大変だぞ?大変な分、腹括って“キーボードプレイヤ―をしながら、子どもを大学に行かせる”。最高じゃねえかよ。」

矢沢「“バンドをつくりました”、“いまライヴハウスをやってます”っていうのが、19歳、20歳。みんなやってるよ。でも、28になって、36になって、あのとき付き合ってた女が嫁さんになって、今子どもが生まれる…って、もうオヤジだもんね。そしたら、子どもどうするんだい?ロックバンドの子どもだから、高校卒業しておしまいにしましょう、じゃなくて。できるもんなら、大学まで行かせてやりたい。これだよ。職業ってそういうことなんだよね。遊びじゃない。だから、渋いよね。人生というのは、渋い。」

とーやま「ボス。本当にありがたい言葉がたくさん、聴いている皆さんにも届いていて。…まだこれ、オープニングなんですけど、こんなにも言葉のパワーをいただく、本日の『YAZAWA LOCKS!』第2回目…!

矢沢「(笑)」

とーやま「いやー…嬉しいです!改めまして今夜も、よろしくお願いいたします!」

矢沢「よろしくお願いします!」

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とーやま「ボス!リスナーの皆さんからたくさんメッセージが届いておりまして。今回は、時間の限りお答えいただけたらうれしいなと思うんですけれども。年齢の幅もめちゃくちゃすごくてですね。」

矢沢「へぇ。」

とーやま「まず最初に読ませてもらうのが…」


私の父は矢沢永吉さんの大ファンで
ライブにも何度かお邪魔しています!
そんな父の影響で
幼い頃から私も矢沢さんの曲を聴いているのですが、
父にSOLに矢沢永吉さんがゲスト出演することを伝えると
興奮気味に「スクールオブロックだろ?!一緒に聞こうな!!」と
かぶせ気味に言ってきてびっくりしましたww
今日は父と一緒に聞こうと思います!
RN 優しいマーライオン
宮城県 12歳 女性

矢沢「いやぁ、うれしいですね。」

とーやま「そして!」


永ちゃんのセクシーさは何処から来るのですか?
86歳を迎えた私はいつも拝見していてしびれています
永ちゃんのお陰で長生きしてます!
RN 永ちゃん一筋あーちゃん
大阪府 86歳 女性

とーやま「…ということで、12歳から86歳までの方々からメッセージをいただいています…!」

矢沢「ありがたいです!」

とーやま「ライブとかでは、ステージから目には入られますか?親子連れのお客さんとかもたくさんいらっしゃるじゃないですか。」

矢沢「来てると思います!最近は、若い人増えてますね。20代、30代、やたら増えてますね。」

とーやま「やっぱりうれしいものですか?」

矢沢「うれしいですよ!だって、僕武道館でびっくりしたのが。コロナが来るちょっと前の、ある武道館の帰り。僕は武道館を、だいたい毎年5Days。5回ステージやってます。武道館のステージ終われば、当然その後にトレーナーに軽く揉んでいただいて、シャワー浴びる。ステージが終わってから1時間半くらいはかかります。で、武道館やる頃はだいたい12月の後半ですから、寒いんですよ。そんな中、出待ちのファンが寒い中いるのよ。“永ちゃーん!”、“ありがとう!”って。だから窓をちょっと開けて、“こっちこそありがとう!”って。そしたらね、女子高生の団体が8人くらいいたんだよ。なんで女子高生が??って、うれしいのと、なんで??みたいなのと(笑)」

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とーやま「いろんな客層の方もいらっしゃる中で、こうして86歳の永ちゃん一筋あーちゃんさんが、”永ちゃんのセクシーさは何処から来るのですか?”という質問もあるんですけれども。」

矢沢「Sexy……ほんとでっか…?」

とーやま「(笑) これは、僕から見させていただいても“色気”、それがステージでもそうですし、いま目の当たりにしていても、とにかくボスから出ているものは確実にあるというのは、あーちゃんさんと一緒で。聴いてるみなさんも一緒だと思います!」

矢沢「…なんか……ありがとうございます、本当に(笑)」

とーやま「あまり、意識はされませんかね?」

矢沢「やっぱりステージは、マイクターンやったり…いまはワンステージに1回、2回やるくらいですが、昔はもうやりまくってましたから。若いし。そういう思い切りさ、みたいなものはかっこよく写ってるのかもしれないですよね。」

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とーやま「さあ、続いて!」


矢沢さんこんばんは。デビュー50周年おめでとうございます。

質問です!
僕は今年の一月にプロのミュージシャンになる為に
福岡から上京してきました。

自分で作詞や作曲をしてオリジナル曲を作っているのですが、
なかなか良い歌詞やメロディが湧かない時があります。
矢沢さんはそういう時ってありますか?
もしある場合はそういう時どうしているか教えて欲しいです。
よろしくお願いします。

8月の国立競技場のライヴ見に行きます!
とても楽しみにしています!
お身体に気をつけてこれからも頑張ってください!
RN N.T320
東京都 22歳 男性

矢沢「ありがとうございます!それはもう、なかなか浮かぶもんじゃないしね。面白いもんでね、僕なんて曲をつくろうと思って、ギター抱えて、部屋をちょっと暗めにして、その気になって歌って、いい曲が…っていうのはあんまりない。”つくるぞ”と構えて降ってくることは、あまりないですね。」

とーやま「どういうときに?」

矢沢「意外と、なんにもないときに浮かぶわけ。例えば『AZABU』って曲は、風呂入る瞬間ですもん。」

とーやま「え?」

矢沢「ほんとよ。」

とーやま「例えば別に麻布を車で運転しているときでもなく?」

(矢沢)「(風呂入ろう!)……〜〜(『AZABU』のメロディ)〜〜♪………いいじゃない!!!」

とーやま「しかもお風呂で反響とかもあって…」

矢沢「それもあるかもしれない!それで」

(矢沢)「〜〜(『AZABU』のメロディ)〜〜♪……(手を叩いて)カセットーー!!!」

とーやま「それもうそのまま出るんですか?」

矢沢「うん、取りに行くの、カセットを!」

とーやま「裸のまま…」

矢沢「そう、裸のまま!」

とーやま「(笑)」

矢沢「僕の家だから!で、記憶って降ってきたやつはすぐ消えてくから。だから口ずさんで口ずさんで、バッと(カセットに)入れる。で、あとで冷静になって聴いたら、“いいね〜!”と言うか、“なんだよ、ちっともダメじゃねぇか”と言うか。あの、あれもそうよ。『Tonight I Remember』。あれはもう電車の中で!」

とーやま「電車ですか!?」

矢沢「しかも、最終電車。ちょうど、僕が“キャロル”つくるちょっと前ですよ。“ヤマト”( “キャロル”の前のバンド)のメンバーの木原(敏雄)が辞めるってことを言って、“ああ、また一人から始めるんだ…”となって、バイトをしてた。で、最終電車乗らないと帰れない。京浜急行の最終電車に乗ったら、人もまばら。ずっと揺られて帰りながら、そのメロディが湧いたときに、酒飲んでないから余計に“あ、このメロディ、いい!”と思ってるわけ。『Last Christmas Eve』だよね。でもう、さっき言ったように、メロディってやつは出てきて消えていく…の繰り返しなの。だからずーっと口ずさみながら改札に行って、アパートに着いた途端にカセットにバッと入れました!」

とーやま「へー…!」

矢沢「で、入れて。あれが、『Last Christmas Eve』。英語版では『Tonight I Remember』かな。そこまでたどり着いたときは、僕はうれしいよ。だから、この人(N.T320さん)に言いたいけど、いいメロディは、そう簡単には浮かばないよね。」


M.  Last Christmas Eve / 矢沢永吉


とーやま「ボス、ちなみに“降ってくる”っていう表現よくあるじゃないですか。」

矢沢「“降りてくる”とかね。」

とーやま「それは、何もしていないと降りてこないものなのではないかと僕は思っていて。」

矢沢「僕、こんなこと言ったら怒られちゃうけど、いい?…矢沢、結構天才ですから、降りてくるんですよ。ごめんね!

とーやま「“ごめんね”(笑) いや、誰も異論はないです(笑)」

矢沢「たぶん、どこかに残ってるんだよね。メロディが生まれるっていうのは、その人がなんにもないゼロのところから出る、っていうのはないと思うよ。必ず洋楽のどこかとか、日本の古い音楽、映画の片隅だったかもしれない…あれが混ざって混ざって、自分流でふわっと出るのが、ある種の作曲なんじゃないかな。」

とーやま「N.T320さん。もしかしたらボスのお話からインスピレーションが湧いて、曲が生まれたかもしれないじゃないですか。その曲をつくって、こちらに送ってきていただけたら、ボスに聴いていただくことって、できますか?」

矢沢「もちろんです。聴きますよ。」

とーやま「N.T320さん!曲、待ってます!!」


こんばんわ。
私は剣道を学びに今年広島から東京の大学へ進学しました。
そして今年新国立競技場でライブがあると言うことで
広島でもライブに足を運んだことはあるのですが、
この度ファンクラブに入り
自分が高校時代貯めたアルバイト代で思い切って
1番高価な席を購入させていただきました!
はじめて自分の力で貯めたお金で行く矢沢さんのライブなので
いつも以上に楽しみにしてます!!
RN タイヨウ
東京都 18歳 男性

矢沢「うれしいねぇ。ありがたい。ありがとうございます!」

とーやま「地元、広島からのメッセージですが。」

矢沢「“自分で働いた金で”っていうところが、この人はわざわざそれを言ったのは…僕はそれ的なことを言うから。“自分で働いて稼いだ金”とかね。この人もどこかでそれを聞いたから、そう言ってくれてるのかなー、とかね。」

とーやま「ボスが、いままでの人生で“これ、ようやく手に入れることできたな、最高だな”って思われたものってなんですか?」

矢沢「それいい質問だね…!」

とーやま「ありがとうございます!」

矢沢「なぜなら、それあるから。僕が出した書籍『成りあがり』、『アー・ユー・ハッピー?』ありますよね。あれは全部本当の話を書いてるんです。広島で生まれ育って、高校卒業してこっちに出てきました。もう明けても暮れてもバイトの時代だったんですよ。小学校5年生で新聞配達始めたんじゃないかな。(これを他の人に言うと)“えー、永ちゃん苦労したでしょ”。うん、苦労したかもしれんけど、本人にしてみたら苦労か苦労じゃないかはまだよくわかってない。ただわかってたのは、うちが貧乏だな、リュックサックを買ってもらえない、っていうのはわかってたけど、それがとことんまずいことなのかっていうのは、よくわからない。それよりは、5年生からバイトして、バイト代もらう。そしたら、自分で食べたいもの食べれるんだよね。自分でキャラメル一箱食べれた。バイトやったら、自分でちゃんと買えるんだ。最高じゃん、バイト!みたいな、そっちの方に思ってたときがありました。それから中学になり、高校になり、考えたらずっとバイトやってたかな、というなかで。質屋さんにテープレコーダーがあったのよ。」

とーやま「結構高価なものですよね?」

矢沢「当時でも、6,800円とか5,400円とか。だから高いよ。それが欲しくて欲しくてしょうがなくて。でも質屋さんに置いてるから、いつなくなるかわからないじゃない。毎日そこ通るわけよ。通ると、あるんだよ。“あっ、まだ売れてない”。次の日、“まだ売れてない”。それで、給料日はもうその辺。この給料が入ったら絶対買いに行く、と。で、給料日になっても、テープレコーダーは売れてなかった。これください、って買ったよ。でもいま振り返ると、“あっ、まだ売れてない” “まだ売れてない”っていうあれが一番よかったよね(笑)」

とーやま「(笑)」

矢沢「で、手に入れても“……だからどうした”ってなるわけよ(笑) 僕はその癖がこの歳になっても変わってないと思うんだよ。つくるまで、とか、手に入るまでとか。バイクでも船でも車でも、なんでもそう。手に入れるまではもう…船の建造だって図面起こしから参加してますから。」

とーやま「YouTubeでも見させていただきましたけど、めちゃくちゃすごいですよね!」

矢沢「で、あれ、船のボディのことを“ハル”っていうんですよ。そのハルをつくるのを、三重に船のハルの工場があるんですけど、見学まで行ったからね。造船会社の偉いのと僕と4人くらいで工場に行って。その夜は宴会でどんちゃん騒ぎして、電車に乗って帰ってきたのを、いまでも忘れないね。だから、つくるまでは好きなのよ。ドキドキ、ソワソワして、できました!操縦からなにから奥が深いから、やる。奄美大島の隣の徳之島があるんだけど、あそこに僕の知り合いがいて。シゲちゃんっていうんだけど。“ボス!我が島にきてください!”ってずーっと言われてたの。最初は、適当に“わかった!”って言ってたの。でも船ができて、急に態度が変わって。」

(矢沢)「シゲちゃん!わかった、俺行くよ。シゲちゃんの故郷に行くよ!」

(シゲちゃん)「マジですかボス!!!」

(矢沢)「行くとなったら、俺ライブやるから。」

矢沢「それで、無料ライブが実現したのよ。」

(矢沢)「シゲちゃん!(徳之島に)行ったらこの際、島ごと盛り上げちゃおうぜ!

とーやま「かっこいい…!」

矢沢「それで僕は片道5泊かけて。」

とーやま「5泊!?」

矢沢「普通、4泊でいくんだけど、ちょっと余裕みて。宮崎で地鶏食って。」

とーやま「めちゃくちゃいいですね(笑)」

矢沢「各港に一泊しながら。で、ライブやって、また船の中で泊まって。そしたらその夜、島中の人がみんな応援に来ましたよ。僕が泊まってる船のところに。島の青年団が、一晩中セキュリティになってくれたんじゃないかな。で、島の人がみんな車で駆けつけて記念写真撮って。で、僕は次の日帰って。僕の中の船が…終わったのかな?終わったっていうか、カタついた。」

とーやま「(笑)」

矢沢「だから僕、NHKのドキュメントで“矢沢さん、船は足洗うとか聞いたんですけど”って聞かれて、“まあ足は洗わないけれど、なんか僕の中でステージに全部のエネルギーを費やしたい、そんな気持ちですかね” って、ちょっとかっこよく言っちゃったんだけど(笑) だから、僕はつくるまで燃えるのよ。つくり終えたら、“よし、もういいんじゃない?”って。」

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とーやま「でも、ボスは、ライブというものは。ツアーがあって、“よし、これで終わった”ってなるけど、”また次やろう”ってなるじゃないですか。」

矢沢「あれ不思議にね、武道館終わるまでは“もうこのマイクスタンドは見たくない”、 “もうあと5曲でこいつとはしばらく会わなくて済む”って感じなんだけど、終わって3ヶ月くらい経つと、うずうずしてる自分が必ずいるんですよ。毎年。」

とーやま「今回、8月から50周年を記念した全国スタジアム&ドームツアー「MY WAY」を開催されるということで。8月27日(土)、28日(日)新国立競技場!これは有観客で初めてライブをやられるのがボスということで!そして、9月18日(日)福岡PayPayドーム、9月25日(日)京セラドーム!詳しくは矢沢永吉オフィシャルサイトよりお願いします!」

とーやま「さらに、ボス!先週発表になりましたが、「E.YAZAWA SPECIAL EVENT ONE NIGHT SHOW 2022」を、7月2日と3日に千葉・幕張メッセ国際展示場で開催されるということで。ゲストの皆さんもいらっしゃいますよね!1日目に布袋寅泰さん、SUPER BEAVER、BiSH!2日目にはサンボマスター、氣志團、打首獄門同好会、もちろん二日ともボスも参加されるということで。」

矢沢「布袋とか矢沢はもう結構歳とってますけど、他の連中たちは結構イケイケのバンドいますよね!」

とーやま「BiSHは“楽器を持たないパンクバンド”と言われていたりとか。」

矢沢「おもしろいよね!これからおもしろくなっていくんじゃないか、というのと、このおっさんの矢沢が参加するっていうのは、おもしろいですね!」

とーやま「現在、チケット先行抽選予約申し込みを受付中です!詳細はイベントのオフィシャルサイトをご覧になってください!」


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とーやま「続きまして…」


矢沢さん、とーやまさん こんばんは。
キャリア50年で初のレギュラーラジオ番組
ファンとしては本当に本当に嬉しく思います。

一回目の放送から
矢沢さんの言葉の数々に胸が熱くなりました。
二回目の放送も楽しみにしています。

そこで、矢沢さんにお聞きしたいことがあります。
国内外含めて、様々なアーティストを見てきた矢沢さんですが
売れて消耗して消えていくアーティストと
売れても消耗しないで生き残るアーティストの違いは
どこにあると思いますか?

RN みや
東京都 49歳 男性

矢沢「おもしろいところ、みてますね。他のバンドの人、歌手の人は当てはまるかどうかわからないんですけど、ビジョンは絶対にいるよね。“どういう自分に在りたい”とか。“どういうふうにみんなに聴いてほしい”とか。“立ち位置はどんなふうに立っていたい”とか。ビジョンは絶対にいると思う。

それと、ある程度わがままはいるね。わがままっていうのは、誤解したらいけないんですけれども。スタッフを困らせるとか、そういう意味じゃなくて。自分の描くビジョンを貫くためには、“貫く”っていうアーティスト側の気持ちと、そのアーティストを抱えてる事務所、マネージャー、レコード会社、イベントメーカーっていうのは、違うじゃないですか。そこのズレがあるよね。だから、できるだけ一緒に手を握りあって、同じ方向を見ていく。これが一番大事ですね。

一番大事だけど、時としてズレる場合がある。ズレたときに、ひょっとしたら自分の気持ちというものは、そっちじゃないんだと。一般的な気持ちが“右”だとすると、自分の気持ちは“左”なんだよね、っていうのがあったときには、その”左”を貫くわがままさはいるかもしれない。わがままを常にやれ、と言ってるんじゃないですよ。“いるかもしれない”ってこと。」

とーやま「例えば、“会社としてはこういう方向に行きたい”。」

矢沢「“行ってほしい”。で、例えばそのためにテレビやラジオ、雑誌とかのプロモーションがいろいろある。だけど自分の思うのとはそぐわない場合もある。そのときには、ちょっとわがままを貫かなきゃいけないときもある。でも、わがまま貫くっていうのはなかなか難しいね。」

とーやま「そうですね…!」

矢沢「それと、“流れ” もあるよね。“運” もあるし。消耗していくアーティストって、言い換えれば結局、みんなの意見を汲み入れすぎたっていうこともあるのよ。だからどこか、わがままになりなさい、ってことをいまラジオで本音を言ってますから。生意気だと言われるくらいがいいんです。別に悪いことしてるわけじゃないんだから。確固たる信念があるんだったら、ちょっとぐらいわがままになんなさい。人生はそこだよ、ポイントは。」


M  IT’S UP TO YOU! / 矢沢永吉



とーやま「…ボス。ちょっと僕、いま両手グー握っちゃってて(笑)」

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矢沢「(笑)」

とーやま「力が自分にも宿ったんだろうな、っていう証が、この両手のグーです。」

矢沢「いやちょっと生意気なこと言って悪かったんですけれども。」

とーやま「いえ!!!とんでもないです!!!!そして聴いてる皆さんも、僕と同じ気持ちだと思います!“よし、じゃあ私も”、“じゃあ僕も”って思ってるはずです。…ありがとうございます。」

矢沢「いや、とんでもないです。」

とーやま「ボス、これ2回目が、早いもので終わりなんですけれども。」

矢沢「ほんと!?何回ぐらいあるの?これ、全部で。」

とーやま「(笑) ボスは逆に何回くらいやりたいとかってありますか?」

矢沢「いやいや、僕はもうよくわからないんですけど……みなさんのおかげです!」

とーやま「(笑) いや、僕はこれ来月もですし、まだまだたくさんお話お聞きしたいので、ボスがやっていただけるのであれば、ずっとやっていきたい、って気持ちでいっぱいです!」

矢沢「僕、もうちょっとしたら、ツアーなんですよ…(笑)」

とーやま「そこをなんとか〜…!(笑)」

矢沢「(笑) いや、こちらこそ本当に、ありがとうございます!」

とーやま「ツアーのリハーサルとかは、まだ始まらないですか?」

矢沢「うん、もうちょっとですね!個人ではもうやってますよ!詩を覚えなきゃ。僕ね、一語一句頭に叩き込んでやる、それが飛ぶんだよね(笑) あれ本番で詩が飛ぶの、なんで?(笑)」

とーやま「不思議なもんですね(笑)」

矢沢「あんなに段取りよくばっちり頭に叩き込んで、本番で“ROCK'N' ROLL NIGHT!!!”ってやってて、“あ、あいつ(観客)と目が合った”ってなったらもう飛んでるんだよね(笑) だから生、ライブはいいんですよ!」

とーやま「もしもそこで目が合った方からしたら、まあ、自分のせいで飛ばしてしまった、になるかもしれないですが(笑) (ボスと)目が合ったという事実で向こう何年生きてけるか、って話ですし!」

矢沢「いや、向こうわかってないんじゃない?(笑) だいたいあの辺見てるだけで、みんな“矢沢と目が合った!”って言ってますもん(笑) だから、皆さん、ステージで会いましょう!」

とーやま「それでは来月も、よろしくお願いします!」

矢沢「お願いします!」

とーやま「今月もありがとうございました!」

矢沢「ありがとうございました!」

SOL教育委員会

この後記の放送を聴く

聴取期限 2022年6月3日(金)PM 23:00 まで