ただ今、入りました情報によりますと、1月3日、午後5時頃、関東地方で日本武道館を震源とする震度10強の地震が発生しました。この地震による津波の……」
とまあ、こんなアホみたいな書き出しにしてしまいました。
しかしBase Ball Bear先生のライブは、それほどに揺れ、激しく盛り上がっていました。
1月3日、この日僕は、初めてのことを3つしました。音楽を聞いて泣きそうになったこと、インド人と話したこと、そしてBase Ball Bearのライブを観たこと。というか、音楽ライブに行ったこと。
その日、武道館に行くと、門の外まで長い行列ができていました。大移動しているヌーかと思いました。しかしそれは、グッズを求める長蛇の列でした。その長さは長蛇よりも長く、まるで長新幹線のようでした。長こだまの列です。というか実際、こだま位の長さ、あっただろ。 5時に始まるまでは、僕はインド大使館に行ってきました。お前は何しとるねん! と思うかもしれないけど、大使館に行きました。その次の日に用があったので下見に行ったら、不審に思われたらしく、インド人の職員の人に英語で話しかけられました。僕は英語をフル活用し、「Tomorrow?」と聞き、「OK!OK!」と返ってきたので、明日は開いてることが分かったのでよかったです。
話が脱線しましたね。というか最初の書き出しからレールにすら乗っていなかった気もします。Base Ball Bear先生のライブです。4時40分に中に入ると、外装はタージ・マハル(インドの世界遺産)みたいだったのが、中には「耳をかっぽじりな」とばかりに、挑発的にスピーカーがたくさんありました。会場にはキリのようなものがかかり、「早く観たい!」というみんなの故障寸前の気持ちが、オーバーヒートして煙になったようでした。
場内のデジタル時計が58分、59分と進むごとに、みんなの気持ちもオーバーヒートして爆発しそうでした。
5時になった! さあ、みなさん4人の技師が現れたよ。故障を治してもらいましょう。ライブが始まりました。最初の4曲は、僕は一切動かず観ていました。衝撃で体も動かず、仏像のように固まっていました。本当に引き込まれていきます。いったん間を挟むと、落ち着いて観れるようになりました。ベースの関根先生は、たまにイチローかフラミンゴのように、一本足で弾いていました。命名、“フラミンゴ弾き”です。ドラムの堀之内先生は、「X」のTシャツ＋黒メガネで、江戸川乱歩の“怪人二十面相”のように見えました。みんなの心を盗むってか!ギターの湯浅先生は、“仮面ライダー”のように体を動かし、踊り出し、戦っているようでした。時間が経つごとに、会場のボルテージも上がっていきます(しかし、ボルテージってどういう意味?)。しかしその中でも僕はメモ帳に、「みんなの盛り上がりが、マイクになっているようだ」「盛り上がらなければ、こんな大きい声は出ない」「Base Ball Bearは、ギター・ベースではなく、みんなの神経を弾いてる、だからみんなの心が動く」っと、恥ずかしいことをあの状況で書いていました。しかし、今でも僕はそう思います!
湯浅先生が升酒を飲んで休憩しています。関根先生は特別ゲストになっています。堀之内先生はドラを叩いています。ちなみに僕は、堀之内先生が一番好きです。かっこいいなぁー。ライブは中身が詰まっていて、いろんなことがありました。手巻寿司のようです。アンコールも2回ありました。お雑煮を食べて箸でもちを取ったら、かまぼこがもちにくっ付いてきた気分です。このライブは、本当に手巻き寿司のようでした。
“武道館”という素晴らしいのりに巻かれ、酢飯である観客もホカホカの熱い気持ちで盛り上げ、Base Ball Bearの皆さんは歌ったり踊ったりドラを叩いたりと、個性豊かな具になってくれました。
そして、そのような素晴らしい詩を書いてる小出先生。僕はいつも曲を聴くと、妄想ではなく彼女がいるような気がします。まるでキューピッドのようです。
あと、Bレポーターの、さあや☆さん、まる子さん、出身も年齢も性別も違って、最初はすごい緊張したけど、一緒に話したりして、とても楽しかったです。ありがとうございました。僕は生まれてこの方、ライブというものに行ったことがありませんでした。しかし初めてライブに行き、Base Ball Bearの音楽にマジで泣きそうになりました。武道館ライブ、最高です。
最後に、このような企画を作ってくれたBase Ball Bear先生、お世話してくれたタキンチャイ先生、むしろ力石徹のような風貌だったカメラマンのジョーさん。他にもSCHOOL OF LOCK!の方、TOKYO FMの方、EMI MUSICの方、どうもありがとうございました。
後日談、
インド大使館は、開いてませんでした。
