ー『愛する』ということを、いろんな視点で見てきた
やしろ教頭「清先生の音楽を聴いていてすごく思うのは、『早いなあ』ってことなんですよ。
『もうココにたどり着いたんだ』って。今、21歳ですよね?僕は34歳なんですけど、この学校の教頭になるまで、衝突ばっかりで。
ずっと、何かに対して『VS』な雰囲気で生きてきたというか…。もちろん、身近に大切な友達はずっといたんですけど、もっと広い『世間』や『世界』に対して、優しさを持つって考えが全くなかったんです。この学校の教頭になってようやく、たくさん傷ついている人がいるってことに気付いて、それからやっと、ちょっとずつ出てきたんですけど…。だから、僕なんかと比べちゃってアレなんですけど、清先生は『早いな』って。清先生が、外側に向けて優しさを出せるようになったのって…いや、そもそも、そういう自覚はあるんですか?」
清 竜人先生「うーん…。そういうことを考え始めたのは、すごく最近のことです。僕も、そういう境地にまだ全然到達できていないとは思ってて。でも、リリースを重ねるにつれて、歌詞もメロディーも、いい意味でメッセージ性が強くなってきているとは思います。なんでそうなってきたのかは分からないんですけど…人とか音楽とか映画とか本とか、その時々で、いいものにめぐり逢えているという実感はありますね。」
やしろ教頭「あと、『ラヴ』
(※2ndアルバム『WORLD』収録)とか、清先生の、恋愛をテーマにした曲を聴いていても『早いな』って思うんですよ。
僕、ココ2年くらい、現実の恋愛を通じて、愛についてじっくりと考える機会があったんですけど(笑)、そのとき気付いたのは、日本では、『愛され方』の話ばっかりしてるなって。本当は、『どうやったら愛されるのか?』よりも、『どうやって人を愛したらいいのか』の方がよっぽど大事だと思うんですよ。で、清先生の曲を聴いてると、まさに、どうやって愛そうか、みたいな話が多くて、『この人、もうここもクリアしてる!』って。僕も、そんな風に生きたいなあって思うんですけど…清先生は実際、そういう恋愛スタイルなんですか?」
清 竜人先生「どうですかね…(笑)。でも、自分が今までつくってきた曲を振り返ってみると、ラブソングみたいなものがすごく多い気がするんですけど、確かに、『愛する』ということを、いろんな視点で見てきたというか。人をどう愛そうかと考え抜いて、その時々で出した何通りかの答えが、いくつかの曲になってるとは思います。」