福山雅治 福のラジオ

TOKYOFM/JFN38 Stations Every Saturday 14:00-14:55

放送後記

「頂に達した」は、まだ片面なんです!

2024/8/18
先日の放送では、
「決めたことを続けられるか!?」
という話題が盛り上がり、たくさんのリアクションをいただきました。

では、その決めたことをひたすら長いこと続けて、頂点に達した!
そんな時はどうすればいいのでしょう?
こういうメッセージをいただきました。

群馬県高崎市・たろうさん(42歳)
先日のゴールデンウィークに、書道の細字で師範試験に合格しました。
初めて筆を持ってから、36年かかりました。

89歳になる祖父の妹が私の先生です。
先生から師範合格の免状と一緒に、36年前、年長の時に初めて筆で書いた時の字も渡されました。

そして
これですべての資格を取ったね。これからも【こんな字は簡単に書ける】と思われる字を書き続けなさい。30年以上言ってるから、わかるよね
と言われました。

最終的な目標であった師範の資格までを修得して嬉しいです。
ただ同時に今、寂しさにも襲われています…

それは「目標がなくなってしまった」ということです。

このように目標が無くなってしまった時、福山さんはどうしてますか?
目標がなくなったことはありますか?

自分は今、一旦、筆から距離を置いてます。
小1から始めた剣道の稽古の時間を増やしたり、本を読んだり、散歩したり、
音楽を聞きながら酒を呑んだり、絵画鑑賞したり、映画を観たり、顔馴染みの店に
晩酌をしに行ってマスターやママと話したり、仕事量を増やしたりと、
習字とは関係ないことをしています。

それで習字に対する気持ちを確認していますが、
3ヶ月経った今も未だ自分の気持ちが分からないままです…。


メッセージを読んだ福山さん、おもむろに語り始めました。

以前、ある本で読んだか、話を聞いたかなのですが、茶道か華道、いずれかの道で師範代の資格を取った方がこんな言葉をかけられたそうです。

学ぶ、ということは教わることが学ぶではなく、教えるようになってからが本当の学びの始まりなんです。

教わっているうちは、学びのまだ“片面”。
ひっくり返して、教える側になってやっとコンプリート。
つまり師範の資格を取っただけでは、まだ半分、なのだそうです。
まるでお好み焼きのように。

たろうさん。
実際に師範になってからの草書と、年長の時に書いた「ねこ」という2つの作品の写真を送ってくださいました。
拝見した福山さんは、実はどちらが最近の作品かわからず。

はからずも、たろうさんの師匠からいただいた
「これからも【こんな字は簡単に書ける】と思われる字を書き続けなさい。」
という言葉を裏付けるような作品だったのです。

この感覚を福山さんは、音楽をモチーフにさらに展開します。
ローリングストーンズを代表する楽曲『START ME UP』の冒頭のギターリフ。
とても印象深く、ギターキッズなら誰もが弾いてしまうようなメロディですが、でもストーンズのギタリスト、キース・リチャーズの音のカッコよさには及ばない。
たろうさんの作品、そして師匠の言葉は、そういうところにも通じるのではないか、と。

36年間教わり続けた書道。
師範になってふたたび、筆を持ったとき初めて書いた「ねこ」の境地を、師範として目指していくのはどうでしょう?
メッセージにあった福山さんへの問いに対しては
「目標を見失ったことは一度もありません。いつも目標に向けて切迫感を持って進んでいます。」
そう答え、さらに。「燃え尽きている時間なんかないんです。燃え続けないと。」とたろうさんにエールを贈りました。
 ・
 ・
 ・
あなたは、やり抜いたと思うことはありますか?
そういうとき、次なる目標をどうやって見つけているでしょう?

最新記事

バックナンバ―