藍は、紀元前より世界各地で青色の染料として大切にされてきました。日本でも奈良時代よりタデ藍が各地で栽培され、その土地独自の藍染めの文化が生活の景色を鮮やかに彩っていました。
今回は藍染めをライフスタイルに取り入れるための活動から生まれた、藍染めのグッズをご紹介します。
懐かしくて新しい独自の青の世界 「インディゴ気仙沼」
藍染めの生地は、抗菌性、保温性、防臭性、UVカット効果、そして肌を守るなどの天然の効能が知られています。その優しさと強さ、そして自然の青の魅力を日々の生活にもっと取り入れて欲しいと活動しているのが、宮城県気仙沼の「インディゴ気仙沼」です。目指しているのは「地球が本来持っている自然の色を、生地に乗せて届けること」。天然原料100%の染めにこだわり、藍染めの魅力を発信しています。
「インディゴ気仙沼」は、代表である藤村さやかさんの「地元の女性に働く場を提供したい」という思いから始まりました。藤村さんは染めをゼロから学び、使う側の視線を大切にして商品を生み出してきました。たとえば人気商品の一つが、軽くて優しい肌触りの天然インディゴ染めのボタニカルストール。女性の首元を紫外線から守りたいという思いやりが込められています。
天然インディゴ染めのボタニカルストール
現在、「インディゴ気仙沼」では日本で初めてのめずらしいインディゴ植物の自家栽培に挑戦し、インディゴ気仙沼の独自の「青」を発信しようとしています。それがフランス生まれの幻のインディゴ植物「パステル」です。生育環境を選ぶ栽培の難しい植物でしたが、気仙沼の気候が栽培に適していることがわかり、地元の農家の方たちと協力して栽培し、染めの色素を取り出すことに成功しました。そこから生まれた色はまさに気仙沼オリジナルのブルー。気仙沼を象徴する海の青=ブルーをイメージさせる、懐かしさと新しさを併せ持つ青の誕生です。
インディゴ気仙沼のパステル畑
日々の暮らしでさりげなく藍を 「ものあい」
古くから伝わる日本の伝統的な染色技法が「型染め」です。模様を抜いた型紙などを染める前の生地にあて、糊を打ち、生地を染め、糊を洗い流すことで、染めた生地に型の模様が浮かび上がります。繊細な模様から自由に描いた模様までさまざまな表現ができる、世界でも優れた染色技法と言われています。この型染めの手法を使って藍染めを行なっているのが「ものあい」です。
そこに描かれる文様は、「うろこ」や「丸重ね」など抽象的なデザインから、「羽根」や「七花」など写実性のあるデザインまで様々ですが、どれも伝統美を受け継ぎ、素朴な佇まいにこだわった味わいのある生地になっています。
型染め うろこ
型染め 丸重ね
型染め 羽根
型染め 七花
その生地を使った品々に込めたメッセージは、「暮らしで愛され、日常使いに馴染むもの」。見ても触れても優しさが伝わるハンカチやスカーフ、使い込むほどに味わいの生まれるポーチ、バッグ、そして青が印象的なストールなど、ひとつひとつ手作業で生み出されています。伝統的な型染めの技法から生まれた、暮らしにさりげなくなじむ藍染めの品々です。
ものあいの型染めスカーフ
初夏の爽やかな風が吹くこの時期は、藍で染められた青がより映える季節です。心を落ち着かせて、青空のような開放感も感じさせてくれる「藍」が放つ魅力を、日々の生活に取り入れてみませんか。
TOKYO FM
「ONE MORNING」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。 5月30日は、スタイリストの原由美子さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
インディゴ気仙沼
www.indigo-ksn.com
ものあい
creema.jp/c/mono-ai