人の心に安らぎをもたらす「花」は、日本に伝わる伝統技術のモチーフにもなっています。木から生まれた枯れない花「MOKUKA」と、織物を素材として作られる「つまみ細工」。華麗に咲いたその姿を、飾ったり贈ったり、身近に置いて楽しんではいかがでしょう。
今回のボタニカルグッズは、日本伝統の技術や手法で生み出された、花をモチーフにしたグッズと、それに関わる人たちの思いをご紹介します。
木から生まれた枯れない花「MOKUKA」
山形県にある70年の歴史を持つ製材会社「相原木材」が作る木の花が、「MOKUKA(木花)」です。ヒノキやスギ、カエデ、ブナ、ヒバ、松など、地元山形の森が育てた木材を伝統の技術で薄く削り、それを一枚一枚花びらに見立てて丁寧に作られています。天然の木ならではの香りや色、花びらに浮き出た木目など、まさに自然のエッセンスを感じることのできる花です。お部屋に飾る以外に、コサージュやブローチにして身につけても、暮らしの様々なシーンを華やかに演出してくれます。
MOKUKAのブーケ
「MOKUKA」は、「山形の自然が育てた木の魅力を多くの人に届けたい」という思いから始まり、「大切な人に花を贈るように木を贈って欲しい」という願いが込められています。現在作られている花の種類は、バラやユリの他に、紫陽花、ダリア、カーネーション、ガーベラなど10種類以上。作る花の種類によって、削る木の種類を変えたり、1本の木でも使用する部分にこだわったり、削り方も独自に開発して質感を高めています。また、本物の花をじっくりと観察して色や質感の違う素材を使い分け、花の持つ立体感、柔らかさや色合いを表現することで、自然の花の佇まいを丁寧に再現しています。
MOKUKAのギフトボックスセット
「木の持つ温かみや香りを普段の生活に届け、木の花が誰かを励ます存在であって欲しい」。そんな「MOKUKA」の思いを受け止めてみませんか。
伝統のつまみ細工で咲かせる花
「つまみ細工」とは、江戸時代に生まれた手工芸です。正方形の布を折り畳み、様々な花や形をつくる伝統技法で、かんざしや帯留めなどが作られてきました。光沢のある美しい生地を使うことでより作品が際立つため、縮緬(ちりめん)などの絹織物が使われることが多く、日本人ならではの美意識や技術が凝縮されています。
春色フラワーのヘアコーム
1枚1枚の花びらを組み合わせて作られるつまみ細工ですが、花びら作りは、折り紙のように正方形の布を折りたたむところから始まります。使う素材やその折り方によって、様々な花の表情を表現することができます。折り方の基本は二つ。一つは細く尖った花びらになる「剣つまみ」。そしてもう一つがふっくらとした優しい花が出来上がる「丸つまみ」です。また、同じ生地でも表や裏地を使い分けることで、出来上がる花の表情にも多様な変化が生まれます。
剣つまみのダリア
丸つまみの梅ヘアピン
つまみ細工作家の鳥待月(とりまちつき)さんは、ハレの日につける印象が強いつまみ細工を、もっと日常的に使えるようにしたいとの思いから、その技術を磨き、作品を作り始めました。髪飾り、ブローチ、イヤリングなどの作品は、”和モダン”な雰囲気を楽しめるアクセサリーとして人気を集めています。
鳥待月さんの創作のインスピレーションの一つは、輝いている女性の存在だそうです。つまみ細工は決して大きく目立つ存在ではありませんが、女性の気持ちを潤したり、元気を与えてくれます。丁寧に織り上げられた一つ一つの花びらには、そんな鳥待月さんの思いが込められています。身に付けるだけで、お祝いや感謝の思いを伝えてくれるのがつまみ細工の花。可憐でアート感覚あふれるボタニカルグッズです。
花や植物との絆が深い日本人のライフスタイル。伝統技術から生み出された“花々”を身近に置いて、楽しんでみてはいかがでしょう。
TOKYO FM
「ONE MORNING」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。 4月4日は、女優の室井滋さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
MOKUKA
https://www.woodream.jp
つまみ細工作家 鳥待月
https://www.creema.jp/c/waiting_bird