「壁飾り」という意味を持つ“スワッグ”は、生花やドライフラワーを花束のように束ねたもの。吊ったり引っ掛けたりして飾ります。ボタニカルなインテリアとして、お部屋の中に自然の癒しの空間を作ってくれますよ。
今回のハーバルライフは、手軽に花や植物のある生活を楽しめるスワッグの魅力を、花生師の岡本典子さんに教えていただきます。
スワッグのためのお花選びと飾り方
スワッグを楽しむには、まず、花材選びが重要です。飾る場所を決めて、そこへの視線を考えながら、花材の組み合わせを選びましょう。例えば、壁の高い位置や天井からスワッグを吊るす場合は、下からスワッグを見上げることになり、ちょっと遠い位置になりますから、大きめで少しカラフルなアレンジがおすすめです。
ピンクペッパーベリーの赤が鮮やかなスワッグ
また、どなたでも取り入れやすいのが、グリーンの葉もの系のスワッグです。たとえばユーカリは種類が豊富で葉の色や形も多様ですので、質感の違うものを組み合わせると、緑のグラデーションが楽しめます。
アカシア、ユーカリなど葉もののスワッグ
葉ものに生花をアレンジして、生き生きとした色合いを楽しむのも素敵ですね。
葉ものにブルーセージの生花を合わせたスワッグ
小ぶりのサイズのスワッグをドアの取っ手に掛けたり、棚の上にそのまま置いたり、楽しみ方は自由自在。ちょっと意識してお部屋を見渡せば、スワッグを飾りたい場所がきっと見つかりますよ。
簡単で楽しい、スワッグの作り方
スワッグは、お花屋さんでアレンジしていただくことも、自分で作ることもできます。作る場合に用意するものは、はさみと輪ゴムとひも、ワイヤーなど。ひもは、花や植物に馴染みやすいグレー系の麻ひもがおすすめです。
スワッグ作りに必要な道具
テーブルを壁に見立てて、上に材料を置いて重ねてゆき、仕上がりの長さをイメージしてはさみで茎をカット。そして、飾っている間、茎が乾いて細くなった時に抜けないように輪ゴムでしっかりと束ねます。その上に麻ひもを3、4回強く巻いて縛ったら出来上がりです。直射日光と湿気が強いところは避けて飾りましょう。
スワッグはドライフラワーでも作れますが、おすすめは生花のスワッグ。花がしっかりと固く、水分が少なくて、自然にドライフラワーになりやすいものをお花屋さんで選んでもらうと安心です。フレッシュな香りの生花なら、作ったり飾ったりしながら自然の香りを味わうことができます。生き生きとした色合いが楽しめる生花から、クラシカルなドライフラワーの状態まで、時間の経過とともに楽しめるスワッグ。自然が作り出した個性的な色や形の表情で、きっと気持ちが癒されることでしょう。
TOKYO FM
「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。2月23日は、翻訳家の松岡佑子さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
岡本典子
花生師(はないけし)。Tiny N主宰。大学卒業後にイギリスに花留学し、花コンペティションで多数の優勝や入賞を果たし、国家技能資格上級を取得。帰国後、自店を構える。テレビや雑誌、広告などの撮影を中心に多方面で活躍。著書に、『はじめてのスワッグ』(文化出版局)など。
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全写真 撮影:有賀 傑