多肉植物に愛情を注ぎ、空間や器などに合わせたアレンジを提案する近藤義展さん。多肉植物のリースやミニチュアガーデンなどの創作活動を通して、その魅力を世界に発信しています。
今回のボタニストは千葉県・浦安市を拠点に多肉植物のボタニカルデザインを創り出すユニット、TOKIIROの近藤義展さんをご紹介します。
多肉植物との出会い
近藤義展さんが多肉植物に魅了されたきっかけは、ドライブで訪れた山梨県八ヶ岳にある八ヶ岳倶楽部で出会った一つのリースでした。それは、多肉植物だけでつくられ、植物の生命の輝きが感じられる、今まで見たことのないリース。作ったのは当時、八ヶ岳倶楽部の代表を務めていた園芸家の柳生真吾さんです。近藤さんはその場で、リースの作り方を紹介している柳生真吾さんの本を購入。奥さまへのプレゼントとして、本を見ながら材料を集め、人生で初めて多肉植物のリースを制作します。近藤さんが今も忘れられないのは、そのリースをプレゼントした時の奥さまの笑顔。また、その笑顔を見たくてリースをいくつも作り、やがてその魅力をもっともっと誰かに伝えたいと、多肉植物のことを学び、関わりを深めていったそうです。
四季により異なる多肉植物のいのちの表情
多肉植物の魅力は、まず力強い生命力と、ぷっくりと肉厚で愛らしい独特の形。まさに、砂漠などの厳しい環境下で生息し、水分を蓄える構造に進化した「いのちの姿」です。そして、四季の移ろいで変化する多彩な色。いつも静かに佇んで、季節を通してあまり変化がないように見える多肉植物ですが、近藤さんは、多肉植物が季節によって色を変えていくという意外な事実を知ります。木々が新緑に輝き、赤や黄色に紅葉するのと同じように、四季の光と温度に応じて色を変え、多様な姿を見せてくれる植物だったのです。種類が豊富で1万種以上もあると言われる多肉植物。多種類を組み合わせて植えた小さな自然界が、年間を通じて見せる豊かな表情と変化こそが、近藤さんが作品を創り出す原点になっています。
近藤さんは、室内のインテリアとしてだけではなく、多肉植物を屋外で育てることにこだわり、その大切さをメッセージしています。「植物は人類が誕生する何億年も前に生まれ、地球を豊かな星にしてくれた存在です。人間が生きるためには植物が必要ということをいつも忘れないで欲しい。多肉植物という“いのちの存在”は、植物目線で僕たちの未来を考えること、そして、地球を考えることの大切さを伝えてくれています」。近藤さんが心に刻み続ける思いです。
あの初めてのリースとの出会いから10年。現在、近藤さんは、千葉県・浦安市にアトリエを構えて創作活動をされていますが、作品だけではなく、玄関先や窓辺にさりげなく置いた多肉植物をご近所の方が目にして笑顔になったり、会話が生まれたりすることが何よりの喜びだとおっしゃいます。
TOKYO FM
「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。8月25日は、エッセイストの群ようこさんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
TOKIIRO
多肉植物に特化したアレンジを提案する近藤義展、近藤友美とのユニット。グリーンデザイン、ガーデンデザイン、ワークショップ開催など多岐にわたる活動を行い、四季の色を楽しむ、季(とき)を感じられるアレンジを表現。台湾やニューヨークでも展示やワークショップを開催している。最新著書は、『ときめく多肉植物図鑑(ときめく図鑑) 』(山と渓谷社)。
279-0042 千葉県浦安市東野 2-5-29
www.tokiiro.com