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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.03.10

震災復興をきっかけに新しく生まれた「産業や人材」

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、ジャーナリストでメディアコラボ代表の古田大輔さんです。
古田さんが注目したネットの話題はこちら!


『震災復興をきっかけに新しく生まれた「産業や人材」』


鈴村:明日3月11日で東日本大震災から9年となります。そのタイミングでこのテーマを選んでいただいたのはどうしてでしょうか?


古田さん:震災復興、もう9年になります。ずっと現地で活動している地元の方々、東京から向こうに行って活動している方々もいますよね。今年は東京オリンピック・パラリンピックもあるし、そういう人たちと、この9年、何かメッセージを発信するとしたらどんなことを発信したいか?みたいなことをこの間、議論していたんですよね。その時に話題に出たのが『東京オリンピック』、前の東京オリンピックは“戦争からの復興”だったわけですよね。その時に、新幹線が通ったり、いろいろな物の面で復興したけど、今回の復興は、たんに新しい建物が建ったとかじゃなくて、新しい人材とか繋がりが生れてきたっていう、“人の復興”なんじゃないかみたいな議論をしてたんですよね。なので、震災について話すのであれば、「新しい産業とか人材が生まれて育っているんだよ!」って話がしたいなと思いまして。


鈴村:その新しく生まれた産業や人材っていうのは具体的にはどういうものがあるんですか?


古田さん:本当にいっぱいあるんですよね。地域おこしとか、漁業みたいなことをされたり、観光業されている方もいれば、全然違うものを生み出す人もいてですね、有名なののひとつは、岩佐大輝さんというイチゴ農家の方で、すっごい美味しいイチゴの栽培をしているんですよ。岩佐さんは宮城県出身でして、東京でIT企業を自分で起こしてたんですよ、でも、震災をきっかけに実家に戻って、その実家のイチゴ農家を継いで、そこにITを盛り込むことよって、より生産を効率化して美味しいイチゴを作るっていうふうな活動をされていて、それが『アグリテック』って言われる分野なんですけどね。アグリカルチャーにテクノロジーを掛ける、それで、より良くしていくっていう。今そこで培ったノウハウを今度はインドとかですね、アジア進出にも使おうみたいに、そこからまた広がっていっているみたいな話もあるんですよね。震災直後は農業とかも壊滅的な打撃を受けたんですけども、そこから新しい芽が生まれているっていうひとつのすごい良い事例だなと思うし、あと、僕がすごいなと思ったのが、宇宙食を作っているところがあるんですよね、これも宮城県で、『ワンテーブル』っていう企業なんですけど、JAXAと一緒に宇宙食を被災地から作って発信しています。なんで?って思うじゃないですか、要は、保存がきく防災食でもあるんですよね、宇宙食ってね。


鈴村:そっか〜!そうですよね、過酷な状況でも食べられるものですもんね。


古田さん:5年間保存がきくゼリーを開発とかですね、被災地の経験をすごく活かして、美味しいし、子どもも食べれて、お爺ちゃんお婆ちゃんも食べれて、しかも、いざって時なので、保存がきかないと防災食ってダメなので、っていうところまで考えられてて。あっ、宇宙に持って行けるじゃん!ってすごいカッコいい発想ですよね。


鈴村:ですよね。ピンチな時とか、何かを失ってしまった時に、じゃあどうするか?どうやって立ち上がるか?っていうと、後ろ見て、過去を見て、そこに引きずられるっていうことだけではなく、過去は過去でそこにあったものをちゃんと自分の中に蓄えながら、次の力に変えていくっていうことが大切ですよね。そう考えていくと、ちゃんと立ち上がった人たちがいるってことを、もっとちゃんと伝えていかなきゃいけないなと思います。


古田さん:そうですよね。もちろん、毎年、これで一年の事を思い出して、亡くなった方々の事を忘れない、思い出すってことはとても大切なことだと思うんですよね。でも、と同時にそこからまた新しい物が生み出されていくっていうのも、とても大切だと思うんですよね。今回のコロナウイルスでも、この間、東京都の副知事をされている元ヤフーの宮坂さんがツイートしていた「Never let a crisis go to waste」という有名な言葉があって、危機を無駄にするなと、危機があったらそこから何かを生み出せって昔から言われる言葉があるんですけど、やっぱそういうものが東日本大震災でもあるんだなっていうのがすごい思いますよね。


鈴村:だから、“大変”“辛い”っていうところだけを抱えてしまうと前に進めなくなるんですけど、その先っていうのを、みんなで気付いていく。ひとりでは立ち上がれないことはいっぱいあると思いますし、そこにやっぱり囚われるのが人間だと思いますけど、いろんな人が前を向いた、その姿を見せることで、そこに続けとなっていく人ってたくさんいると思います。そういう輪が広がっていて、前に前に進んでいくこと。その力っていうのは、僕らはすごく必要だなって思いますよね。こういうタイミングでね。


古田さん:ぜひ、みなさんにも被災地に行ってもらいたなと思うんですよね。また新しいものがいっぱい生まれているんでね。


鈴村:そうですよね、そういうのに触れるチャンスかもしれませんね。



そして、今日の #スズコメ はこちら。











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