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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

19.10.29

「日本エイズ学会理事長が会見で呼びかけたこと」

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日お話を伺ったのは、ジャーナリストでBuzzFeed Japan シニアフェローの古田大輔さんです。今日の話題はこちら!


「日本エイズ学会理事長が会見で呼びかけたこと」について

鈴村:日本エイズ学会の理事長が会見で「知識をアップデートして、性の多様性を受け入れる社会を」と呼びかけたことが「Buzz Feed Japan」で記事になっていますが、こちらにはどのような背景があるのでしょうか。


古田さん:HIV感染を告げなかったことを理由に、病院の採用内定を取り消されたのを不当として、社会福祉士の男性が病院を経営する北海道社会事業協会を提訴する裁判があり、結果は男性側の勝訴となりました。この結果を受けて、10月23日に日本記者クラブで、日本エイズ学会の松下理事長が会見を開いた、という流れです。
日本エイズ学会は昨年、HIV感染による就業差別に反対する声明を出していましたが、今回初めて個別の訴訟に対する声明を出した形になります。
この「知識をアップデートする」という言葉がポイントだと思うんですが、病気などは特にどんどん新しい治療法が出てきて、むかし言われていたことが現代には当てはまらないことも多いんですよね。特にHIVはその部分がすごく大きいんです。


鈴村:僕はHIVを題材にした舞台をやったことがあって、それがもう26年くらい前なんですが、その頃は今よりもさらに偏見が強くて「握手するのも憚られる」ということを言う人がいたくらいです。それを啓蒙するという舞台をやらせてもらったんですが、その頃よりもかなり医学が進歩している中で、未だに知識のアップデートが完全に浸透していない、というのが残念ですね。


古田さん:90年代はまだ、エイズは「死の病」というイメージがあったと思いますが、実は96年の段階で、HIVに感染していても「薬を飲み続ければ普通の生活を送ることができる」病気になっているんです。それと、これもあまり知られていないことなんですが、HIVはそれほど感染力が強くないんですね。なので、きちんと薬の服用を続けていれば、コンドームなしでもパートナーに感染させないことが分かっていますし、HIVに感染している母親が陰性の子どもを産むこともできます。
現代ではすでに「死の病」ではなくなっているこの病気に対して、未だに強い差別が残っていること、そして今回は、その差別が病院で起こったということが非常にショックを与えています。


そして、今日の #スズコメ はこちら。




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