浜崎 そもそもソルズコーヒーさんは、どういった経緯で誕生したのですか?

荒井 元々はインテリアの勉強をしていたんですが、いざ就職、というタイミングのときに、リーマンショックの影響で、内定が取り消しになってしまったんです。

浜崎 えぇ!……それは大変でしたね。

荒井 はい。そんなときに、一緒に弊社を立ち上げたメンバーの実家で焙煎しているコーヒーに出会ったんです。そのコーヒーがあまりにおいしくて、「設備もノウハウもあるんだし、コーヒー屋をやろう!」と思ったんです。

浜崎 ということは、もし内定が取り消されてなかったら……?

荒井 コーヒー屋はやってない、でしょうね(笑)。

浜崎 偶然と勢いで、ソルズコーヒーさんは生まれたんですね。

荒井 はい(笑)。私が楽観的で、パートナーの植木が緻密なタイプなので、きっと二人ならうまくいくだろうと、そんな風に私は考えていました。

浜崎 実際、どうだったのですか?

荒井 最初は全然駄目でした(苦笑)。卒業と同時に起業し、移動販売をメインにしていたんですけど、どこで売っていいのかさえも、わからないような状況でしたから。

浜崎 そうだったんですね……。

荒井 はい。移動販売の仕事を紹介してくれる団体などもあるのですが、それを知ったのは、かなりあとになってからでした。何もわからず、当初は、近所の公園をぐるぐるとしていましたね(笑)。そんなとき、中目黒の川沿いなら販売できるということで、中目黒で移動販売を始めたんです。

浜崎 中目黒では売れたんですか?

荒井 いえ、駄目でした(笑)。1日の売り上げが3000円なんて日もありました(苦笑)。ただ、そこで出会った方に、「青山の家具屋の一角で販売しないか?」と誘われたりと、中目黒での縁をきっかけに、青山で実績を積み、夏には地方のお祭りや野外フェスなどでも販売できるようになったりと、徐々に活動の幅も広がっていきました。


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