フードテックでも活躍! 音楽プロデューサー 今井了介さんが登場
- 2024/09/29
音楽プロデューサー 今井了介さんをお迎えして
今回は、音楽プロデューサーの今井了介さんをお迎えしました。今井さんは、安室奈美恵さん「Hero」、嵐「Winter days」、他にもYUKIさんやEXILE、MINMIさんなど、数多くのミュージシャンにヒット曲を提供してきました。現在はフードテックの分野にも取り組んでいるそうですが……。
宇賀「いま、フードテックなんですね?」
今井「なんでかって皆さん思われると思うんですけど、きっかけは東日本大震災の時で。衣食住に真っ先に支援が必要な時に、我々のようなエンタメに従事する者が目の前でどんなに熱演をしても、まず彼らに必要なことは生きていくこと、食べていくこと。特に私、食には非常に興味があって、それからパソコンとか機械を使って打ち込みを作る趣味趣向性もあったので、フードテックで何か社会課題の解決につながるようなサービスとかプラットフォームを作れるんじゃないかと。最初に作ったのは『ごちめし』でした」
宇賀「これはどういった物なんですか?」
今井「いわゆるデジタルプラットフォームで、たとえば私から薫堂さんに、飲食店がもともと持っているメニューをそのままスマホの中で買って、ギフトできる」
宇賀「そしてコロナ禍には、飲食店支援『さきめし』が、日本ギフト大賞、グッドデザイン賞ほか、様々な賞を受賞されたと」
小山「これはどういうサービスなんですか?」
今井「『さきめし』という名前が何からきているかというと、先払いで飲食店を応援しましょうという“先”なんです。『ごちめし』というのは実は2019年の年末にローンチしたんです。コロナの直前です。その前に1年ちょっとかけて何千万も投じて作った仕組みなのに、『飲食店に行くな』という時代が、たった2ヶ月でやってくるわけです。食事をプレゼントするとどういう消費行動が起きるかというと、僕が決済をしている時点で飲食店は売り上げが上がるわけです。お金が発生するタイミングと来客のタイミングがもともと時間にギャップのあるサービスだったので、これは上手く活用しようじゃないかということで、コロナ禍で自分が応援したい飲食店を、『さきめし』で入れて、あとで食べに行く。これがバズりまして、ここで1万店舗くらい一瞬でいってしまいまして。僕たちのビジネスのベースになる飲食店の加盟店舗を増やすという行為が結果的に進むということが起きたという感じですね」
宇賀「すごいですね、アイデアが。逆手に取るという」
小山「今井さんにいただいて食べたあとに、おいしかったら、また誰かにゴチしたくなると、つながっていくんですよね」
今井「恩送りが見える化して、つながっていくことも見えて、循環して広がってというところまでデジタルでトラッキングできると、恩送りの社会を可視化してさらに広げていく価値観が生まれていくといいな、というのがサービスのゴールです」
宇賀「昨年からは『こどもごちめし』がスタートしたんですね」
小山「これはこども食堂のようなものってことですか?」
今井「こども食堂のDX化事業と便宜上呼んでいるんですけど、いま。僕らには飲食店ネットワークがある。これで何をしようと思ったかというと、こども食堂って皆さんご存じだと思うんですけど、心あるボランティアの方が基本的に善意でやっている。でも、あれを続けていくのは、結構な難しさがある。僕らは企業から支援金を募って、自治体さんからはふるさと納税とか補助金を募って、1つの基金にして、スマホに登録してもらった親御さんとか子どもが飲食店にスマホを持ってピッとやると、1,000円以内のお食事が無償で食べられますよというのを『こどもごちめし』でやっています。いいところは、PayPayとかで払っているのと見分けがつかないので、子どもさん、親御さんのプライバシーも配慮できているし、飲食店を選んでいけばいいので、月1とかのこども食堂を待たずに行けると」
小山「ありそうでなかったですよね」
今井「ありそうでなかったことを探すのが大好きなので。新規性が高いことをやるのは、楽しいけど本当にしち面倒くさくて。国を口説きに行ったり、議員会館に呼ばれてはいろんな陳情をしたりとかいろいろ大変なんですけど、その先には楽しさしかなくて。チャレンジする面白さは圧倒的にありますね」
小山「次、やりたいことはあるんですか?」
今井「ありますね。『ごちめし』はつまりはプラットフォームビジネスなんですね。かたや僕は音楽家として30年くらいお仕事をしてきて、いま、既存のいろんな音楽配信サイトって著作者への分配があまりに低いんですよ。こういったプラットフォームビジネスを学んだ私が、最後この若手の音楽家たちがもう1回音楽をやりたいんだと奮起できるような、新しいシステムとか……スマホのアプリはバージョンの改良が出たり、書籍も初版で間違ったあとに直せたりするじゃないですか。音楽って直さないんですよ。これは世界中の作家が同じことを思ってくれると思うんですけど、『あそこ、もうちょっとああしたかったな』って絶対にあるんですよ。そういう自分の曲をアップデートしながら過去のアーカイブも残せるみたいなことができるようなサービスを作りたいな、と。音楽家である自分の気持ちをプラットフォームに乗せたようなことが最後にできるといいなと思っていますね」
小山「時代によって、あの時こういう音が流行っていたけど、いまは流行ってないな……みたいなことありますよね」
今井「実際に音もそうですし、いまの作曲家も著作者も含めた分配の仕組みって、結局はレコードの時代にできているので、インターネットで音楽がほぼタダみたいなもので聞かれるという前提で法整備がされていないので。著作者にとって見たらだいぶ歪になっちゃったなと感じるので……。おせっかいなんでしょうけど、課題解決が好きなんだと思います」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
今井「私がまだ20代の頃に籍を入れた女性がですね、20代の時にガンで亡くなりまして。いちばん最初の結婚生活は死別なんです。それが25年前でしたので、亡くなったようこさんという前妻に宛てて書かせていただきました」
今井さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(10月6日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、今井了介さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 今井了介さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
今井「なんでかって皆さん思われると思うんですけど、きっかけは東日本大震災の時で。衣食住に真っ先に支援が必要な時に、我々のようなエンタメに従事する者が目の前でどんなに熱演をしても、まず彼らに必要なことは生きていくこと、食べていくこと。特に私、食には非常に興味があって、それからパソコンとか機械を使って打ち込みを作る趣味趣向性もあったので、フードテックで何か社会課題の解決につながるようなサービスとかプラットフォームを作れるんじゃないかと。最初に作ったのは『ごちめし』でした」
宇賀「これはどういった物なんですか?」
今井「いわゆるデジタルプラットフォームで、たとえば私から薫堂さんに、飲食店がもともと持っているメニューをそのままスマホの中で買って、ギフトできる」
宇賀「そしてコロナ禍には、飲食店支援『さきめし』が、日本ギフト大賞、グッドデザイン賞ほか、様々な賞を受賞されたと」
小山「これはどういうサービスなんですか?」
今井「『さきめし』という名前が何からきているかというと、先払いで飲食店を応援しましょうという“先”なんです。『ごちめし』というのは実は2019年の年末にローンチしたんです。コロナの直前です。その前に1年ちょっとかけて何千万も投じて作った仕組みなのに、『飲食店に行くな』という時代が、たった2ヶ月でやってくるわけです。食事をプレゼントするとどういう消費行動が起きるかというと、僕が決済をしている時点で飲食店は売り上げが上がるわけです。お金が発生するタイミングと来客のタイミングがもともと時間にギャップのあるサービスだったので、これは上手く活用しようじゃないかということで、コロナ禍で自分が応援したい飲食店を、『さきめし』で入れて、あとで食べに行く。これがバズりまして、ここで1万店舗くらい一瞬でいってしまいまして。僕たちのビジネスのベースになる飲食店の加盟店舗を増やすという行為が結果的に進むということが起きたという感じですね」
宇賀「すごいですね、アイデアが。逆手に取るという」
小山「今井さんにいただいて食べたあとに、おいしかったら、また誰かにゴチしたくなると、つながっていくんですよね」
今井「恩送りが見える化して、つながっていくことも見えて、循環して広がってというところまでデジタルでトラッキングできると、恩送りの社会を可視化してさらに広げていく価値観が生まれていくといいな、というのがサービスのゴールです」
宇賀「昨年からは『こどもごちめし』がスタートしたんですね」
小山「これはこども食堂のようなものってことですか?」
今井「こども食堂のDX化事業と便宜上呼んでいるんですけど、いま。僕らには飲食店ネットワークがある。これで何をしようと思ったかというと、こども食堂って皆さんご存じだと思うんですけど、心あるボランティアの方が基本的に善意でやっている。でも、あれを続けていくのは、結構な難しさがある。僕らは企業から支援金を募って、自治体さんからはふるさと納税とか補助金を募って、1つの基金にして、スマホに登録してもらった親御さんとか子どもが飲食店にスマホを持ってピッとやると、1,000円以内のお食事が無償で食べられますよというのを『こどもごちめし』でやっています。いいところは、PayPayとかで払っているのと見分けがつかないので、子どもさん、親御さんのプライバシーも配慮できているし、飲食店を選んでいけばいいので、月1とかのこども食堂を待たずに行けると」
小山「ありそうでなかったですよね」
今井「ありそうでなかったことを探すのが大好きなので。新規性が高いことをやるのは、楽しいけど本当にしち面倒くさくて。国を口説きに行ったり、議員会館に呼ばれてはいろんな陳情をしたりとかいろいろ大変なんですけど、その先には楽しさしかなくて。チャレンジする面白さは圧倒的にありますね」
小山「次、やりたいことはあるんですか?」
今井「ありますね。『ごちめし』はつまりはプラットフォームビジネスなんですね。かたや僕は音楽家として30年くらいお仕事をしてきて、いま、既存のいろんな音楽配信サイトって著作者への分配があまりに低いんですよ。こういったプラットフォームビジネスを学んだ私が、最後この若手の音楽家たちがもう1回音楽をやりたいんだと奮起できるような、新しいシステムとか……スマホのアプリはバージョンの改良が出たり、書籍も初版で間違ったあとに直せたりするじゃないですか。音楽って直さないんですよ。これは世界中の作家が同じことを思ってくれると思うんですけど、『あそこ、もうちょっとああしたかったな』って絶対にあるんですよ。そういう自分の曲をアップデートしながら過去のアーカイブも残せるみたいなことができるようなサービスを作りたいな、と。音楽家である自分の気持ちをプラットフォームに乗せたようなことが最後にできるといいなと思っていますね」
小山「時代によって、あの時こういう音が流行っていたけど、いまは流行ってないな……みたいなことありますよね」
今井「実際に音もそうですし、いまの作曲家も著作者も含めた分配の仕組みって、結局はレコードの時代にできているので、インターネットで音楽がほぼタダみたいなもので聞かれるという前提で法整備がされていないので。著作者にとって見たらだいぶ歪になっちゃったなと感じるので……。おせっかいなんでしょうけど、課題解決が好きなんだと思います」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
今井「私がまだ20代の頃に籍を入れた女性がですね、20代の時にガンで亡くなりまして。いちばん最初の結婚生活は死別なんです。それが25年前でしたので、亡くなったようこさんという前妻に宛てて書かせていただきました」
今井さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(10月6日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、今井了介さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 今井了介さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
今回のメッセージは、沖縄県〈宮古郵便局〉波名城優さんでした!「一度、沖縄本島に転勤したことがあり、その後3年程してまた宮古島に戻ってきました。転勤するまでは宮古島しか知らなかったので、特別なことだとは思っていなかったのですが、宮古島では、この島だけの言葉や行事が何百年も続いていて、それをみんなで大事にしています。宮古島を一度離れたことで、それに気付くことができました。『すでぃがふー』という言葉は、『とっても嬉しい』という意味の喜びの最上級の言葉です。そのワンランク下の「ありがとう」という意味の言葉は、『たんでぃがーたんでぃ』といいます。僕の配達地域は結構年配の方が多いので、配達をすると『宝物が届いた。ありがとう。』という思いで、『たんでぃがーたんでぃ』と言ってくれます。たまに、喜びの踊りも踊ってくれたりしますよ。」
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