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ツチノコ騒動を9年間追いかけた映画監督の今井友樹さんが登場

  • ON AIR
  • 2024/07/14

映画監督の今井友樹さんをお迎えして

写真 今回は、映画監督の今井友樹さんをお迎えしました。今井さんは9年をかけて「ツチノコ騒動」を取材し、ドキュメンタリー映画「おらが村のツチノコ騒動記」を作り上げました。
写真 小山「9年も……なぜいま、ツチノコなんですか?」

今井「ツチノコは、皆さんもちろんご存知ですよね?」

宇賀「私、いまいちわかっていないです。騒動があった時、まだ小さすぎてあまり記憶がないんです」

小山「僕の子どもの頃は、よくワイドショーでやっていた記憶があるんですけど。でも、あれは絶対にヘビがネズミみたいなものを飲み込んで、形が変わったというふうに結論づけたんです、僕の中では」

宇賀「ツチノコってそもそも何なんですか?」
写真 今井「そもそも何なのか、僕は答えられないんですけど(笑)。僕の田舎は岐阜県の東白川村というところなんですけど、そこでは35年くらい前に、ちょうど僕のおじいさん、おばあさんくらいの世代の人たちがツチノコを目撃したという出来事があって。村が調べたら23人の人が目撃したというのが出てきまして。そこからツチノコ捜索に発展していくのですが、その時に見た人たちはみんな『ツチノコは頭が小さくて胴体が丸く、太くて尻尾が細い。それが転がって落ちてくる』と」

宇賀「全長は何センチくらいなんですか?」

今井「40センチから60センチくらいだとは思います」
写真 小山「ツチノコ騒ぎは、岐阜県東白川村から始まったんですか?」

今井「そうですね、この映画もそのような出発点なんですけど。ツチノコ騒動そのものでいうと、1960年代にエッセイストの山本素石さんという人が書いた本で。その本人が60年代に見つけて探していたんですよね」

小山「ツチノコって名付けたのは誰なんですか?」
写真 今井「ツチノコに相当する呼び名というのはたくさんあって。それこそ柳田國男さんの本ですとか、山本素石さんが調べた本とかによるともう何種類もあって。素石さんが京都の山中でツチノコを目撃した時に、地元の人に尋ねたら『ああ、それはツチノコだ』と。そこからツチノコという名前が統一されていったんです。僕の田舎ではつちへんびと呼ばれていましたので」

小山「今井監督は東白川村のご出身なんですか?」

今井「そうですね」

小山「つちへんびは、もう当たり前にいるもの?」

今井「それはもう、おじいさんおばあさんたちは『ああつちへんびね』というようなことで。しかも見たら、人に言っちゃいけないと。見たら祟りが起きる、神様のような存在だからということで。おじいさんおばあさんたちも、つちへんびがツチノコだということは知らなかったので、『世間でいうツチノコはつちへんびらしい』ということで、23人の目撃者が一気に増えたという感じですね」

小山「なぜ、このツチノコを映画にしようと考えられたんですか?」
写真 今井「遡ること35年前にですね、ツチノコ捜索で村が大賑わいになったんですよね。その時に僕は10歳だったので、おじいさんたちが見たツチノコ、特におばあさんのお兄さんがツチノコを見ていた人なので。おばあさんいわく『お兄さんはそんな嘘をつく人じゃない。私はいると思う』ということを聞いていたんです。田舎だったので、中学を卒業すると高校に進学するために故郷を離れるんですけど、そこの友達に自分の故郷の説明をすると、名前をあげてもわかってもらえなくて。でも『ツチノコ』って言うとわかってもらえる。でも、『ツチノコっていないのに、どうして村でずっと捜索イベントをやっているの?』ということも返事として返ってくるので、自分にとっての田舎のコンプレックスというものに、ツチノコが追い打ちをかけてくる(笑)。だからツチノコは嫌いだったんです。大人になって、ツチノコは嫌いだし、いないと思っているし、故郷で捜索イベントをやっていることも嫌いだったんです。でも、ふと立ち返った時に、『おじいちゃんおばあちゃんたちはいるって言っていたのに、僕はいないと思っている。子どもの頃はいると思っていたし、何だったんだろう?』と振り返ってみようと思ったのが9年前ですね」

小山「面白い、きっかけが。でも取材を始めた時は、今井監督はツチノコはいないと思っていたんですか?」

今井「絶対いない、いるわけないと思っていましたね」

小山「映画は、いるわけがないツチノコをどうやって扱おうと思ったんですか?」

今井「僕が取材をした時は、新聞の折り込みに、ツチノコであったり、世の中の不思議なことの体験談を教えてくださいという呼びかけを近隣の人にやったんですね。結構な方からレスポンスをいただいて、その人たちに取材をしていくという感じです」
写真 宇賀「実際に見た、という方にお会いしたんですか」

今井「できました。35年前にツチノコ捜索イベントが起きた時に、当時のことを知っている人たちにも会いに行ったんです。話を聞いているとみんないい人で。そういう人がツチノコのことを語るという、そこはすごくリアリティを伴ってくるので『これは絶対にいるな』と」

宇賀「嘘をつくメリットがないですもんね」

小山「いまの監督の話を聞いているだけで、いるだろうなという気がしてきました」
写真 宇賀「いつか、捕まえたいですか?」

今井「これだけ9年も取材をしていると、ツチノコで映画も作らせてもらいましたし、捕まえるよりは、いたら『ありがとう』と言いたいです。東白川村を盛り上げてくれましたしね」

小山「ツチノコ騒動記のパンフレットには『探さないでください。私はどこかにいますから……』って書いてありますね」
写真 今井「9年ずっと作り続けていたら、いろんな方から『私も見た』と問い合わせをいただいたりとか。その中には『私は見たけども、ツチノコ捜索イベントみたいにみんなでいっぱい探したらツチノコは住めなくなっちゃうから探さないでください』という投稿があったりとか。その言葉をヒントにしました」

小山「矢追純一さんという方がずっとUFOを追いかけ続けていましたけど、今井さんは矢追さんのようにツチノコを信じて追いかけたというよりは、『何だったんだろう、あの騒動は』という視点で取材をされたんですか?」

今井「どちらかというとそうですね。もう1個は、ツチノコを探しながら自分の故郷を見つめ直すという行為だったので」

小山「どうでしたか、実際に見つめ直してみて」
写真 今井「僕が子どもの頃は3,000人近かった村の人口が、いまは2,000人くらいになっているんですね。どんどん子どもの数が減っていって、180人くらいしかいないのかな、14歳までの子どもたちが。逆に65歳以上が5割、6割といる中で、どうやって故郷を維持してけるんだろうかということは、リアルに我がごとの問題として出身者の問題としてではなく考えるようにもなりましたし。あとは、東白川村でいまだにツチノコで捜索イベントをやっている、それも周りから揶揄されていると思うんですけど、めげずに捜索をしてその日は村の人口の倍以上の人が来ますので」

小山「いまでもそれだけ集まるんですか?」

今井「集まるんです。それってツチノコ探しには夢やロマンとよく言われるんですけど、ツチノコ捜索イベントも同じことで、地域おこしの中心に夢とかロマンというものを堂々と据え置いてやっているイベント。東白川村、捨てたもんじゃないなって見直しました」
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」

今井「広江民和さんという東京都の伊豆諸島、青ヶ島に住んでいらっしゃる方ですね。僕が専門学校の映画学校に通っている時期があって、それが自分の映像と向き合う最初の原点なんですが、そこの卒業制作で青ヶ島を訪ねて半年間ドキュメンタリー映画を作ったんです。その時にお世話になった方です」
写真 今井さんから、広江民和さんへ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(7月21日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、今井さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 今井友樹さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
写真 ドキュメンタリー映画「おらが村のツチノコ騒動記」の上映スケジュールなどは、公式サイトからご確認ください。

ドキュメンタリー映画「おらが村のツチノコ騒動記」

皆さんからのお手紙、お待ちしています

写真 毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、静岡県〈熱川郵便局〉白塚理香さんでした!

「東伊豆町は高齢化が進んでいて、単身で生活されている高齢の方が多くなってきているので、役場にある地域包括センターと連携して、認知症サポーター講座を毎年開催しています。ある日、郵便局によくいらっしゃるお客さまとお話をしている際、『お客さまの様子がいつもと違うな。』と思うことがありました。すぐに地域包括センターに連絡し、ご家族の方に連絡を取っていただいたら、脳に大きな病気が見つかりました。そのお客さまの手術は無事に済み、『早く見つけてもらって良かったよ。』とおっしゃっていただいて、とても嬉しかったです。仕事をする上で、『なにか特別なことをするのではなくて、ちょっとした手助けでお客さまの生活を豊かにできればいいな。』といつも思っています。」
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