三味線奏者の浅野祥さんが登場!
- 2024/06/30
三味線奏者の浅野祥さんをお迎えして
今回はスタジオに、三味線奏者の浅野祥さんをお迎えしました。
宇賀「浅野さんは、現在34歳。宮城県仙台市のご出身です。
14歳の時に、津軽三味線全国大会 最高峰A部門で優勝! 16歳のときには3連覇を達成し、史上最年少で殿堂入りを果たします。近年は、日本各地の民謡を現代の感覚で作編曲し、次世代へと繋げる活動「MIKAGE PROJECT」のヴォーカル・津軽三味線担当としても活躍されています」
小山「14歳の時にすでに優勝したということは、何歳から三味線を手に取られたんですか?」
浅野「5歳から弾いています」
宇賀「どうして三味線が身近にあったんですか?」
浅野「一緒に住んでいた祖父が趣味で三味線や民謡をやっていて。自然と、そういう環境で育ったんですね」
小山「うちも祖母が三味線のお稽古をしていましたけど、僕はまったく興味が湧きませんでした(笑)。ギターとかに興味は湧かなかったんですか?」
浅野「一時期、三味線よりもギターを弾いている方がモテるんじゃないかなとか、そういう時期はありましたね(笑)」
小山「浅野さんは普段、どういう音楽を聞かれているんですか?」
浅野「結構、世界各国の民族音楽も好きで。キューバとかコロンビアとか、サルサも好きですけど、個人的に常に聞いているのはブライアン・セッツァーとか。そういうノリノリの音楽が大好きですね」
宇賀「三味線とはまた全然違うのかなと思うんですけど、何かインスピレーションがあるんですか?」
浅野「やっぱり海外公演に出かける時も、ただ目をつぶって1時間半弾くのではどうしても飽きてしまうというか、伝わりにくい部分もあるのかなと思うので、いろんなアーティストの音楽とかライブパフォーマンスを見てエンターテインメントというものを体に入れるのが好きで」
宇賀「14歳で優勝をして16歳で殿堂入りってすごく早くないですか?」
小山「殿堂入りって何ですか?」
浅野「プロアマ問わずの部門で3連覇すると、大会を卒業して殿堂入りという規定があって」
宇賀「16歳でそうなってしまうと、その次のステップってどうなるんですか?」
浅野「プロとして活動していくか、お教室を開いて流派を立ち上げるとか、いろんな選択肢があるんですけど」
宇賀「浅野さんはその時、どういう気持ちで何を決断したんですか?」
浅野「三味線を始めてから、年に1回の全国大会に向けてしか稽古をしてこなかったので、それがなくなって『どうしようかな?』という思いはやっぱりあったんです。でもずっと弾いていくしかないなと、漠然とプロになる道、演奏家の道というのが当時の自分には見えたというか。そういう思いでしたね」
小山「津軽三味線と普通の三味線って違うんですか?」
浅野「三味線ってひとことで言っても様々な三味線音楽のジャンルがあって。たとえば、浄瑠璃の義太夫とか、歌舞伎の長歌とか、浪曲のバックで弾いたり、落語家さんの出囃子とか、民謡とか……本当にたくさんあるんですね。その中のひとつが津軽三味線といって、基本的には青森県の津軽民謡を演奏するための三味線という感じですね」
小山「楽器自体が違うんですか?」
浅野「違います。津軽三味線で使う三味線というのは、いちばん大きな、棹も太くて弦も太くて、ボディも大きくて。そういう楽器ですね」
宇賀「民謡を現代の感覚で編曲されているということなのですが、日本各地の民謡ってたとえばどんなものなんですか?」
浅野「数えきれないくらいあるのですが、たとえば北海道のソーラン節なんていうのも民謡ですし、天草地方の牛深ハイヤ。あれは日本のありとあらゆる民謡の元祖になっている歌なんです」
宇賀「民謡っていくつくらいあるんですか?」
浅野「わかっているだけでも数万曲あるんですけど、埋もれている民謡もたくさんあると思います。数えきれないと思いますね」
宇賀「これはぜひ聞いてほしい、という民謡はありますか?」
浅野「民謡って古くさいイメージが強いと思うんですけど、ラブソングも非常に多いんですよ。年に一度の盆踊りって昔は出会いの場だったりとか、好きな女性に言い寄る大切な場だったと思うので、そういう時に歌われていた民謡はけっこう色恋を歌ったものが多いです。たとえば……」
浅野さんに岩手県の民謡「外山節」の一節を演奏していただきました。
浅野「これはどういう意味かというと、『私は日陰のわらびのような存在ですけど、早く世の男たちは私を見つけないと損をしますよ、枯れちゃいますよ』みたいな歌ですね。これを宴会で歌っていたのだと思います」
宇賀「面白いですね」
浅野「私は実はダイヤモンドの原石ですよ、という歌ですね」
宇賀「いまの歌でもありますもんね、そういう歌詞で」
浅野さんにはスタジオライブも披露いただきました。曲は「津軽じょんがら節」です。こちらはぜひ、radikoでお聞きください!(7月7日まで聴取可能)。
宇賀「超かっこいいですね!」
小山「かっこいい! 最初はチューニングをされているんですよね? チューニングをしながらそのまま曲が始まるんですか?」
浅野「はい、それが津軽三味線の特徴ですね」
小山「あれがかっこいいですよね」
宇賀「あとは、目が離せなくなりますね」
小山「あの大きなバチで、よくあの繊細な音を刻めますね」
浅野「意外とバチも重くて、ずっしりしていますね」
宇賀「最近、アルバムを発売されたんですよね?」
浅野「そうなんです。MIKAGE PROJECTという日本各地の民謡と、世界各国の音楽を掛け合わせて発信しているプロジェクトがあるんですけど、そのニューアルバムが6月19日に配信リリースされました。日本の民謡が主なんですけど、そこにキューバのサルサとか、コロンビアのクンビアっていうリズムを取り入れたりとか。民謡を知らなくても、自然に日本の民謡のかっこよさを知っていただけるようなそういう気持ちで作ったアルバムですね」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
浅野「今日は民謡や三味線のお話をたくさんさせていただいたので、僕が三味線と出会ったきっかけになったじいちゃんに書いてみました」
浅野さんから、おじいさまへ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「浅野さんのこれからの夢は何ですか?」
浅野「世界を巡ってみたいですね。芸歴が輝かしくなりたいとか、そういうことではなくて、音楽のディープなところを知れるような旅をしてみたくて。去年、ペルーに行ったんですけど、ペルーのアンデス山脈のふもとに住んでいる本当に地元の人が歌っている『コンドルは飛んでいく』、それが僕らが知っているコンドルではなくて、なんか独特なリズムだったんですね。何か聞いたことのあるリズムだなと思ったら、先ほどお聞きいただいたじょんがら節の150年前の、出来立ての頃の昔のリズムとまったく一緒だったんですよ。線では繋がっていないんですけど、点と点では繋がっているという現象をけっこう体験していて。なので、音楽のディープなところを知る旅をしたいな、という夢はありますね」
小山「そのペルーの人が歌っている『コンドルは飛んでいく』と、浅野さんが横で弾いているのを聞いてみたいですね」
浅野「そういうのを世界各国でいろいろやりながら、経験しながら自分にフィードバックをして、浅野祥という津軽三味線を確立していけたらいいなと思っています」
宇賀「今日の放送を聞いて、浅野さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 浅野祥さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
浅野祥さん、ありがとうございました!
MIKAGE PROJECTのニューEP「蹈-TOU-」もぜひチェックしてください。
MIKAGE PROJECT Official Site
浅野祥 Official Website
14歳の時に、津軽三味線全国大会 最高峰A部門で優勝! 16歳のときには3連覇を達成し、史上最年少で殿堂入りを果たします。近年は、日本各地の民謡を現代の感覚で作編曲し、次世代へと繋げる活動「MIKAGE PROJECT」のヴォーカル・津軽三味線担当としても活躍されています」
小山「14歳の時にすでに優勝したということは、何歳から三味線を手に取られたんですか?」
浅野「5歳から弾いています」
宇賀「どうして三味線が身近にあったんですか?」
浅野「一緒に住んでいた祖父が趣味で三味線や民謡をやっていて。自然と、そういう環境で育ったんですね」
小山「うちも祖母が三味線のお稽古をしていましたけど、僕はまったく興味が湧きませんでした(笑)。ギターとかに興味は湧かなかったんですか?」
浅野「一時期、三味線よりもギターを弾いている方がモテるんじゃないかなとか、そういう時期はありましたね(笑)」
小山「浅野さんは普段、どういう音楽を聞かれているんですか?」
浅野「結構、世界各国の民族音楽も好きで。キューバとかコロンビアとか、サルサも好きですけど、個人的に常に聞いているのはブライアン・セッツァーとか。そういうノリノリの音楽が大好きですね」
宇賀「三味線とはまた全然違うのかなと思うんですけど、何かインスピレーションがあるんですか?」
浅野「やっぱり海外公演に出かける時も、ただ目をつぶって1時間半弾くのではどうしても飽きてしまうというか、伝わりにくい部分もあるのかなと思うので、いろんなアーティストの音楽とかライブパフォーマンスを見てエンターテインメントというものを体に入れるのが好きで」
宇賀「14歳で優勝をして16歳で殿堂入りってすごく早くないですか?」
小山「殿堂入りって何ですか?」
浅野「プロアマ問わずの部門で3連覇すると、大会を卒業して殿堂入りという規定があって」
宇賀「16歳でそうなってしまうと、その次のステップってどうなるんですか?」
浅野「プロとして活動していくか、お教室を開いて流派を立ち上げるとか、いろんな選択肢があるんですけど」
宇賀「浅野さんはその時、どういう気持ちで何を決断したんですか?」
浅野「三味線を始めてから、年に1回の全国大会に向けてしか稽古をしてこなかったので、それがなくなって『どうしようかな?』という思いはやっぱりあったんです。でもずっと弾いていくしかないなと、漠然とプロになる道、演奏家の道というのが当時の自分には見えたというか。そういう思いでしたね」
小山「津軽三味線と普通の三味線って違うんですか?」
浅野「三味線ってひとことで言っても様々な三味線音楽のジャンルがあって。たとえば、浄瑠璃の義太夫とか、歌舞伎の長歌とか、浪曲のバックで弾いたり、落語家さんの出囃子とか、民謡とか……本当にたくさんあるんですね。その中のひとつが津軽三味線といって、基本的には青森県の津軽民謡を演奏するための三味線という感じですね」
小山「楽器自体が違うんですか?」
浅野「違います。津軽三味線で使う三味線というのは、いちばん大きな、棹も太くて弦も太くて、ボディも大きくて。そういう楽器ですね」
宇賀「民謡を現代の感覚で編曲されているということなのですが、日本各地の民謡ってたとえばどんなものなんですか?」
浅野「数えきれないくらいあるのですが、たとえば北海道のソーラン節なんていうのも民謡ですし、天草地方の牛深ハイヤ。あれは日本のありとあらゆる民謡の元祖になっている歌なんです」
宇賀「民謡っていくつくらいあるんですか?」
浅野「わかっているだけでも数万曲あるんですけど、埋もれている民謡もたくさんあると思います。数えきれないと思いますね」
宇賀「これはぜひ聞いてほしい、という民謡はありますか?」
浅野「民謡って古くさいイメージが強いと思うんですけど、ラブソングも非常に多いんですよ。年に一度の盆踊りって昔は出会いの場だったりとか、好きな女性に言い寄る大切な場だったと思うので、そういう時に歌われていた民謡はけっこう色恋を歌ったものが多いです。たとえば……」
浅野さんに岩手県の民謡「外山節」の一節を演奏していただきました。
浅野「これはどういう意味かというと、『私は日陰のわらびのような存在ですけど、早く世の男たちは私を見つけないと損をしますよ、枯れちゃいますよ』みたいな歌ですね。これを宴会で歌っていたのだと思います」
宇賀「面白いですね」
浅野「私は実はダイヤモンドの原石ですよ、という歌ですね」
宇賀「いまの歌でもありますもんね、そういう歌詞で」
浅野さんにはスタジオライブも披露いただきました。曲は「津軽じょんがら節」です。こちらはぜひ、radikoでお聞きください!(7月7日まで聴取可能)。
宇賀「超かっこいいですね!」
小山「かっこいい! 最初はチューニングをされているんですよね? チューニングをしながらそのまま曲が始まるんですか?」
浅野「はい、それが津軽三味線の特徴ですね」
小山「あれがかっこいいですよね」
宇賀「あとは、目が離せなくなりますね」
小山「あの大きなバチで、よくあの繊細な音を刻めますね」
浅野「意外とバチも重くて、ずっしりしていますね」
宇賀「最近、アルバムを発売されたんですよね?」
浅野「そうなんです。MIKAGE PROJECTという日本各地の民謡と、世界各国の音楽を掛け合わせて発信しているプロジェクトがあるんですけど、そのニューアルバムが6月19日に配信リリースされました。日本の民謡が主なんですけど、そこにキューバのサルサとか、コロンビアのクンビアっていうリズムを取り入れたりとか。民謡を知らなくても、自然に日本の民謡のかっこよさを知っていただけるようなそういう気持ちで作ったアルバムですね」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
浅野「今日は民謡や三味線のお話をたくさんさせていただいたので、僕が三味線と出会ったきっかけになったじいちゃんに書いてみました」
浅野さんから、おじいさまへ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「浅野さんのこれからの夢は何ですか?」
浅野「世界を巡ってみたいですね。芸歴が輝かしくなりたいとか、そういうことではなくて、音楽のディープなところを知れるような旅をしてみたくて。去年、ペルーに行ったんですけど、ペルーのアンデス山脈のふもとに住んでいる本当に地元の人が歌っている『コンドルは飛んでいく』、それが僕らが知っているコンドルではなくて、なんか独特なリズムだったんですね。何か聞いたことのあるリズムだなと思ったら、先ほどお聞きいただいたじょんがら節の150年前の、出来立ての頃の昔のリズムとまったく一緒だったんですよ。線では繋がっていないんですけど、点と点では繋がっているという現象をけっこう体験していて。なので、音楽のディープなところを知る旅をしたいな、という夢はありますね」
小山「そのペルーの人が歌っている『コンドルは飛んでいく』と、浅野さんが横で弾いているのを聞いてみたいですね」
浅野「そういうのを世界各国でいろいろやりながら、経験しながら自分にフィードバックをして、浅野祥という津軽三味線を確立していけたらいいなと思っています」
宇賀「今日の放送を聞いて、浅野さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 浅野祥さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
浅野祥さん、ありがとうございました!
MIKAGE PROJECTのニューEP「蹈-TOU-」もぜひチェックしてください。
MIKAGE PROJECT Official Site
浅野祥 Official Website
ポストカーが『鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権』に登場!
日本最大のオートバイイベント「鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権」が、7月19日(金)から7月21日(日)にかけて、三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットで開催されます。この大会には、日本郵便が協賛するチーム「Team HRC with 日本郵便」も参戦。20日には、郵便局員による郵便車両でのサーキットパレード走行も予定されています。
そして20日、21日にポストカーも駆けつけます! ポストカーでは、サーキットで撮影したお写真を絵はがきにすることができます。是非、お手紙をお楽しみください。
ポストカーは無料でご参加いただけますが、鈴鹿サーキットへの入場には観戦チケットが必要です。
詳しくは鈴鹿サーキットの公式HP、鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権のページをご覧ください。
鈴鹿サーキット
鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
今回のメッセージは、埼玉県〈坂戸郵便局〉入江龍さんでした!「今年の2月に、社内で二輪車安全運転コンテストがありました。私はその全国大会に関東支社の代表として出場し、関東支社が団体部門で2位、私が個人部門で1位を取ったことが、ここ最近の一番の思い出です。この大会は、社員の安全運転への意識を高めるために開催されています。町には、高齢の方や、お子さん、身体が不自由な方もいらっしゃいます。安全運転を意識することは、そんな人々が生活する町の安全を守るのと一緒なのかなと思います。これからも安全運転でお客さまの大事な郵便物を正確に届けていきたいです。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛