72歳でデビュー! 芸人のおばあちゃんが登場!
- 2024/05/19
芸人 おばあちゃんをお迎えして
今回はスタジオに、芸人の〈おばあちゃん〉さんをお迎えしました。小山「本当に、“おばあちゃん”なんですね」
おばあちゃん「そうなんです、77歳です」
宇賀「芸名が“おばあちゃん”なんですね」
小山「吉本興業に入って、デビュー6年目! おばあちゃんという芸名はご自身でつけられたんですか?」
おばあちゃん「いえいえ。NSC(吉本興業の芸人養成所)に入った時に私は舞台の専門用語を勉強したいと思っていて、まさか芸人になれるとは夢にも思わず。他のところにアプローチをしたのですが、『25歳でお断り』って全然相手にされなくて。吉本のNSCという学校だけが『いいですよ』って言ってくださったので」
小山「学びをやりたくて、とりあえず学校に入ってみようと思われたんですね」
おばあちゃん「ずっと普通の勤め人をしていましたので、老後をどうしようかなと思った時に、やはり自分の好きなことをやりたいなと思って。定年を過ぎて高齢者劇団というところに首を突っ込んだんですが、舞台に出て『板付き(※幕が開いた時、舞台に人物がいること)ですよ!』とか言われても『あたしはかまぼこ? どうやるの?』と。これはまずい、ということでそういう勉強をさせていただきたいと思ったんです」
宇賀「今、どんなネタをされているのか気になりますよね? ちょっと見せていただいてもよろしいですか?」
おばあちゃん「それでは……私、シルバー川柳を主にしておりますので、一句させていただきます」
おばあちゃんのネタは、ぜひradikoでお聞きください!(5月26日まで聴取可能)
小山「こういう句をいろいろ考えて、舞台で披露されるんですね」
おばあちゃん「自分の体験談に基づいて川柳を作って舞台に立っております」
宇賀「今、リスキリングというかある程度年齢を重ねてから学び直すみたいなことが注目されていたりしますけど、おばあちゃんにとって学ぶというのはどういうことですか?」
おばあちゃん「楽しいですね。無理をせずに人と比べず、自分のペースでできる喜び。それがありますね。もったいないんです、何かしていないと貧乏性なもので」
小山「笑いというものを学びたいという意識はなかなか芽生えないような気がするんですけど」
おばあちゃん「そうですか? 私たちの時代というのは戦後間もない時で、食事も3食まともに取れない時代で、特に女性は学問はいらないという風潮もまだ残っておりましたから。ラジオで聞こえてくる漫才、意味はわからないんですけど、みんな笑っているじゃないですか。物も楽器も何も持たないで笑っているっていいなあと、子ども心に思っていたんですね。それがこの年になって、思わないかたちで実現させていただいたということですね」
宇賀「学校を卒業して、芸人さんになったという実感はいつ頃湧いてきたんですか?」
おばあちゃん「去年ですね。まだ自分でもよく理解していないんですね」
小山「舞台に上がる前は緊張されますよね?」
おばあちゃん「最初の頃は自分が芸人になったという気持ちもないし、のびのびとしていたんですよ。上がることもないし、引っかかっても『愛嬌、愛嬌』なんて思っていましたから。4年くらい経ってからですかね、同期に男の子がいるんですよ」
小山「いくつくらいの同期ですか?」
おばあちゃん「大学生で入ってきましたから、22歳くらいですかね。その子が私の姿を見ると、『おばあちゃん』なんて声をかけてきて横にひょこっと座る子なんです。話をしていて、『あなた、これからどうするの? 芸人になるの? 就職はちゃんとするとか考えたら?』と言っていたら、『おばあちゃん何言ってるの? 俺たち、芸人だぜ』『えっ、本当に?』『そうだよ、売れない芸人だよ』って、そこではじめて『私、芸人なの?』と気づいて。本当にそういうところが疎いんです(笑)」
小山&宇賀「(笑)」
宇賀「おばあちゃんと同じ世代とか、これから老後をどう過ごそうかなと思っている方に伝えたいことはありますか?」
おばあちゃん「年だから、ということで考えないでほしいです。確かに若い子みたくダンスやれとかは無理な話ですけど、今できる自分の楽しみを見つけて好きなことをすれば、外にも出られるし。そうすれば少々足が痛くても、『今日は行かなくちゃ』とか。何か自分の好きなことを見つけて、自分のペースでやればいいと思うんです。だから人と比べちゃったりすると無理ですよね」
小山「とはいえやっぱり体がまず健康でないといけないじゃないですか。健康のために日々気をつけていらっしゃることはあるんですか?」
おばあちゃん「会社を辞めてからは、毎日テレビ体操。こういうふうに忙しくなる前は、必ずゴルフボールで足をぐるぐる回したり、青竹踏みをしたり、そんなことをしていました。今は時間に追われておりまして、テレビ体操だけ録画して朝寝坊した時はそれを見てやっています」
宇賀「やるべきこと、やりたいことがいっぱいあるというのが、また健康ですよね」
おばあちゃん「そうですね。とにかくやりたいことだらけですね」
宇賀「薫堂さんは来月、還暦を迎えられるので……」
おばあちゃん「おめでとうございます。1つの区切りですよね」
小山「何をすればいいですかね?」
おばあちゃん「とにかく自分の楽しいことをする、見つけるということですよね。早めに見つけた方がいいかもしれないですね」
小山「僕、学びって本当に大切だなと思うんですよね。学ばないという姿勢から、だんだん人は態度が大きくなったりとか、謙虚でなくなっていって人が離れていくとか。学ぶということは本当に人を謙虚にするためにも大切な行為なのかなと思います」
宇賀「この番組はお手紙がテーマにお送りしているのですが、これまで書いたりもらったりしたお手紙で、心に残っているものはありますか?」
おばあちゃん「手紙というとまず年賀状ですね。この年になりますと、年賀状が安否を教えてくれるといいますかね(笑)」
宇賀「今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
おばあちゃん「私の兄が失明をしまして、ちょっと認知症になっている状態で今は施設に入っているんですけど、その兄に対して思い出を書いた手紙です」
おばあちゃんがお兄様に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「今日の放送を聞いて、おばあちゃんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST おばあちゃん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
今年の3月に、おばあちゃんの半生をまとめた1冊『ひまができ 今日も楽しい 生きがいを ─77歳 後期高齢者 芸歴5年 芸名・おばあちゃん(ヨシモトブックス)』が出版になりました。こちらもぜひ、チェックしてみてください。
ひまができ 今日も楽しい 生きがいを −77歳 後期高齢者 芸歴5年 芸名・おばあちゃん−
おばあちゃん、ありがとうございました!
おばあちゃん「いえいえ。NSC(吉本興業の芸人養成所)に入った時に私は舞台の専門用語を勉強したいと思っていて、まさか芸人になれるとは夢にも思わず。他のところにアプローチをしたのですが、『25歳でお断り』って全然相手にされなくて。吉本のNSCという学校だけが『いいですよ』って言ってくださったので」
小山「学びをやりたくて、とりあえず学校に入ってみようと思われたんですね」
おばあちゃん「ずっと普通の勤め人をしていましたので、老後をどうしようかなと思った時に、やはり自分の好きなことをやりたいなと思って。定年を過ぎて高齢者劇団というところに首を突っ込んだんですが、舞台に出て『板付き(※幕が開いた時、舞台に人物がいること)ですよ!』とか言われても『あたしはかまぼこ? どうやるの?』と。これはまずい、ということでそういう勉強をさせていただきたいと思ったんです」
宇賀「今、どんなネタをされているのか気になりますよね? ちょっと見せていただいてもよろしいですか?」
おばあちゃん「それでは……私、シルバー川柳を主にしておりますので、一句させていただきます」
おばあちゃんのネタは、ぜひradikoでお聞きください!(5月26日まで聴取可能)
小山「こういう句をいろいろ考えて、舞台で披露されるんですね」
おばあちゃん「自分の体験談に基づいて川柳を作って舞台に立っております」
宇賀「今、リスキリングというかある程度年齢を重ねてから学び直すみたいなことが注目されていたりしますけど、おばあちゃんにとって学ぶというのはどういうことですか?」
おばあちゃん「楽しいですね。無理をせずに人と比べず、自分のペースでできる喜び。それがありますね。もったいないんです、何かしていないと貧乏性なもので」
小山「笑いというものを学びたいという意識はなかなか芽生えないような気がするんですけど」
おばあちゃん「そうですか? 私たちの時代というのは戦後間もない時で、食事も3食まともに取れない時代で、特に女性は学問はいらないという風潮もまだ残っておりましたから。ラジオで聞こえてくる漫才、意味はわからないんですけど、みんな笑っているじゃないですか。物も楽器も何も持たないで笑っているっていいなあと、子ども心に思っていたんですね。それがこの年になって、思わないかたちで実現させていただいたということですね」
宇賀「学校を卒業して、芸人さんになったという実感はいつ頃湧いてきたんですか?」
おばあちゃん「去年ですね。まだ自分でもよく理解していないんですね」
小山「舞台に上がる前は緊張されますよね?」
おばあちゃん「最初の頃は自分が芸人になったという気持ちもないし、のびのびとしていたんですよ。上がることもないし、引っかかっても『愛嬌、愛嬌』なんて思っていましたから。4年くらい経ってからですかね、同期に男の子がいるんですよ」
小山「いくつくらいの同期ですか?」
おばあちゃん「大学生で入ってきましたから、22歳くらいですかね。その子が私の姿を見ると、『おばあちゃん』なんて声をかけてきて横にひょこっと座る子なんです。話をしていて、『あなた、これからどうするの? 芸人になるの? 就職はちゃんとするとか考えたら?』と言っていたら、『おばあちゃん何言ってるの? 俺たち、芸人だぜ』『えっ、本当に?』『そうだよ、売れない芸人だよ』って、そこではじめて『私、芸人なの?』と気づいて。本当にそういうところが疎いんです(笑)」
小山&宇賀「(笑)」
宇賀「おばあちゃんと同じ世代とか、これから老後をどう過ごそうかなと思っている方に伝えたいことはありますか?」
おばあちゃん「年だから、ということで考えないでほしいです。確かに若い子みたくダンスやれとかは無理な話ですけど、今できる自分の楽しみを見つけて好きなことをすれば、外にも出られるし。そうすれば少々足が痛くても、『今日は行かなくちゃ』とか。何か自分の好きなことを見つけて、自分のペースでやればいいと思うんです。だから人と比べちゃったりすると無理ですよね」
小山「とはいえやっぱり体がまず健康でないといけないじゃないですか。健康のために日々気をつけていらっしゃることはあるんですか?」
おばあちゃん「会社を辞めてからは、毎日テレビ体操。こういうふうに忙しくなる前は、必ずゴルフボールで足をぐるぐる回したり、青竹踏みをしたり、そんなことをしていました。今は時間に追われておりまして、テレビ体操だけ録画して朝寝坊した時はそれを見てやっています」
宇賀「やるべきこと、やりたいことがいっぱいあるというのが、また健康ですよね」
おばあちゃん「そうですね。とにかくやりたいことだらけですね」
宇賀「薫堂さんは来月、還暦を迎えられるので……」
おばあちゃん「おめでとうございます。1つの区切りですよね」
小山「何をすればいいですかね?」
おばあちゃん「とにかく自分の楽しいことをする、見つけるということですよね。早めに見つけた方がいいかもしれないですね」
小山「僕、学びって本当に大切だなと思うんですよね。学ばないという姿勢から、だんだん人は態度が大きくなったりとか、謙虚でなくなっていって人が離れていくとか。学ぶということは本当に人を謙虚にするためにも大切な行為なのかなと思います」
宇賀「この番組はお手紙がテーマにお送りしているのですが、これまで書いたりもらったりしたお手紙で、心に残っているものはありますか?」
おばあちゃん「手紙というとまず年賀状ですね。この年になりますと、年賀状が安否を教えてくれるといいますかね(笑)」
宇賀「今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
おばあちゃん「私の兄が失明をしまして、ちょっと認知症になっている状態で今は施設に入っているんですけど、その兄に対して思い出を書いた手紙です」
おばあちゃんがお兄様に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「今日の放送を聞いて、おばあちゃんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST おばあちゃん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
今年の3月に、おばあちゃんの半生をまとめた1冊『ひまができ 今日も楽しい 生きがいを ─77歳 後期高齢者 芸歴5年 芸名・おばあちゃん(ヨシモトブックス)』が出版になりました。こちらもぜひ、チェックしてみてください。
ひまができ 今日も楽しい 生きがいを −77歳 後期高齢者 芸歴5年 芸名・おばあちゃん−
おばあちゃん、ありがとうございました!
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
今回のメッセージは、愛媛県〈泉川郵便局〉森大誠さんでした!「泉川郵便局のある愛媛県新居浜市には、四国三大祭りの一つ『新居浜太鼓祭り』というものがあります。見どころは、五トンの太鼓台を二百人程度の力で持ち上げる『かきくらべ』です。切手というと祖父を思い出します。祖父は切手を集めていたことがあり、私が手紙やはがきを出したいと言うと、すぐに切手を用意してくれました。時には切手について話をしてくれることがあり、楽しかったのを覚えています。例えば、つくしの切手があると、つくしを家の裏に取りに行き、卵でとじて食べたことを覚えています。去年までは、シール式の特殊切手が発売される度に、毎回切手を買って祖父のところへ持って行っていました。コレクションしてファイルに入れていたので、すごく喜んでいたのだと思います。今も、シール式の特殊切手が発売されると祖父を思い出します。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛