ドラマの方言指導の世界を体験! 女優の一木美貴子さんが登場
- 2024/05/12
女優で大阪ことば指導者の一木美貴子さんをお迎えして
今回はスタジオに、様々なドラマで大阪弁の方言指導をされている女優の一木美貴子さんをお迎えしました。一木さんは、今年の3月まで放送されていたNHKの連続テレビ小説「ブギウギ」 をはじめ、「カムカムエヴリバディ」「マッサン」など、これまで多くのドラマで大阪弁の指導をされています。
宇賀「『ブギウギ』で主演の趣里さんは東京の方ですよね」
一木「趣里さんは天才的だったので、始まる前に3時間を5回くらいガーッとお稽古して、そのあとは特別に何もしていないです。音源をお渡しするだけで」
宇賀「すごい!」
小山「大阪弁と関西弁って違いますよね?」
一木「関西弁は関西全域ですね」
小山「京都と大阪は違うじゃないですか。大阪と神戸はどうですか?」
一木「また違うんですよ。神戸は『〜してる?』のことを『〜しとう?』とか言わはるんです」
小山「京都だと?」
一木「『〜してはんの?』。大阪は『なにしてんの?』。ストレートですね」
宇賀「近いのにそれぞれ違うんですね」
一木「地域性でしょうね。大阪はやっぱり商人の町ですし。神戸は港があるので外国に文化が入ってきていて、割と異文化にも強いですね。おしゃれやしね。大阪の人は『自分、神戸違うん?』とか言われると、ちょっと嬉しなるらしいです(笑)。
大阪弁言うてもね、大体4つくらいにわかれていて、摂津とか泉南、河内。あとは船場。船場は商人の町で100年くらい続いているんですけど、社員教育として言葉教育があったんです。たとえば、丹波篠山の方とか播州の方から出てくると、『ほうやんけ』とか、語尾に『け』が付くのをお客さんには失礼だ、ということで『そうだすなあ』とかにぎちっと直されるんです。私の説ですけど、船場の教育が大阪弁を割と残しているのではないかなと推察しています」
小山「今まで一木さんがドラマの方言を指導した中で、役柄によってどの地域から来ているかによって微妙に変えていたりするんですか?」
一木「まず台本をいただいたら、時代ですね、まずは。明治や昭和のはじめでだいぶ違うし、どこ出身で、どんな生活環境やったんかとか、全部そんなん聞いて『こんな言葉にしましょうか』言うて、ディレクターとかプロデューサーに相談して決めます」
小山「撮影の時はずっと現場にいらっしゃるんですか?」
一木「そうですね、朝ドラの場合は大阪弁がある限り」
宇賀「ここちょっと違うな、と思ったらすぐにその場で直すんですね」
一木「そうです、そうです」
宇賀「実はですね、今日、台本をご用意いただいて! 我々に方言指導をしてくださるそうなんですよ」
小山「何の台本ですか?」
一木「『ブギウギ』ですね」
宇賀「すごい! 本物ですか?」
一木「はい。プロデューサーからOKをいただいています」
小山「宇賀さんが演じるのは誰の役ですか?」
一木「水川あさみさんがされていたツヤというお母ちゃんですね」
小山「僕は?」
一木「お父ちゃんの梅吉ですね。柳葉敏郎さんがされていた」
薫堂さん、宇賀さんの大阪弁の腕前は……? 大阪弁の方言指導の模様は、ぜひradikoでお聞きください!(5月19日まで聴取可能)
一木さんの方言指導を受けて、薫堂さんは……。
小山「これ、パニックになりますね。そもそものセリフも覚えなきゃいけないのに、イントネーションばっかり考えていると、セリフ飛びますよね」
宇賀「高低が全然違う」
一木「ジェットコースターみたいって皆言わはりますね」
宇賀「こんなに上がったり下がったりするんですね」
小山「普段、大阪弁を話している人でも、指導するとなるとわからなくなるんじゃないですか?」
一木「あんまり間違う人とかがいてると、自分がなにを言うているのかだんだんわからなくなりますね」
宇賀「一木さんがいちばん好きな大阪弁は何ですか?」
一木「『かめへんで』とか? 『いいよ、いいよ』とか。あとは『こうと』っていうのは好きですね」
小山「コート?」
一木「服とかで、地味だけど品があるという意味で、『あんたの服こうとやな』とか」
宇賀「はじめて聞きました」
一木「派手だけをよいとしないんですよね。船場の昔は、上等ないいものを着るというのが最高のおしゃれという感じだったので」
宇賀「この番組はお手紙がテーマにお送りしているのですが、今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
一木「去年の12月に母が亡くなっているんです。92歳で。その母に贈りたいなと思って」
小山「やっぱり方言のお手紙ですか?」
一木「そうですね。大阪人って手紙書いても大阪弁なんです。『言うてはったでしょ』みたいな感じで書くことが多いようです」
一木さんがお母様に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「来年はいよいよ関西万博もありますが、大阪の魅力は?」
一木「ちょっとおせっかいなとこかな? ぼーってキョロキョロしながら道で立っていたら大抵『どこ行くん?』『迷ってるんか?』って知らんおばちゃん寄ってきますから」
宇賀「確かに距離が近いですよね」
一木「電車の中で咳をしたら横からアメが出てきたり」
小山「大阪の人って何でインタビューをするとあんなに面白いことが返せるんですかね?」
一木「まあ、訓練(笑)。全員が全員ではないんですけど、やっぱりお笑い文化が根付いているというのと、おもろい子がモテるんですよ。女の子はあんまりおもろすぎると嫉妬されたりするんですけど、男の子は私らの時代は、おもろないと特に。足が速いか、おもろいか。ユーモアプラス、ちょっとお世話焼きというところが大阪の魅力かなと。残ればいいなと思います」
小山「来年、大阪にいっぱい世界の人が来て伝わったらいいですよね」
一木「日本っていいとこやなあ、と思ってくれはったら嬉しいです」
宇賀「今日の放送を聞いて、一木さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 一木美貴子さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
一木美貴子さん、ありがとうございました!
一木「趣里さんは天才的だったので、始まる前に3時間を5回くらいガーッとお稽古して、そのあとは特別に何もしていないです。音源をお渡しするだけで」
宇賀「すごい!」
小山「大阪弁と関西弁って違いますよね?」
一木「関西弁は関西全域ですね」
小山「京都と大阪は違うじゃないですか。大阪と神戸はどうですか?」
一木「また違うんですよ。神戸は『〜してる?』のことを『〜しとう?』とか言わはるんです」
小山「京都だと?」
一木「『〜してはんの?』。大阪は『なにしてんの?』。ストレートですね」
宇賀「近いのにそれぞれ違うんですね」
一木「地域性でしょうね。大阪はやっぱり商人の町ですし。神戸は港があるので外国に文化が入ってきていて、割と異文化にも強いですね。おしゃれやしね。大阪の人は『自分、神戸違うん?』とか言われると、ちょっと嬉しなるらしいです(笑)。
大阪弁言うてもね、大体4つくらいにわかれていて、摂津とか泉南、河内。あとは船場。船場は商人の町で100年くらい続いているんですけど、社員教育として言葉教育があったんです。たとえば、丹波篠山の方とか播州の方から出てくると、『ほうやんけ』とか、語尾に『け』が付くのをお客さんには失礼だ、ということで『そうだすなあ』とかにぎちっと直されるんです。私の説ですけど、船場の教育が大阪弁を割と残しているのではないかなと推察しています」
小山「今まで一木さんがドラマの方言を指導した中で、役柄によってどの地域から来ているかによって微妙に変えていたりするんですか?」
一木「まず台本をいただいたら、時代ですね、まずは。明治や昭和のはじめでだいぶ違うし、どこ出身で、どんな生活環境やったんかとか、全部そんなん聞いて『こんな言葉にしましょうか』言うて、ディレクターとかプロデューサーに相談して決めます」
小山「撮影の時はずっと現場にいらっしゃるんですか?」
一木「そうですね、朝ドラの場合は大阪弁がある限り」
宇賀「ここちょっと違うな、と思ったらすぐにその場で直すんですね」
一木「そうです、そうです」
宇賀「実はですね、今日、台本をご用意いただいて! 我々に方言指導をしてくださるそうなんですよ」
小山「何の台本ですか?」
一木「『ブギウギ』ですね」
宇賀「すごい! 本物ですか?」
一木「はい。プロデューサーからOKをいただいています」
小山「宇賀さんが演じるのは誰の役ですか?」
一木「水川あさみさんがされていたツヤというお母ちゃんですね」
小山「僕は?」
一木「お父ちゃんの梅吉ですね。柳葉敏郎さんがされていた」
薫堂さん、宇賀さんの大阪弁の腕前は……? 大阪弁の方言指導の模様は、ぜひradikoでお聞きください!(5月19日まで聴取可能)
一木さんの方言指導を受けて、薫堂さんは……。
小山「これ、パニックになりますね。そもそものセリフも覚えなきゃいけないのに、イントネーションばっかり考えていると、セリフ飛びますよね」
宇賀「高低が全然違う」
一木「ジェットコースターみたいって皆言わはりますね」
宇賀「こんなに上がったり下がったりするんですね」
小山「普段、大阪弁を話している人でも、指導するとなるとわからなくなるんじゃないですか?」
一木「あんまり間違う人とかがいてると、自分がなにを言うているのかだんだんわからなくなりますね」
宇賀「一木さんがいちばん好きな大阪弁は何ですか?」
一木「『かめへんで』とか? 『いいよ、いいよ』とか。あとは『こうと』っていうのは好きですね」
小山「コート?」
一木「服とかで、地味だけど品があるという意味で、『あんたの服こうとやな』とか」
宇賀「はじめて聞きました」
一木「派手だけをよいとしないんですよね。船場の昔は、上等ないいものを着るというのが最高のおしゃれという感じだったので」
宇賀「この番組はお手紙がテーマにお送りしているのですが、今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
一木「去年の12月に母が亡くなっているんです。92歳で。その母に贈りたいなと思って」
小山「やっぱり方言のお手紙ですか?」
一木「そうですね。大阪人って手紙書いても大阪弁なんです。『言うてはったでしょ』みたいな感じで書くことが多いようです」
一木さんがお母様に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「来年はいよいよ関西万博もありますが、大阪の魅力は?」
一木「ちょっとおせっかいなとこかな? ぼーってキョロキョロしながら道で立っていたら大抵『どこ行くん?』『迷ってるんか?』って知らんおばちゃん寄ってきますから」
宇賀「確かに距離が近いですよね」
一木「電車の中で咳をしたら横からアメが出てきたり」
小山「大阪の人って何でインタビューをするとあんなに面白いことが返せるんですかね?」
一木「まあ、訓練(笑)。全員が全員ではないんですけど、やっぱりお笑い文化が根付いているというのと、おもろい子がモテるんですよ。女の子はあんまりおもろすぎると嫉妬されたりするんですけど、男の子は私らの時代は、おもろないと特に。足が速いか、おもろいか。ユーモアプラス、ちょっとお世話焼きというところが大阪の魅力かなと。残ればいいなと思います」
小山「来年、大阪にいっぱい世界の人が来て伝わったらいいですよね」
一木「日本っていいとこやなあ、と思ってくれはったら嬉しいです」
宇賀「今日の放送を聞いて、一木さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 一木美貴子さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
一木美貴子さん、ありがとうございました!
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
今回のメッセージは、愛知県〈名古屋北郵便局〉北浦隆己さんでした!「長年、何人かと文通を行っています。自分の直筆の手紙が旅をして、その人のもとへお伺いするというのは、大げさなことを言うと、手紙は自分の分身なのかなと思っています。私は趣味がバンド活動なのですが、SNSが普及する前の時代に、雑誌でメンバー募集をかけたところ、九州の方から手紙が届いたことがありました。『距離が遠いので一緒に音楽活動はできませんが、音楽的な交流を持てたらありがたいです』という一文があったので、それ以来十数年文通を続け、最終的にはその方と共演することまでできました。『またいつか共演できればいいね』と言葉を交わし、現在、実際に再共演の話を進めております。一通の手紙が本当に、それぞれの人生に深く影響するのだなと感じています。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛