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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
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テニスプレーヤーの伊達公子さんが登場!

  • ON AIR
  • 2023/12/10

テニスプレーヤーの伊達公子さんをお迎えして

写真 今回はスタジオに、日本のテニスを世界へ導いた立役者である、テニスプレーヤーの伊達公子さんをお迎えしました。
写真 宇賀「伊達さんは1989年にプロデビュー。シングル世界ランキング最高4位を記録。96年に現役を引退されましたが、その後11年のブランクを経て2008年に37歳で現役復帰。2017年に2度目の引退をするまでおよそ10年間、世界の第一線で活躍されていました」

小山「すごいですね、11年ブランクがあって復帰。これは復帰しようと思った瞬間があったんですか?」
写真 伊達「瞬間はなかったです。ただ、復帰をする前に、90年代のナンバーワンだったシュテフィ・グラフと、その前にずっと活躍していたナブラチロワの3人でエキシビションマッチを東京でやるというのがありまして。そのために練習を始めて準備していた時に、何か自分が気づいていない闘争心というのが出てきて。まさかそれが、またコートに立つための闘争心とは自分自身で思うこともなく、何となく『ん? これはそういうこと?』と自問自答が始まって、その答えが結局、『もう一度エキシビションではなく本当の勝負をしてみたい』と思っていると行き着いて、決めた感じですね」

小山「すごい決断と勇気ですよね」

伊達「すごく悩んで、悩んで。当然、自分自身だけではなくて、これを決めたら周りはどう思うんだろうとか考えに考えて。私を若い時からずっと見てもらっていたホームコーチがいるんですけれど、連絡をして『今から私が言うことに、馬鹿なことを考えるなと思うなら、正直に言ってください……実はもう1回、勝負をしようと思うんですけど、どう思いますか?』と言ったら『面白いやないか』という返事が来たので、背中をポンと押してくれたかたちで。それで決めましたね」

宇賀「1回目の現役時代と2回目の現役時代はどう違いましたか?」
写真 伊達「まったく違いましたね。精神的な部分でも違いますし、試合は当然2回目の時は負ける数が多くて、ランキングもそんなに上がらないし、戦うレベルも低いところで戦わないといけないことも多かったんです。ファーストキャリアの時は本当に苦痛でしかなかったところが、2回目では自分の子どもでもおかしくない年齢の子達と戦うわけで。自分の中には11年のブランクがあり、フィジカル的にも回復力と向き合わないといけないこともあって……でも、とにかく海外をずっと回っていることが楽しくて。勝とうが負けようが、その時間自体が私にとってはギフトというか、楽しくて楽しくて。何やっても楽しかったですね。負けることもまた次なるモチベーション、エネルギーになるので、それすらも楽しかったし。トレーニングも、ファーストキャリアとはまったく違って科学的にもなっていたし、自分の体の仕組みがどうなって、どういうことをやったら体が変わっていくのかということも、考えているだけで楽しかったです」

小山「伊達さんが世界に出て行った頃は、テニスプレーヤーって日本人は他にいないわけですよね。他の選手から、日本人はどんなふうに見えていたんですか」
写真 写真 伊達「私がプロになったのが89年で、90年代のアジア人は、まだまだ当時は中国人もいませんでしたし、その中でテニスというスポーツは、欧米のスポーツという見方が強かったんですね。だからアジア人が活躍できるはずがないだろうと見られている感じは、すごく伝わってきましたね」

小山「どこに行ってもアウェーな感じが」

伊達「そうですね。『どうしてキミコは、そんなに大会数も出ていないのにランキングが上なの?』とか平気で言われましたね。『あなたのその体で、アジア人が勝てるわけないでしょ』って、反対に言われているような感じはしましたね」
写真 宇賀「当時、まだ珍しい中で戦えた理由って何だと思いますか?」

伊達「高校を卒業して18歳でプロになって、世界に右も左もわからない中で夢を持って飛び込んだんですけど、パワーテニス、スピードテニスに圧倒されたんですよね。その時にやっぱり武器を持っていないといけないなということをすごく感じて。その武器を作ったことが、自分にとってはしがみつくような想いでしたし、自分で決めた道だったから中途半端な形で終えたくなかったという、夢の実現のために突き進む情熱を持ち続けられたことかなと思います」

小山「その武器って何ですか?」

伊達「自分の力を出す出力というものがなかったので、相手のボールを利用して打つショット、代名詞にもなった“ライジング”で、力がなくても速い展開のプレーができることが、世界と向き合えた大きな武器にはなったと思います」
写真 2019年から、ジュニア育成プロジェクトに携わっている伊達さん。日本人テニスプレーヤーへの想いもうかがいました。

小山「これから若い日本人の選手が世界に羽ばたいていくためには何がいちばん必要だと思いますか?」
写真 伊達「今の選手たちは本当に技術も持っていますし、『夢は何なの?』と聞くと必ず『グランドスラムで優勝したい』『世界でナンバーワンになりたい』ということをしっかりと言えるんですけど、じゃあそのために今何をやっている? 何年後にどこに行くために何をやらないといけないと思っている? と言うと、そこは空白なんですよね。自分ごととして何か考えられているかというと、ちょっとそこがクエスチョンなところで。意識を変えていくこともすごく重要なんですけども、それと同時に私がやらないといけないことは環境整備なのかなと。世界基準で彼女たちが戦える環境を整えていくことも、同時に必要なことだと感じています」

小山「伊達さんが若かった頃は世界基準じゃなかったんですか?」

伊達「反対に、世界基準だったんですよ」

小山「どういうことですか?」

伊達「私が6歳でテニスを始めたコートは、赤土だったんです。今でもヨーロッパでは赤土なので、世界基準なんですね。そのあとに行ったコートはハードコートなんですが、それも世界基準なんですよ。昔は日本も関西は赤土が多かったですし、ハードコートもまだあったんですけど……神戸ユニバーシアードなどで、1987年か88年くらいだったと思うのですが、その時に今の日本の50%くらいを占める“砂入り人工芝”というのが普及し始めまして、全国でどんどん増えたんですね。この砂入り人工芝は世界基準ではないんです。錦織圭選手くらいの世代になると、テニスを始めた時はもう砂入り人工芝で育っているんですよね」
写真 小山「どうして砂入り人工芝になっていったんですか?」

伊達「メンテナンスが楽だと言われていたんですけど、決してそういうわけでもないんですよね。ハードコートだと雨が降るとできないので、多少な雨だと砂入り人工芝ならできる、というのがセールスポイントでもあったんです」

小山「伊達さんがプロデュースしているコートはあるんですか?」

伊達「プロデュースというわけではないんですけれども、岐阜とか愛媛とか、ハードコート化を全国でできればという想いがあります。先日宮崎でハードコート化が県として許可が下りまして、2026年4月からはハードコートが出来上がります。若い時から世界基準で戦える環境を整えることが、結果みんなにとっても世界により早く近づけると思っています」
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにお届けしているのですが、伊達さんはこれまで書いたり受け取ったりした中で、印象に残っているお手紙はありますか?」

伊達「ファーストキャリアの引退を決めた時に、たくさんの方からお手紙を送っていただいて。松岡修造さんからは『お前何を考えているんだ! 考え直せ!』とか(笑)、日本テニス協会の専務理事とか、いろんな方から『考え直せ!』のお手紙をたくさんいただきましたね。そういう思い出があります」
写真 宇賀「そんな伊達さんが今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっています。どなたに宛てたお手紙ですか?」

伊達「世界を目指しているジュニアのみんなに書いてきました」
写真 伊達さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(12月17日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、伊達さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 伊達公子さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
写真

2024年の年賀状、お待ちしています!

2024年も、皆さんからの年賀状をお待ちしています。番組に年賀状を送ってくださった方には、サンポス特製のポストカードをお届けします!年賀状の受付は12月15日(金)から開始です。
宛先は、【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、新潟県〈三条郵便局〉古屋昌弘さんでした!

「今年で勤続12年目になります。去年のクリスマスに、三条郵便局では配達員がサンタクロースの衣装を着て、車にもクリスマスのデコレーションをして配達するイベントがありました。私がインターホンを押した時に『え、どうしてサンタさんが来てるの?』と、大変驚いてくださったご高齢の方がいらっしゃいました。帰り際に『サンタさん、ありがとう』と声を掛けてくださり、通常であれば『いつもありがとうございます』と返事をするべきところ、嬉しくなった私は、思わず『メリークリスマス』と返し、お互い笑顔になりました。本当に嬉しかったです。」
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