令和ではじめて誕生したお寺『なごみ庵』の住職 浦上哲也さん
- 2023/11/19
『なごみ庵』住職の浦上哲也さんをお迎えして
今回はスタジオに、僧侶の浦上哲也さんをお迎えしました。
宇賀「浦上さんは、横浜市の東白楽にある浄土真宗のお寺『倶生山 (ぐしょうさん )慈陽院(じよういん) なごみ庵』のご住職です。いつ頃できたお寺なんですか?」
浦上「お寺は古いほどありがたいものだと思うんですけど、自分でお寺を作ろうと思って、平成18年に借家を借りて一室を仏間にしたのがスタートですね」
小山「そんなふうにして出来るんですか? 屋号のようなものは付けたんですか?」
浦上「それが『なごみ庵』だったんです。最初、近所の人には蕎麦屋だと思われて」
小山「浦上さんの家がお坊さんの家系ではないんですね?」
浦上「一般家庭の出身で。継ぐお寺がないので、まあ作るか、と。最初は親戚のお寺を手伝わないかという話になって、そのうち自分なりに仏教を伝えたいという想いが強まってきて。いろいろ学んでいる中で、僕も知らなかったんですけどお寺を新しく作る方法もあるんだと聞いて。レアケースなのであんまりやり方の資料やノウハウもないまま、模索しながら始めた感じです」
宇賀「具体的にどういう工程が必要なんですか?」
浦上「認可自体は都道府県庁なんですけど、条件としては、自己所有物件というんですかね、賃貸だとダメなんですよ。お寺とか神社は地図にマークが載りますでしょ、永続性が求められるので賃貸はダメで、物件に礼拝堂、礼拝堂を作って、そしてそこを維持できる規模の信者さん、檀家さん。大事なのは活動実績で、幽霊法人を作ろうとする人もいるみたいなんです。なので、活動実績はかなり見られます。私の場合は平成18年に開所してからいろんな活動の写真を撮って、ブログに上げてSNSにシェアしていたんです。それを県庁の人がこっそり見ていたらしくて。それがかなりプラスになって、やっておくもんだなあと思いました」
宇賀「なごみ庵はどんなお寺なんですか?」
浦上「名前通り、人が集まって和める場所です。浄土真宗では妻、配偶者のことを坊守という言い方をするんですけど、坊守の提案もあって『柔らかい名前にしよう』と。その結果、蕎麦屋に間違われるんですけど(笑)」
宇賀「そのエピソードが和みますよね(笑)」
小山「浦上さんはワークショップを主宰されているそうですけど……『死の体験旅行®』?」
浦上「怪しげな名前ですみません。もともとは欧米のホスピス、終末医療施設で医師とか看護師、医療関係者向けの研修だったようなんです。それをあることで知って、自分自身にもこれが必要だと思って。当時、一般向けの開催はなかったんですけどなんとか受けて、それをブログに書いたら多くの人から反響や問い合わせがあって。こんなに受けたいという人がいるんだったら、自分で学んでやってみようと思って、11年くらい前に始めました。今、4,500人くらいに受けていただいています」
小山「そんなに! 今、我々が体験できることってありますか?」
浦上「2時間かかるのですが、ワークショップに使う用紙を持ってきました。ちょうど名刺サイズで4色で5枚ずつあります。準備段階でこの4色のカードに、自分の大切なもの、物品だったり人だったり、思い出だったり、あとは夢とかを書いてもらいます。そのあと、私がストーリーを話し始めて、徐々に20枚の大事なもの、こと、人を減らしていくんです」
小山「最後に何が残るか、みたいなことですか?」
浦上「そんな感じですね。あとは途中途中で、自分がどういう選択をするかとか」
小山「面白そうですけど、怖いですね。これに人生で大切なもの20個を書けって言われてもなかなか難しいですよね」
浦上「その準備段階で30分くらいかかりますね。ちょっと、さわりだけやってみていいですか?」
放送では浦上さんに「死の体験旅行®」のワークショップの最初の箇所を実践していただきました。詳しくは、ぜひradikoで(11月26日まで聴取可能)。
宇賀「このワークショップを受けたい時は、どうするといいですか?」
浦上「ホームページにリンクを貼って申し込みフォームがあったり、あとはうちの近所の神奈川大学で生涯学習のコマがあって、そこで年に何回か頼まれたり。このワークショップを続けていたら、全国のいろんな宗派のお坊さんが『自分もやりたい』と思ってくれて。今、『仏教死生観研究会』という任意団体を作って、横浜だけじゃなくて他の地域でもやっている仲間がいます」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお届けしているのですが、浦上さんはこれまで受け取ったり書いたりした中で、心に残っているお手紙はありますか?」
浦上「私は『自死・自殺に向き合う僧侶の会』というまたちょっと重い名前の会に入っていて。宗派を超えたお坊さんたちの自死・自殺問題に対応する活動というものなんですよ。亡くなった方の追悼法要もあるし、死んでしまいたいという方の相談もあって、その中に手紙相談があるんです。今の時代なんですけど、郵便の手紙でやり取りをしていきます。それはそれで良さがあって、手書きのこちらの返事をお守りみたいに持っていてくださる方とか、一往復で終わる方もいれば、百往復以上になる方もいて」
小山「いわゆる、いのちの電話の手紙版ですね」
浦上「もちろん内容は言えませんけど、ふっと途切れて、どうなさったのかなということもあれば、非常に苦しんでいた人が『もう大丈夫です』というお返事で卒業みたいになることもあって、それは嬉しいですし、いろいろな手紙が来ます」
宇賀「そんな浦上さんに、今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきていただいています。どなたに宛てたお手紙ですか?」
浦上「私の妻の父、義理のお父さんが定年をして時間が経ちますけども、郵便局で職員としてずっと勤め上げた人なんです。その義理のお父さんに」
浦上さんから義理のお父様に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「今日の放送を聞いて、浦上さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 浦上哲也さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
浦上哲也さん、ありがとうございました。
「倶生山 慈陽院 なごみ庵」
浦上哲也さん SNS
浦上「お寺は古いほどありがたいものだと思うんですけど、自分でお寺を作ろうと思って、平成18年に借家を借りて一室を仏間にしたのがスタートですね」
小山「そんなふうにして出来るんですか? 屋号のようなものは付けたんですか?」
浦上「それが『なごみ庵』だったんです。最初、近所の人には蕎麦屋だと思われて」
小山「浦上さんの家がお坊さんの家系ではないんですね?」
浦上「一般家庭の出身で。継ぐお寺がないので、まあ作るか、と。最初は親戚のお寺を手伝わないかという話になって、そのうち自分なりに仏教を伝えたいという想いが強まってきて。いろいろ学んでいる中で、僕も知らなかったんですけどお寺を新しく作る方法もあるんだと聞いて。レアケースなのであんまりやり方の資料やノウハウもないまま、模索しながら始めた感じです」
宇賀「具体的にどういう工程が必要なんですか?」
浦上「認可自体は都道府県庁なんですけど、条件としては、自己所有物件というんですかね、賃貸だとダメなんですよ。お寺とか神社は地図にマークが載りますでしょ、永続性が求められるので賃貸はダメで、物件に礼拝堂、礼拝堂を作って、そしてそこを維持できる規模の信者さん、檀家さん。大事なのは活動実績で、幽霊法人を作ろうとする人もいるみたいなんです。なので、活動実績はかなり見られます。私の場合は平成18年に開所してからいろんな活動の写真を撮って、ブログに上げてSNSにシェアしていたんです。それを県庁の人がこっそり見ていたらしくて。それがかなりプラスになって、やっておくもんだなあと思いました」
宇賀「なごみ庵はどんなお寺なんですか?」
浦上「名前通り、人が集まって和める場所です。浄土真宗では妻、配偶者のことを坊守という言い方をするんですけど、坊守の提案もあって『柔らかい名前にしよう』と。その結果、蕎麦屋に間違われるんですけど(笑)」
宇賀「そのエピソードが和みますよね(笑)」
小山「浦上さんはワークショップを主宰されているそうですけど……『死の体験旅行®』?」
浦上「怪しげな名前ですみません。もともとは欧米のホスピス、終末医療施設で医師とか看護師、医療関係者向けの研修だったようなんです。それをあることで知って、自分自身にもこれが必要だと思って。当時、一般向けの開催はなかったんですけどなんとか受けて、それをブログに書いたら多くの人から反響や問い合わせがあって。こんなに受けたいという人がいるんだったら、自分で学んでやってみようと思って、11年くらい前に始めました。今、4,500人くらいに受けていただいています」
小山「そんなに! 今、我々が体験できることってありますか?」
浦上「2時間かかるのですが、ワークショップに使う用紙を持ってきました。ちょうど名刺サイズで4色で5枚ずつあります。準備段階でこの4色のカードに、自分の大切なもの、物品だったり人だったり、思い出だったり、あとは夢とかを書いてもらいます。そのあと、私がストーリーを話し始めて、徐々に20枚の大事なもの、こと、人を減らしていくんです」
小山「最後に何が残るか、みたいなことですか?」
浦上「そんな感じですね。あとは途中途中で、自分がどういう選択をするかとか」
小山「面白そうですけど、怖いですね。これに人生で大切なもの20個を書けって言われてもなかなか難しいですよね」
浦上「その準備段階で30分くらいかかりますね。ちょっと、さわりだけやってみていいですか?」
放送では浦上さんに「死の体験旅行®」のワークショップの最初の箇所を実践していただきました。詳しくは、ぜひradikoで(11月26日まで聴取可能)。
宇賀「このワークショップを受けたい時は、どうするといいですか?」
浦上「ホームページにリンクを貼って申し込みフォームがあったり、あとはうちの近所の神奈川大学で生涯学習のコマがあって、そこで年に何回か頼まれたり。このワークショップを続けていたら、全国のいろんな宗派のお坊さんが『自分もやりたい』と思ってくれて。今、『仏教死生観研究会』という任意団体を作って、横浜だけじゃなくて他の地域でもやっている仲間がいます」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお届けしているのですが、浦上さんはこれまで受け取ったり書いたりした中で、心に残っているお手紙はありますか?」
浦上「私は『自死・自殺に向き合う僧侶の会』というまたちょっと重い名前の会に入っていて。宗派を超えたお坊さんたちの自死・自殺問題に対応する活動というものなんですよ。亡くなった方の追悼法要もあるし、死んでしまいたいという方の相談もあって、その中に手紙相談があるんです。今の時代なんですけど、郵便の手紙でやり取りをしていきます。それはそれで良さがあって、手書きのこちらの返事をお守りみたいに持っていてくださる方とか、一往復で終わる方もいれば、百往復以上になる方もいて」
小山「いわゆる、いのちの電話の手紙版ですね」
浦上「もちろん内容は言えませんけど、ふっと途切れて、どうなさったのかなということもあれば、非常に苦しんでいた人が『もう大丈夫です』というお返事で卒業みたいになることもあって、それは嬉しいですし、いろいろな手紙が来ます」
宇賀「そんな浦上さんに、今日は『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきていただいています。どなたに宛てたお手紙ですか?」
浦上「私の妻の父、義理のお父さんが定年をして時間が経ちますけども、郵便局で職員としてずっと勤め上げた人なんです。その義理のお父さんに」
浦上さんから義理のお父様に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「今日の放送を聞いて、浦上さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 浦上哲也さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
浦上哲也さん、ありがとうございました。
「倶生山 慈陽院 なごみ庵」
浦上哲也さん SNS
今週の後クレ
今回のメッセージは、東京都〈八王子椚田郵便局〉渡辺佳澄さんでした!「『かわいい』をコンセプトにした郵便局があったらいいな」と思い、昨年実施された社内のアイデアコンテスト「みらいの郵便局コンテスト」に応募したところ、社長賞をいただきました。 実際にアイデアの実現化まで繋がり、出来上がったのが「ズッキュン郵便局」です。夏休みの期間限定で、お手紙に関する体験コンテンツを提供する郵便局としてオープンし、若い世代の方を中心に多くのお客さまに来ていただきました。 お手紙を書くスペースでは、黙々と推しへの愛をしたためる方がいたり、お互いに手元を隠しながら手紙を書きあうカップルの方がいたり、一生懸命手紙を書くお子さまがいたりと、ハートに溢れた店内の装飾と相まって、とってもハートフルな空間になっていました。イベント中、「手紙を書きにズッキュン郵便局まで来ました!」というお客さまがいらして、とても嬉しかったです。」
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