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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
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手毬の専門店「はれてまり工房」の佐藤裕佳さんが登場

  • ON AIR
  • 2023/10/01

「はれてまり工房」館長 佐藤裕佳さんをお迎えして

写真 今回は、東京・北千住にある手毬の専門店「はれてまり工房」の館長・佐藤裕佳さんをお迎えしました。
宇賀「佐藤さん、お若いですよね」

小山「20代ですよね。20代で、てまりに興味を持ったんですか?」
写真 佐藤「秋田県の出身でして、秋田の由利本荘市というとこが全国で唯一、てまりのお祭りがあって。『全国ごてんまりコンクール』というものなんですけど、そこの出身で、マンホールもてまり、バスもてまりみたいなところで育ちまして。そこであんまり興味を持ったことはなかったんですけど、上京してちょっと興味を持ったきっかけがありまして今に至ります」

宇賀「地元にいる時も、そんなにてまりで遊んでいたわけではないんですね」

佐藤「そうですね、そこまで」

小山「地元の子どもたちも手毬で遊んでいるわけではないんですか?」

佐藤「遊んでいるわけではないですね。房がついていて、玄関に飾ってあるな〜、くらいのものでした」

宇賀「どうしてわざわざ、東京でお店を開こう、とまでになったんですか?」

佐藤「大学進学で上京してきて、その時に地元の活性化をしたいと思っていたことがあって。秋田に興味を持って活動していた時があったんですけど、その中で知り合いが『小さいてまりを作ってみました』とたまたまSNSに上げていて。それまで本当に大きいてまりしか知らなかったので、『こんなに可愛くなるんだ!』と興味を持って。それがきっかけでした」
写真 小山「てまりは、なぜこういうかたちになったんですか?」

佐藤「もともとはハレの日の贈り物で、母から子へとか、大切な人に優しい気持ちを込めて、幸せになってねという気持ちを込めて贈るものだったというとこも、私は大好きなところですね。
まりをついて遊ぶというのは手毬唄のイメージがあると思うんですけど、明治時代にゴムが入ってきて、ゴムで弾む時に、てまりの歌が生まれたというのがあります。そのあとに、糸の方は弾まないので鑑賞用として美しさを楽しむようになったという説があります」

小山「先に糸の方ですか?」

佐藤「先はまた別のものがあって、蹴鞠の方からですね。馬の皮をつないで作ってあるものが先ですね」

宇賀「平安時代とかですか?」

佐藤「そうですね、かなり前からあります」
写真 小山「糸で装飾するようになったのはいつ頃からなんですか?」

佐藤「それが諸説あるんですけど、ゴムが入ってきたあとくらいと言われています」

小山「比較的最近のものなんですね。秋田が名産地なんですか?」

佐藤「秋田が最大の産地ではありますが、全国いろいろあります」

小山「佐藤さんのお店では、秋田だけではなく全国のてまりを扱っているんですか?」
写真 写真 佐藤「はい、今日は全国のてまりをお持ちしました!
これが私たちが作った、スタンダードなてまりです。はれてまり工房が北千住で、てまりを作る人を育成して作っています。職人を育ってて守っています」

宇賀「中身は何ですか?」

佐藤「お米の籾殻です」

宇賀「軽いんですよね、思ったより。柔らかい感じがする。もちろん形は保たれているんですけど」

小山「これは1つ作るのにどのくらい時間がかかるんですか?」

佐藤「これは他の作業をしないで、丸2日、頑張ってかかります。ベテランの方でもすごく難しくて、修正があったりするとかなりまた時間はかかってしまいます」
写真 小山「僕、さっきから気になっているのが、ガラス瓶の中に入っているてまり。てまりより二回りくらい大きなガラス瓶に入っているんです。でも口のところは、牛乳瓶の飲み口と同じくらいしかない。中にソフトボールよりも大きいてまりが入っていて」

佐藤「これは滋賀県の瓶細工てまりというものです。これは行かないと、作り方は教えてもらえないというものになっています」

宇賀「企業秘密なんですね。すごいと思うのは、ガラス瓶の中に入っていて、すごく高価なものというか、ありがたいものという重みが増しますね」

佐藤「今日、ぜひお見せしたいと思ったものがありまして……こちら、熊本の、い草てまりというものです。中にい草が詰まっていて」

小山「い草の香りがすごい!」
写真 宇賀「すごい、また全然違いますね。熊本って、てまりは有名なんですか?」

佐藤「熊本は実はてまりの産地として、4つの地域のてまりの種類があって、肥後まり、肥後てまり、南蛮てまり、い草てまりとあります」

宇賀「あの『肥後どこさ』の歌、ありますよね」

佐藤「肥後てまりの歌ですね」
写真 写真 小山「これも球技ができそうな感じ、ありますよね。手になじみます」

佐藤「本当に優しい気持ちになれるというか、和みますよね」

宇賀「丸いものって心を落ち着かせますよね」

佐藤「心が丸くなるんです。作り手さんたちにお話をうかがっても、『あまり怒っている時に作らない』というのがすごく面白いなと思って」

小山「みんな優しい方ばかりですか?」

佐藤「そうですね、優しい方が多いです。気持ちがとげとげしている時に作ると、糸も引きつるような感じがすると皆さんおっしゃいますね」
写真 写真 スタジオでは、てまりを作るための糸を巻く作業を体験させてもらいました。この様子はぜひ、放送でお聞きください。(radikoでは10月8日まで聴取可能)
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにお届けしているのですが、佐藤さんはこれまで、受け取ったり書いたりした中で、心に残っているお手紙はありますか?」

佐藤「私事なんですけど、昨年結婚をしまして。その時、両親への手紙を書きながら自分で涙をするというのが、最近心に残っています」

宇賀「そして今日は、『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」

佐藤「てまりに書いてみました」

佐藤さんがてまりに宛てて書いたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。

宇賀「今、てまりを作られる方は何人くらいいらっしゃるんですか?」

佐藤「たくさんはいると思うんですけど、平成3年くらいには、46種類あったてまりが、今は15種類くらいに減っていまして。かなり減っているんじゃないかなとは思います。その中でも新しい、若い方が出てきたりとかで、ちょこちょこ増えていると思います」

小山「佐藤さんはてまりはいくつくらい持っているんですか?」

佐藤「どれくらい持っているんでしょう! 全然気にしたことなかったですね……100は超えていますね」

小山「その中でいちばん好きなのはあるんですか? 甲乙つけがたいですか?」

佐藤「つけがたいですね」

小山「寝る時に、握って寝るとかそういうのはあるんですか?」

佐藤「そこまではしていないですか、でも何か思い詰まった時とかに、てまりをさわって和むというか、心を落ち着かせるとかはするかもしれません」
写真 宇賀「佐藤さんのお手紙を聞いて、てまり愛を受け取ったあとにてまりを見ると、すごく優しくあたたかい気持ちになりますね。先ほどから気になっていたんですけど、そのイヤリング、ピアスもてまりですよね?」

佐藤「そうなんです。かなり小さめの、1.5センチくらいのてまりです」

宇賀「そのアクセサリーも工房で作っていらっしゃるんですか?」

佐藤「デザインや糸選びは全部私たちがやっているのですが、一部をラオスの方々にお願いして作っています」

宇賀「どうしてラオスなんですか?」

佐藤「実はラオスにも、てまりの文化がありまして。ラオスには50くらいの民族がいるんですけど、そのうちのモン族というところにてまりのお祭りがあって。男性がずらっと並んで、その前に女性が並んで、男性が好きな女性にてまりを投げるというお祭りなんです」
写真 宇賀「面白いですね!」

佐藤「最初はご縁があって、ラオスにいる足の悪い方々にお仕事がないという話を受けて。てまりってすごく時間がかかるものなので、なかなか仕事としてやっていくのが日本では難しくて。どうしようかな、という時に『お願いしてみたら?』ということで指導に行きまして。ラオスで一緒に作ってみたら、ものすごく上手に楽しく作ってくれて喜んでくださったので、今はフェアトレードでやらせていただいています」

宇賀「あまり、てまりをちゃんと見たりさわったりしたことがないという方に、ぜひ一度お店で見ていただきたいなと思いました。体験したい、という方はお店に連絡していいんですか?」

佐藤「月に2回、てまりの体験をしているので、そこでぜひ、いらしていただければと思います」

宇賀「今日の放送を聞いて、佐藤さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 佐藤裕佳さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
写真 佐藤裕佳さん、ありがとうございました!

「はれてまり工房」

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毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、茨城県〈筑波学園郵便局〉田村美季さんでした!

「先日、バスケットボール ワールドカップのニュースをテレビで見ていて、高校時代にもらった手紙のことを思い出しました。 私は、高校時代に強豪校のバスケットボール部に所属しており、『シックスマン』という重要な役割を任せていただいていたのですが、プレー自体は目立つ存在ではありませんでした。 ところが、ある日の試合後に他校の方から応援の手紙を頂いて、『なぜ私に?』と最初は不思議だったのですが、手紙には『チームのために、目立たなくても重要な仕事をしている人がいるから、周りの選手が活かされるんですよね。』という応援の言葉が書かれていました。 目立つプレーではないけれど、ちゃんと見てくれている人がいるんだなぁと、当時、とても励みになりました。」
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