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『手紙から始まる物語。』
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23歳の活動写真弁士 尾田直彪さんが登場!

  • ON AIR
  • 2023/07/30

活動写真弁士 尾田直彪さんをお迎えして

写真 今回は、現役では最年少、23歳の活動写真弁士 尾田直彪(おだ たかとら)さんをお迎えしました。
小山「23歳で活動写真弁士なんですね。そもそも、いまでもこの職業があるんですね」

尾田「一応、続いているんです。僕もこの前まで知らなかったんですけど……」

宇賀「最近、なったということですか?」
写真 尾田「ここ数年で活弁というものをはじめて知って、2021年6月に新宿の武蔵野館さんという映画館で『活弁映画祭』という1日中ずっと無声映画を活弁で上映するというイベントがあったんですけど、そこではじめて澤登翠(さわと みどり)師匠の活弁を拝見してですね、活弁にハマったという感じです」

小山「はじめてそこで触れて、感動したわけですか?」

尾田「無声映画ですから当然、音がないわけです。そこにどんどん命が吹き込まれていくというか、その映画の世界観にぐっと引き込んでいく語りの力みたいなものにすごく打たれて。僕もやってみたいな、と」

小山「大学在学中は、こういう職業に就きたいというのはあったんですか?」

尾田「ずっとお芝居をやりたいなと思ってサークルでもやっていたんですけど、ちょうど3年生の頃にコロナ禍に入って、授業もサークルもバイトも全然できなくなったんです。そこから僕は無声映画を含めて映画をたくさん観始めたんですね。その流れで、活弁があるんだと行きつきました」

小山「もしコロナがなかったら、今の自分はないわけですね」
写真 宇賀「今、活弁士の方って何人くらいいらっしゃるんですか?」

尾田「大体15人くらいといわれています」

小山「尾田さんと同世代の活弁士はいるんですか?」

尾田「20代の方は今のところいらっしゃらないですね」
写真 放送では尾田さんに、1929年製作の漫画映画「太郎さんの汽車」の活弁の一部を披露していただきました。
この様子はぜひ、radikoでお聴きください!(8月6日まで聴取可能)

宇賀「すごい、楽しい!」

小山「続きが気になりますね」

宇賀「物足りなさとか違和感みたいなものはなかったです。全部音を入れてくださっているので」
写真 尾田「この前も公演でやらせていただいて、幼稚園児のお客様がいらしていたんですね。はじめて無声映画をご覧になったんですけど、お家に帰ってご家族の方に『どうしても観たい』とねだって。実はネットにもアップロードされているんですけど、それをご覧になってお家で活弁ごっこをしているというお話を聞いてとても嬉しかったですね」

小山「レパートリーはいくつくらいあるんですか?」

尾田「今は長いものから短いものまで含めて、大体20本くらいはあったかと思います」

宇賀「それは台本とかもあるんですか?」

尾田「はい、弁士は基本的に台本は自分で作ることになっています。ですから弁士によって、同じ作品でも違う台本になっています」

小山「じゃあ、これは尾田さんが書いた脚本なので、師匠が同じものをやっても違うんですね」

尾田「まったく違う作品になると思います」

宇賀「セリフとかも変えていいってことなんですか?」

尾田「そうなんです。基本、映像と中間字幕という文字のところがあるので、そこは変えずに。それ以外の部分は弁士が自由に創作をして台本を作るというかたちなんです」

小山「じゃあ人のものは気になりますか? 『これ、ここ失敗した』『ここ面白い!』とか」

尾田「先輩方はもう比べものにならないくらいものすごい台本で語っていらっしゃるので。自分も書けるようになりたいな、と思いながら、はい」

小山「十分面白いですよ」

尾田「ありがとうございます!」
写真 宇賀「活弁と無声映画の魅力って何だと思いますか?」

尾田「活弁の魅力は映画鑑賞なんだけれども、同時にライブでもあるというところが活弁にしかない魅力だなと僕は思いますね。映画にその場で命が吹き込まれるじゃないですけど、より立体的になっていくのにお客さんも同時に立ち会えるというのが、わくわくする瞬間だと思いますし。実際に見てみないとわからない。これが活弁の面白いところじゃないかなと思います」

小山「そもそもはフィルムに音を乗せることができなかったから活弁士が生まれたんですか?」

尾田「そうですね、当時は音のない状態だったんですね。1930年代になるといわゆるトーキーといわれるような声の付いた映画が登場していって、だんだん活動写真弁士の役割が失われていって、戦後に入って……という経緯があります」

小山「海外でも同じような職業の方はいらっしゃるんですか?」

尾田「海外は基本、弁士付きではなくて生演奏の音楽で無声映画を観るという文化の方が強いんです」
写真 小山「チャップリンの作品も音楽だけなんですか?」

尾田「アメリカで観る時は音楽だけでお客さんは楽しんでいたんですね。日本では、それを活弁付きで人が喋りながらご覧いただくというスタイルで映画が上映されているんです」

小山「面白いですね!」

宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、これまで受け取ったり書いたりした中で、心に残っているお手紙はありますか?」
写真 尾田「中学校くらいの頃だったと思うんですけど、ある声優さんのラジオを聴いていたんですね。長く続いている番組だったんですけど、その方がとても手書きのお便りを大事にされる方で、結構な数を僕も出して、読んでいただいて『嬉しいなあ』と。その方をきっかけに僕は表現の道って面白いなと思い始めたので、いつかお会いする機会があったら『こういうことがあったんですよ』、なんてお伝えできたらいいのにな、と」

小山「絶対に会えますよ、いつか」

宇賀「そして今日は、『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきていただいているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」

尾田「月並みなんですけど、父と母にお手紙を書きました」

尾田さんがご両親に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。

宇賀「今日の放送を聞いて、尾田さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 尾田直彪さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
写真 小山「尾田さんは自分で無声映画を撮りたいと思うことはないんですか?」

尾田「映画はいつか撮ってみたいですけど、難しいですよね」

宇賀「でも、この方に言っておけば……作れるかもしれないですよ」

小山「いやいや(笑)。作ってほしい気がしますけどね」

宇賀「同じ熊本県出身なんですよね」

小山「あ、くまモンでどうですか?」

尾田「くまモンで無声映画ですか!」

小山「それ、どうですか?」

尾田「コメディタッチの動きもできますしね、面白そうですね」

小山「それ、やりましょうよ!」
写真 宇賀「お子さんとか若い方にも観てもらえて、いいですね、やりましょうよ」

小山「尾田さんはこれから、どんな活動写真弁士になりたいですか?」

尾田「僕は、同じ若い世代の方にもっと活弁をご覧いただけるように、知っていただけるようにアピールできたらいいな、と。そういう弁士になりたいなと思っています」

小山「今日の番組で活動写真に興味を持った人、多いと思いますよ」

宇賀「今後、ご出演の予定はあるんですか?」

尾田「8月4日と5日に東京都中央区の国立映画アーカイブというところで、毎年開催されている『こども映画館』というのがあってですね、そこで活弁をさせていただきます。予約制ですのでキャンセル待ちになっているかもしれません。小中学生向けですから、大人の方はお入りいただけないんですね。もう1つあって、月末の8月30日に日暮里で無声映画鑑賞会という月に1回開催されている上映会もありますので、よろしければそちらにもお越しいただきたいと思います」
写真 活動写真弁士の尾田直彪さん、ありがとうございました!

国立映画アーカイブ こども映画館 2023年の夏休み★

尾田直彪さん Twitter

尾田直彪さん Instagram
写真

皆さんからのお手紙、お待ちしています

毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、東京都〈中野北郵便局〉片岡陽菜さんでした!

「入社したきっかけは、小学生の頃に自由研究で切手博物館に行った際、使用済み切手に触れる体験があり、『こんな切手もあるんだ』と切手を見る楽しみを知ったことです。切手と関わることができ、また、配達しながらお客さまと接する仕事が好きなので、この仕事をやってみたいと思い、選びました。 入社1年目の年賀状配達の日に、家の前で楽しそうに年賀状を待っている兄弟がいて、手渡したときに『ありがとう』と言って、家の中に入って行きました。その姿を見て、配達の仕事に携わる喜びを感じましたし、これからも、人と人の思いを繋ぐ手紙の配達の仕事を、笑顔で続けて行きたいと思いました。」
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