「切手デザイナーの仕事」を深掘り!
- 2023/03/19
作家の間部香代さんをお迎えして
今週は、作家でコピーライターの間部香代さんをお迎えしました。
宇賀「間部さんは去年、『切手デザイナーの仕事 〜日本郵便 切手・葉書室より〜(グラフィック社)』という本を出版されたんですよね」
小山「帯がいいですよね。『日本の切手をつくるのは、たった8人のデザイナーたち。はじめて本になる、彼らの物語。』……8人しかいないというのは、我々も聞いてびっくりした記憶があります。8人しかデザイナーがいないとか、そういうお話はご存知だったんですか?」
間部「私がテレビで知った時は7人だったので、『今何人いますか?』と聞いたら『8人ですよ』という感じで。『いつか本を書きたい』と言ったら取材に来て、と」
小山「8人しかいない理由は何かあるんですか?」
間部「8人は、多分今まででいちばん多いので。本にも書いてあるんですけど、8人目のときに一般ではじめて採用を発表されたのでSNSでバズって。それを覚えている人が、『あの時に入ったのはこの人なんだ』というふうに見てくれているようです。それが8人目の吉川さんです」
小山「ここに切手制作の流れが書いてあるのですが、まずは〈題材の推薦と決定〉。これは2年前から始まるんですか」
間部「何十周年記念とか、推薦が来るみたいです」
小山「有識者の意見を受けて、題材を決定するんですね。デザイナーが『今度これをやろう』と、できるものではないんですね」
間部「ないみたいです」
小山「次に〈題材のヒアリングと取材〉。取材も入るんですか?」
間部「玉木さんのところにも書いてあるんですけど、ボーイスカウトの切手を作ることになったので、ボーイスカウトのキャンプを2日続けて取材したそうです」
小山「それからいよいよデザイン制作に取り掛かるんですね。誰が担当をするかというのは、どういうふうに決まるんですか?」
間部「1年分を最初に担当分けをするみたいです」
小山「デザインには大体3ヶ月かかるんですね」
宇賀「そんなにかかるんですね」
小山「そのあと、〈デザイン決定〉。監修者とか団体のチェックを受けて、役員が出席する会議で決定。ここで発行枚数も決まる。これはデザインやモチーフによって発行枚数は変わるんですか?」
間部「そうだと思います」
小山「本にちょっと似ているんですかね、発行部数を決める会議みたいな。それから〈印刷〉。印刷のチェックも大変なんですか?」
間部「印刷会社は入札で決まるので、印刷局の時もあれば、フランスとかの会社が取ることもあるんです」
小山「じゃあ、全部日本で印刷されているわけではないんですね。へえ! 面白い」
宇賀「意外ですね」
小山「日本の切手がフランスで印刷されることもあるというのはちょっとびっくりしましたね」
間部「切手のところに必ずちょっと書いてあるんです。このドラえもんの切手は、凸版印刷と書かれています」
小山「シートで買うとそれがわかるんですね。きっと知らないことがもっともっとたくさんあるんでしょうね」
宇賀「実際に取材をされた後で、切手デザイナーというお仕事への印象というのは変わりました?」
間部「やっぱり目の前で話してくださるので、そこに体温を感じられるようになりましたし、小さい四角の奥にデザイナーさんたちが時間を作っているんだな、と。すごく立体的に切手を感じるようになりました」
小山「普通、デザイナーは大きければ大きいほど作品にやりがいがあったりするじゃないですか。でも、切手ってこんなに小さいものでデザインで勝負するって、大変な仕事ですよね」
宇賀「書いてあったのですが、『スプーン一杯のデザイン』と。確かに大きさはそのくらいですよね」
間部「最後、薬味のように手紙に添える、ということを(切手デザイナーの)玉木さんはおっしゃっていました」
宇賀「切手が主役ではない、ということなんですね」
間部「そして数字が大事なので、会議では数字が見えづらいとか、よくそういうところを指摘されるとおっしゃっていました」
小山「間部さんは児童文学作家もされているんですね」
間部「はい、『切手デザイナーの仕事』を書いている時に、同時進行で3冊絵本を作っていました。早口言葉の本が流行っているようで、小学校1年生の授業でも使うそうです」
間部さんが紹介してくださったのは、『はやくはやく!早口小学校』『早口城 はやくちツアー』『ハヤクチさんと ギナタさん』の3冊の絵本。どんな絵本なのか、ぜひradikoでお聞きください。宇賀さんの早口言葉も聞けますよ!(radikoは3月26日まで聴取可能)
宇賀「絵本のワークショップもされているんですね?」
間部「ワークショップというよりもゴリゴリの講座というか。絵本のテキストを書く全10回の講座、『絵本テキスト創作塾』というのを今年度から開くことになりまして。私は文しか書かないんですよね、でも絵本作家になりたい人はたくさんいるんです。コンクールをやってもたくさん来るんです。でも、基本の絵本ならではのルールは守られていないので。たとえば、絵に描くであろうことがダラダラと書かれているとか、ページをめくってもシーンが同じ展開とか、とにかく絵本ならではの書き方がわかっていない人がたくさんいて。そういう方も、もしそういうことがわかって、みんなでワイワイ作っていけばデビューできるかもしれないと思って、そういう講座を開きます」
宇賀「この番組ではお手紙をテーマにお送りしているのですが、これまで受け取ったり、書いたりした中で印象に残っているお手紙はありますか?」
間部「たくさんあるのですが、短い手紙で印象的だったものが娘が保育園の年中くらいの時に、私が風邪を引いていて、その時にくれた手紙なんですけど……〈ママ おかぜだいじょうぶ? おみまい行きたいけど いっしょにくらしてるからむり〉というお手紙で」
小山「かわいい!」
間部「無理なんだ、と(笑)」
小山「いい手紙。その娘さんは、今おいくつになられたんですか?」
間部「高2です」
宇賀「いいですね、一生の宝物ですね。そして、今日は『今、お手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
間部「その娘に書いてきました」
間部さんが娘さんに宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「今日の放送を聞いて、間部さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 間部香代さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
間部香代さん、ありがとうございました!
間部香代さん ホームページ
『切手デザイナーの仕事 〜日本郵便 切手・葉書室より〜(グラフィック社)』
小山「帯がいいですよね。『日本の切手をつくるのは、たった8人のデザイナーたち。はじめて本になる、彼らの物語。』……8人しかいないというのは、我々も聞いてびっくりした記憶があります。8人しかデザイナーがいないとか、そういうお話はご存知だったんですか?」
間部「私がテレビで知った時は7人だったので、『今何人いますか?』と聞いたら『8人ですよ』という感じで。『いつか本を書きたい』と言ったら取材に来て、と」
小山「8人しかいない理由は何かあるんですか?」
間部「8人は、多分今まででいちばん多いので。本にも書いてあるんですけど、8人目のときに一般ではじめて採用を発表されたのでSNSでバズって。それを覚えている人が、『あの時に入ったのはこの人なんだ』というふうに見てくれているようです。それが8人目の吉川さんです」
小山「ここに切手制作の流れが書いてあるのですが、まずは〈題材の推薦と決定〉。これは2年前から始まるんですか」
間部「何十周年記念とか、推薦が来るみたいです」
小山「有識者の意見を受けて、題材を決定するんですね。デザイナーが『今度これをやろう』と、できるものではないんですね」
間部「ないみたいです」
小山「次に〈題材のヒアリングと取材〉。取材も入るんですか?」
間部「玉木さんのところにも書いてあるんですけど、ボーイスカウトの切手を作ることになったので、ボーイスカウトのキャンプを2日続けて取材したそうです」
小山「それからいよいよデザイン制作に取り掛かるんですね。誰が担当をするかというのは、どういうふうに決まるんですか?」
間部「1年分を最初に担当分けをするみたいです」
小山「デザインには大体3ヶ月かかるんですね」
宇賀「そんなにかかるんですね」
小山「そのあと、〈デザイン決定〉。監修者とか団体のチェックを受けて、役員が出席する会議で決定。ここで発行枚数も決まる。これはデザインやモチーフによって発行枚数は変わるんですか?」
間部「そうだと思います」
小山「本にちょっと似ているんですかね、発行部数を決める会議みたいな。それから〈印刷〉。印刷のチェックも大変なんですか?」
間部「印刷会社は入札で決まるので、印刷局の時もあれば、フランスとかの会社が取ることもあるんです」
小山「じゃあ、全部日本で印刷されているわけではないんですね。へえ! 面白い」
宇賀「意外ですね」
小山「日本の切手がフランスで印刷されることもあるというのはちょっとびっくりしましたね」
間部「切手のところに必ずちょっと書いてあるんです。このドラえもんの切手は、凸版印刷と書かれています」
小山「シートで買うとそれがわかるんですね。きっと知らないことがもっともっとたくさんあるんでしょうね」
宇賀「実際に取材をされた後で、切手デザイナーというお仕事への印象というのは変わりました?」
間部「やっぱり目の前で話してくださるので、そこに体温を感じられるようになりましたし、小さい四角の奥にデザイナーさんたちが時間を作っているんだな、と。すごく立体的に切手を感じるようになりました」
小山「普通、デザイナーは大きければ大きいほど作品にやりがいがあったりするじゃないですか。でも、切手ってこんなに小さいものでデザインで勝負するって、大変な仕事ですよね」
宇賀「書いてあったのですが、『スプーン一杯のデザイン』と。確かに大きさはそのくらいですよね」
間部「最後、薬味のように手紙に添える、ということを(切手デザイナーの)玉木さんはおっしゃっていました」
宇賀「切手が主役ではない、ということなんですね」
間部「そして数字が大事なので、会議では数字が見えづらいとか、よくそういうところを指摘されるとおっしゃっていました」
小山「間部さんは児童文学作家もされているんですね」
間部「はい、『切手デザイナーの仕事』を書いている時に、同時進行で3冊絵本を作っていました。早口言葉の本が流行っているようで、小学校1年生の授業でも使うそうです」
間部さんが紹介してくださったのは、『はやくはやく!早口小学校』『早口城 はやくちツアー』『ハヤクチさんと ギナタさん』の3冊の絵本。どんな絵本なのか、ぜひradikoでお聞きください。宇賀さんの早口言葉も聞けますよ!(radikoは3月26日まで聴取可能)
宇賀「絵本のワークショップもされているんですね?」
間部「ワークショップというよりもゴリゴリの講座というか。絵本のテキストを書く全10回の講座、『絵本テキスト創作塾』というのを今年度から開くことになりまして。私は文しか書かないんですよね、でも絵本作家になりたい人はたくさんいるんです。コンクールをやってもたくさん来るんです。でも、基本の絵本ならではのルールは守られていないので。たとえば、絵に描くであろうことがダラダラと書かれているとか、ページをめくってもシーンが同じ展開とか、とにかく絵本ならではの書き方がわかっていない人がたくさんいて。そういう方も、もしそういうことがわかって、みんなでワイワイ作っていけばデビューできるかもしれないと思って、そういう講座を開きます」
宇賀「この番組ではお手紙をテーマにお送りしているのですが、これまで受け取ったり、書いたりした中で印象に残っているお手紙はありますか?」
間部「たくさんあるのですが、短い手紙で印象的だったものが娘が保育園の年中くらいの時に、私が風邪を引いていて、その時にくれた手紙なんですけど……〈ママ おかぜだいじょうぶ? おみまい行きたいけど いっしょにくらしてるからむり〉というお手紙で」
小山「かわいい!」
間部「無理なんだ、と(笑)」
小山「いい手紙。その娘さんは、今おいくつになられたんですか?」
間部「高2です」
宇賀「いいですね、一生の宝物ですね。そして、今日は『今、お手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
間部「その娘に書いてきました」
間部さんが娘さんに宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
宇賀「今日の放送を聞いて、間部さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 間部香代さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
間部香代さん、ありがとうございました!
間部香代さん ホームページ
『切手デザイナーの仕事 〜日本郵便 切手・葉書室より〜(グラフィック社)』
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
宇賀さんのエッセイ『じゆうがたび』レターパックサイン会を開催!
宇賀さんのはじめてのエッセイ本『じゆうがたび』が2月22日に発売されています。それを記念して、SUNDAY’S POSTで「レターパックサイン会」を開催します。宇賀さんのサインを希望される方は、ご自身で購入された『じゆうがたび』の本と、返信用のレターパックを同封して番組宛てにお送りください。宇賀さんがその本にサインを入れて、お戻しいたします。
宛先は【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。3月22日 必着でお願いします。
KITTE 10th Anniversaryのお知らせ
日本郵便が初めて手掛ける商業施設として、2013年に東京・丸の内に開業した「KITTE」が、10周年を迎えます。年間を通して様々な特別企画を展開する「KITTE 10th Anniversary」のオープニングイベントが、3月17日(金)から開催されています。10周年を記念して、ピアニストの清塚信也さんが、10周年記念オリジナル楽曲「KITTE開業10周年記念公式楽曲」を制作しました。3月26日(日)には、清塚さんのトークショー&ミニコンサートを開催します。
また、レコードジャケットや広告などを数多く手掛けるイラストレーターの永井 博さんが、10周年記念キービジュアルを制作。作品のPOP UP展を開催するとともに、3月21日(火・祝)には、永井さんのトークショーも開催されます。
詳しくはKITTE公式ホームページをご覧ください。
https://marunouchi.jp-kitte.jp/
#手紙にしよう
様々なポストカードを無料でダウンロードできる「#手紙にしよう」の更新情報です。3月22日(水)発売の「My旅切手シリーズ第8集」に合わせ、イラストレーターの100%ORANGEさんが、ポストカードを作ってくれました。
ポストカードタイトルは「りんごの旅人」。今まで「My旅切手シリーズ」の切手シートに描かれていた旅人の後ろ姿に注目し、振り向いた顔を想像しながらポストカードを描いていただきました。
切手デザイナー楠田さんと、100%ORANGEさんの対談の様子は、&Postサイトにてお楽しみください。
切手デザイナーとイラストレーターのタッグは今回の8回目で最後となります。
そして今回も、切手の発売を記念した記念押印と、楠田さんと100%ORANGEさんのサインが入ったカードを、抽選で5名様にプレゼントします。
宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 「#手紙にしようハガキプレゼント係」】までお願いします。当選は、発送をもって代えさせていただきます。
&Postサイト
今週の後クレ
今回のメッセージは、石川県〈輪島郵便局〉干場貴史さんでした!「実は高校生のときに、配達のアルバイトをした経験があります。そのときに配達したお客さまから、当時高校生だったということもあり『がんばれ!』とあたたかい言葉をいただいたことで、この仕事をしてみたいと思いました。 私にとって手紙は、形に残って読み返せる、贈られた相手にとって宝物になるものだと思っています。 実際、過去に体調不良で悩んでいた時期があり、その際に職場の方から手紙をいただいたことがあります。当時悩んでいた私にとって、とても励みになり、今でもその手紙は大切に保管しています。その方も、過去に病気になられた方で『苦しんでいる時期は辛いかもしれないけれど、治るものであるからがんばって』という励ましの手紙でした。すでに退職された方ですが、今でもお付き合いがあります。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
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