会員はタモリさんと2人だけ! 「日本坂道学会」会長の山野勝さんが登場
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- 2022/11/27
日本坂道学会会長の山野勝さんをお迎えして

小山「好きですね。長崎が好きなんですけど、坂が多いから好きなんですよ。東京も意外と坂がたくさんあるじゃないですか? 僕が好きな坂は、暗闇坂と三分坂。あとは、“おんぶ坂”っていう坂の名前を、僕が昔、大学生の頃につけたんですよ。女の子とデートをしていたらその子が『もう歩きたくない』って言うから、仕方なくおんぶして登ったという(笑)。自分の中でそう呼んでいる坂があるんです」
宇賀「へえ、なんか……いいですね、楽しそう(笑)」
小山「もうあれから40年以上経ちますけど、未だに僕の中ではテレ朝通りから麻布十番に抜けて降りていくあの坂を“おんぶ坂”と呼んでいるんです(笑)」
宇賀「港区って坂が多いイメージですよね。今日は、そんな『坂』のお話をたっぷりお届けしていきます!」
今回は、「日本坂道学会」会長で坂道研究家の山野勝さんをお迎えしました。
小山「日本坂道学会は、創設何年くらいなんですか?」
山野「24年くらい前ですかね」
小山「きっかけは何だったんですか?」
山野「銀座7丁目に小さな文壇バーがあったんです。週に1回か2回、行っていたんですけど、タモリさんがそこにいらしたんですね。私が坂道の話をそのバーでやっていたらしいんですよね。それを聞いたタモリさんが、『俺も坂道好きだから、その話に入れて』ということで仲良くなって。それから会う度に坂道の話をしていたんですね、2年か3年くらい。そうしたらタモリさんがね、『2人で何か会を作りますか』と言うので『いいですね』となって。どうせ作るなら大げさな名前にしましょうとなって、『日本坂道学会』に。学会でも何でもありません(笑)」
小山「今、学会員は何名くらいいらっしゃるんですか?」
山野「2名です」
宇賀「えっ、2人だけ? 入りたい人たくさんいそうですけどね」
山野「いるんですけどね。1回、タモリさんが草彅さんを呼んできたんですよ」
宇賀「草彅剛さん?」
山野「そうです。『会長、草彅が入りたいっていうけど、どうしますか』と言われたんです。『2人だけでやるってことになっていたんじゃないの?』となったら、『そうだね。草彅、ダメみたい』と」
小山「それで2人のままなんですね(笑)」
小山「東京に坂道はいくつくらいあるんですか?」
山野「江戸時代につくられた坂道が500です。明治以降につくられた坂が140。合わせると640ですね。これは全部名前がついているんです。東京の中に坂道がいくつあるかというと、だいたい3000くらいあるんです。東京は凹凸の地形ですから、どこに行っても坂ですね」
小山「名前がない坂も結構あるんですね」
山野「もちろん、そっちの方が多いです」
小山「星を見つけたら名前をつけられるじゃないですか。会長が『ここは○○坂だ』と命名はできないものなんですか?」
山野「それはやめています。江戸時代につけた名前は、ちゃんといわれがあるわけですね。だから私が勝手につけてはいけないんですよ」
小山「じゃあ、おんぶ坂とか言っちゃいけないんですね……」
山野「個人的にはいいですけどね(笑)」
小山「日本坂道学会が提唱する坂道百選とか、“名坂”はあるんですか?」
山野「名坂の条件は4つあるんですよ。私とタモリさんで決めたんですけどね。まずは急であること。それから、まっすぐよりも湾曲していること。そこに江戸情緒があること。4番目が、坂の名前に面白い由来があることですね。勾配、湾曲、江戸情緒、由来。この4つを兼ね備えたものを名坂と言っているんです」
小山「それでいうと、会長が考える名坂はどこですか?」
山野「これはなかなか難しくてね、好みの問題ですからね。今度出た『お江戸・東京 坂タモリ(港区編)』の中で言いますと、坂の番付をつけましてね。ここでは狸穴坂と薬研坂を東西の横綱にしています。関脇を、綱坂と暗闇坂に」
小山「坂道の名前を聞いているだけで面白いですね」
山野「江戸時代の様子を想像しながら行くと結構面白いですよね」
小山「今はもう存在しないけれど、『この坂歩きたかったな』という坂はあるんですか?」
山野「尾張藩の大名屋敷、今の防衛省のところに4つくらい坂道があったらしいですね、昔は。明治になって軍用施設になったものだから、全部越して行ったんですね」
小山「同じ敷地になってしまったんですね」
山野「中身、輪郭は変わっていないんですけど、軍事施設になっちゃったから全部の坂を壊してしまったんですね。名前だけが残っています。そういうこともあるし、でも比較的よく残っている方かもしれません。なぜ坂道ができたかと言いますとね、町人町には町名がありますよね。たとえば、銀座とか日本橋とか神田とか。そこに行くのは簡単ですよね。でも武家屋敷には町名が一切ないんですよ。だから武家屋敷に荷物を届ける時、そうすると町名がないから何か目印が欲しいですよね。そのために坂道に名前をつけたんですよ、商人がね。幕府がつけたわけではないんですよ。別名がたくさんあるというのは、私がつけた名前と、また違う人がつけた名前は違いますからね、同じ坂でも。だから(名前が)1つしかない坂道の方がめずらしくて」
宇賀「この番組ではお手紙をテーマにお送りしていますが、山野さんはこれまで書いたり受け取ったりした中で、印象に残っているものはありますか?」
山野「つい最近、大学時代の親友から手紙がきましてね。『東京に出てくるので坂道を案内してくれないか』とありまして。その返事を書いたんですよ。その手紙をここに持ってきたんです」
山野さんには、お友達に出したというお手紙を朗読していただきました。ぜひ、radikoでお聞きください(12月4日まで聴取可能)。
宇賀「今日の放送を聞いて、山野さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。ご本人に責任をもってお渡しいたします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 山野勝さん 宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
宇賀「お話にも出てきました本が発売になっているんですよね、『お江戸・東京 坂タモリ(港区編)』。港区編ということは、どんどん他も出るんですか?」
山野「これが売れればね(笑)」
宇賀「すべては港区編次第ですね」
山野「今、予定しているのは文京区編とか、千代田区編とか、目黒区編とか。いくらでも出せますから」
宇賀「この本の発売にあわせて、オンラインサロン『日本坂道学会・山野勝のお江戸坂道・歴史散歩』をスタートされたんですね」
山野「もうスタートしていまして、今は赤坂をやっています。1回が15分から20分くらいで1週間ごとに変えるんです。私が実際に歩いて説明をしているものが動画で流れてきます」
日本坂道学会会長 山野勝さん、ありがとうございました!
『お江戸・東京 坂タモリ(港区編)〈ART NEXT〉』
「日本坂道学会・山野勝のお江戸坂道・歴史散歩」
小山「日本坂道学会は、創設何年くらいなんですか?」
山野「24年くらい前ですかね」
小山「きっかけは何だったんですか?」

小山「今、学会員は何名くらいいらっしゃるんですか?」
山野「2名です」
宇賀「えっ、2人だけ? 入りたい人たくさんいそうですけどね」
山野「いるんですけどね。1回、タモリさんが草彅さんを呼んできたんですよ」

山野「そうです。『会長、草彅が入りたいっていうけど、どうしますか』と言われたんです。『2人だけでやるってことになっていたんじゃないの?』となったら、『そうだね。草彅、ダメみたい』と」
小山「それで2人のままなんですね(笑)」

山野「江戸時代につくられた坂道が500です。明治以降につくられた坂が140。合わせると640ですね。これは全部名前がついているんです。東京の中に坂道がいくつあるかというと、だいたい3000くらいあるんです。東京は凹凸の地形ですから、どこに行っても坂ですね」
小山「名前がない坂も結構あるんですね」
山野「もちろん、そっちの方が多いです」
小山「星を見つけたら名前をつけられるじゃないですか。会長が『ここは○○坂だ』と命名はできないものなんですか?」
山野「それはやめています。江戸時代につけた名前は、ちゃんといわれがあるわけですね。だから私が勝手につけてはいけないんですよ」
小山「じゃあ、おんぶ坂とか言っちゃいけないんですね……」
山野「個人的にはいいですけどね(笑)」
小山「日本坂道学会が提唱する坂道百選とか、“名坂”はあるんですか?」

小山「それでいうと、会長が考える名坂はどこですか?」
山野「これはなかなか難しくてね、好みの問題ですからね。今度出た『お江戸・東京 坂タモリ(港区編)』の中で言いますと、坂の番付をつけましてね。ここでは狸穴坂と薬研坂を東西の横綱にしています。関脇を、綱坂と暗闇坂に」
小山「坂道の名前を聞いているだけで面白いですね」
山野「江戸時代の様子を想像しながら行くと結構面白いですよね」

山野「尾張藩の大名屋敷、今の防衛省のところに4つくらい坂道があったらしいですね、昔は。明治になって軍用施設になったものだから、全部越して行ったんですね」
小山「同じ敷地になってしまったんですね」
山野「中身、輪郭は変わっていないんですけど、軍事施設になっちゃったから全部の坂を壊してしまったんですね。名前だけが残っています。そういうこともあるし、でも比較的よく残っている方かもしれません。なぜ坂道ができたかと言いますとね、町人町には町名がありますよね。たとえば、銀座とか日本橋とか神田とか。そこに行くのは簡単ですよね。でも武家屋敷には町名が一切ないんですよ。だから武家屋敷に荷物を届ける時、そうすると町名がないから何か目印が欲しいですよね。そのために坂道に名前をつけたんですよ、商人がね。幕府がつけたわけではないんですよ。別名がたくさんあるというのは、私がつけた名前と、また違う人がつけた名前は違いますからね、同じ坂でも。だから(名前が)1つしかない坂道の方がめずらしくて」

山野「つい最近、大学時代の親友から手紙がきましてね。『東京に出てくるので坂道を案内してくれないか』とありまして。その返事を書いたんですよ。その手紙をここに持ってきたんです」

宇賀「今日の放送を聞いて、山野さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。ご本人に責任をもってお渡しいたします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 山野勝さん 宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」

山野「これが売れればね(笑)」
宇賀「すべては港区編次第ですね」
山野「今、予定しているのは文京区編とか、千代田区編とか、目黒区編とか。いくらでも出せますから」
宇賀「この本の発売にあわせて、オンラインサロン『日本坂道学会・山野勝のお江戸坂道・歴史散歩』をスタートされたんですね」
山野「もうスタートしていまして、今は赤坂をやっています。1回が15分から20分くらいで1週間ごとに変えるんです。私が実際に歩いて説明をしているものが動画で流れてきます」

『お江戸・東京 坂タモリ(港区編)〈ART NEXT〉』
「日本坂道学会・山野勝のお江戸坂道・歴史散歩」
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ぜひ、今年の思い出をザ・ペニンシュラ東京から手紙で届けてみませんか? 詳細は&Postサイト及び、ザ・ペニンシュラ東京のサイトをご覧ください。
「&Post」
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ただいま郵便局では年賀状の印刷を受け付けています。年賀状の中にはキャラクターものや切手デザイナーがデザインしたもの、現在使われている2円切手のうさぎをモチーフにしたものなどたくさんの種類をご用意しています。お早めの注文では割引などもあるようです。ぜひお早めにご準備ください!
郵便局の年賀状印刷 2023卯年(令和5年)
皆さんからのお手紙、お待ちしています
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今週の後クレ

「苫小牧という町は、北海道の海の玄関とも言われており、アイスホッケーをはじめ、野球やゴルフなど、数々のプロスポーツ選手を輩出しています。 これから寒い冬の季節がやってきますが、この時期は北海道で郵便配達を担当している私にとって、身も心も寒くて辛い時期になります。手は冷たく、道路はツルツルに凍っているため、『交通事故を起こさない、転んで怪我をしない、そして郵便物を濡らさない』と気を遣うことが沢山増えるからです。 しかし、配達先でお客さまからかけられる『いつもありがとう』という言葉が、どんなに温かい缶コーヒーよりも心を温め、疲れも吹き飛ばしてくれます。お客さまに感謝をされる、この仕事に就くことができて、私の心はいつも春爛漫です。」
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SUNDAY'S POST宛