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温泉しか撮らない? 温泉カメラマンの杉本圭さんが登場

  • ON AIR
  • 2022/11/20

温泉カメラマン 杉本圭さんをお迎えして

写真 小山「さて宇賀さん、次の土曜日……11月26日が何の日か、知っていますね?」

宇賀「さすがに知っていますよ! 『いい風呂の日』ですよね」

小山「以前から、この番組でお風呂をテーマにやるならこの方をお呼びしたいと思っていた、そんな方が今日はゲストです。日本でも珍しいと思うのですが、肩書きは『温泉カメラマン』。聞いたことありますか?」

宇賀「聞いたことないです。温泉を撮っているということですか?」

小山「温泉しか撮らないです。銭湯も撮ります」

宇賀「なるほど!」
写真 今週は、温泉カメラマンの杉本圭さんをお迎えしました。薫堂さんが日本全国の温泉や銭湯を巡る、雑誌『Pen』での連載「湯道百選」の写真を担当されています。

宇賀「杉本さんが薫堂さんの裸をいちばん見ている、というのは本当なんですか?(笑)」

杉本「たぶん、ここ最近では裸の付き合いというか、恥じらうことなくおじさん二人で裸になっています。風呂に行ったら脱ぐ、そして撮る」
写真 小山「杉本さんは撮る時も裸になっていますから」

宇賀「一緒にお風呂に入りながら撮っているということなんですね」

小山「杉本さんの何がすごいって、福岡在住なんですよ。どこに行くにも車なんですよ」

宇賀「えっ、東北とか、北海道も?」
写真 杉本「北海道も極力、南の方は。知床とかはさすがに飛行機で飛んだりはしますけど。巡りやすいですし、温泉地ってすごく僻地にあるんですね。電車、バスがなかったり、日の出を撮りたい時のベースキャンプになるんですね、車が」

宇賀「そもそも、杉本さんはどうしてお風呂専門のカメラマンになられたんですか?」

杉本「純粋に温泉好きだったんです。温泉好きでもともと写真もやっていたんですけど、それまでは温泉に行った記録でしかなかったんですけど、出版社に勤務しまして」

小山「編集者だったんですか?」

杉本「そうなんです、編集だったんです。その出版物がレジャー情報誌だったんですね。だからもう温泉に行くために出版社に入ったというか」

小山「それが目当てで入ったんですか」

杉本「はい」

宇賀「温泉巡りをお仕事でするわけですね」

小山「今までどれくらい入っているんですか?」

杉本「もう10年くらい前で、2,000くらいまでは数えてはいたんですよ。ただもう、そこで数の勝負ではないなと思い始めて。それからまた10年、15年経っているので、3,000とかは超えているんじゃないかなと思います」

小山「温泉を撮る時って湯気で大変じゃないですか? コツはあるんですか?」
写真 杉本「カメラには過酷な環境なんですけど、ドライヤーでカメラをカンカンに温めます。だいたいの脱衣所にはドライヤーがついているので。冬場のラーメンと一緒ですね。メガネをかけられている方が、メガネ曇りながらラーメンを食べる。結局、レンズが冷えているからなんですね」

小山「撮る角度とかは何かあるんですか? 僕が撮ってもらうときに、『波を立たせてください』って言われたりするんですよ。透けて見えないように」

杉本「無色透明なお風呂は、見えないようにやっぱり波立たせるんです。写真は時間軸がないものなので、お湯の揺らめきを入れることによって、よりお湯の感じ、質感を入れるということをしますね」

小山「最近撮って、ここはいいな! という宿はありましたか?」

杉本「つい先日まで、宮城県の蔵王温泉にいて、ここに峩々温泉という『日本秘湯を守る会』の会員の湯治宿に行っていたんです。紅葉が素晴らしくて。源泉が40度後半のお湯が注がれているのですが、その湯船の縁に寝っ転がるスペースがあるんです。背中を熱い湯が流れていきながら、竹の桶があるんですけど、(お湯を)自分にかけながら、ただただぼーっとする。しかも電波が入らないのでデジタルデトックスにもなるんですね。諦めるしかない、外界とは。そこでの時間が楽しかったですね」

宇賀「いいなあ。入りたくなってきますね。杉本さんはもう温泉しか撮らないんですか?」

杉本「ライフワークでは温泉しか撮らないんですけど、お仕事としては温泉旅館も撮影しています」
写真 小山「杉本さんは本当に全国の温泉宿をよく知っていますし、経営者の方もよくご存知なんですけど、死ぬ前に行かなければいけない温泉、聞いておきませんか?」

杉本「この質問は多くの方にされるんですけど……」

小山「困りますよね。『あの人、うちのこと言わなかった』とか言われたりして(笑)」

杉本「そういう忖度なしに……鹿児島県にある『薩摩硫黄島 東温泉』。薩摩硫黄島という島自体が洋上に浮かぶ富士山のようなもので、火山島なんです。島の至るところから温泉が浸み出しているという」

小山「湯船は誰かが掘ったりしているんですか?」
写真 杉本「誰かが掘ってくれているんです。波打ち際にお湯が浸み出しているところがあるんですけど、そこに第一浴槽。本当にこれは80度とかあって、入れない、危ないものですね。その二段目に人が入れる……といっても45度とか、結構熱めのお風呂。いちばん下に30度後半くらいのぬるめのお風呂があるんです」

小山「源泉が下に降りてくるんですね。最後はそれが海に流れていく」

杉本「溶岩ドームの真横、波打ち際にあるお風呂で、まあ素晴らしいロケーションなんですよ。ちょっと海が荒れるとお風呂に波が入ってくるような」

小山「誰かが管理しているわけではないんですか?」
写真 杉本「島の方とか温泉ファンによる有志の管理になります。無料です。見た目は荒々しいんですけど、真ん中の浴槽で大の字になって浮かんでみると、波打ち際の海の音がお湯越しに体に入ってくるんですね。それが何というか、母体の中にいるようで。目の前も空、星空なんですよ。最高ですね」

宇賀「ここ、行きたい!」

小山「これは行かなければいけない感じがしますね!」

杉本「お湯が結構phが高いものなので、30分とか入っていると肌が薄いところがピリピリし始めるという、やんちゃな感じのお湯です」
写真 宇賀「今日は、今お手紙を書きたい方へ宛てたお手紙を書いてきてくださったんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」

杉本「いろいろ考えたんですけど、一人に絞れず。なので、お世話になった皆様に書かせていただきました」

小山「今まで取材に行った先であるとか、温泉がらみで出会った方ですね」
写真 杉本さんのお手紙の朗読は、ぜひ、radikoでお聞きください(11月27日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、杉本さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。ご本人に責任をもってお渡しいたします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 杉本圭さん 宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」

小山「最後に一つ、質問をしていいですか? 杉本さんにとって温泉とは何ですか?」
写真 写真 杉本「私そのものですね。自分自身をさらけ出せるところということなんですけども、自分と向き合える場所ですね」

小山「……なんか湯道家元の言葉みたいですね」

宇賀「もう家元でいいじゃないですか?」

小山「(笑)僕もそう言おう」

宇賀「パクリじゃないですか! 最後に、杉本さんからお知らせはありますか?」

杉本「特にはないんですけど、今楽しみにしているのは薫堂さんの映画『湯道』ですね。その公開を心待ちにしています」

小山「ありがとうございます。『湯道』に出てくる銭湯を杉本さんに撮ってもらったんですよ」

杉本「素晴らしいセットでしたね。またそこに薫堂さんがいい顔をして入っていて」

温泉カメラマン 杉本圭さん、ありがとうございました!
写真 杉本圭さん ホームページ

「湯道百選」

映画「湯道」

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今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、宮城県〈女川郵便局〉永沼和恵さんでした!

「12月18日(日)までの期間、宮城県制150周年の記念施策の一環として、ポストを旅するキャンペーンが実施されています。宮城県の9ヶ所にラッピングポストが設置されておりまして、周辺の観光名所などがポストに描かれており、その中に仙台・宮城観光PRキャラクターの『むすび丸』も描かれています。イラスト内に描かれている『むすび丸』の数を応募用紙に記入して応募すると、抽選で素敵な商品がもらえるという企画なのですが、女川局の前にもそのポストが設置されていますので、立ち寄っていただけたらと思います ※こちらは期間限定のポストです。」
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