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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
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アコーディオンがどんな楽器か知っていますか? アコーディオニストのcobaさんが登場!

  • ON AIR
  • 2022/10/09

アコーディオニスト・作曲家のcobaさんをお迎えして

写真 今週は、アコーディオニスト・作曲家のcobaさんをお迎えしました。
写真 写真 宇賀「私、こんなに近くでアコーディオンを見るのは初めてなんですけど、大きいですね!」

小山「見たことないですか?」

宇賀「ちゃんと見たことはないんですよ」

coba「重いんですよ、これ。大体、13キロくらいですね」

宇賀「右手と左手、両方で弾いていますよね?」
写真 coba「そうですね。右手にはいわゆるピアノ鍵盤と同じ鍵盤が41鍵付いているんですけど、左手がちょっとやっかいで、全部で120個のベースが付いていまして。ボタンで、全部音が違うんですよ。音楽用語で完全4度と言って、ド・ソ・レ・ラ・ミ・ファ♯というふうに並んでいるんですね」

小山「全然と鍵盤と違いますね」

coba「子どもに教えたりする時は、鏡を置いて、見せながらやりますね」

小山「左手でドレミファソラシドはできるんですか?」

coba「これがね、難しいんですよ(実演)」
写真 宇賀「全然順番どおりではないんですね」

小山「この楽器を200年前に考えた人がいたんですね。よくこんな楽器を思いつきましたね」
写真 coba「どうも発祥はオルガンみたいですね。いわゆるハモニカの元祖みたいな楽器で、昔はそれでオルガンですとか、チェンバロみたいなやつを調律していたんですって。その調律の楽器だったものを、これ楽器にならないかな? ということで蛇腹をつけて、楽器にしたというのが最初、200年前なんですね」

小山「蛇腹まではわかるんですけど、左手のボタンもよく考えましたよね」

coba「これもね、だんだん増えていったんだと思いますよ。最初から120個はなかったと思うんですけど、だんだん増えていって、今は120個に」
写真 宇賀「音色を聞いていると、ひとりで演奏していると思えないというか、2、3人いそうな感じがしますよね」

coba「にぎやかな楽器ですよね」

小山「cobaさんは最初からアコーディオンだったんですか? それともピアノとかオルガンをやっていて、そっちに移っていたんですか?」
写真 coba「まさにそれで。3歳の時に両親からピアノ教室というか音感教室に通わされて。嫌で嫌で、先生のお宅の椅子に内緒でおしっこをしちゃったり(笑)。バレバレではあったけど」

小山「なぜ、アコーディオンに?」

coba「うちの父がアコーディオンを趣味で弾いていたんです。小学校4年生、10歳の誕生日の日に、僕はその当時はやっていた人生ゲームが欲しくて仕方がなかったのにですよ、うちの父がアコーディオンを買って帰ってきまして。『お前は今日からこれをやるんだ』と、満面の笑みで。心では泣きましたけどね、それ以来です」

小山「最初は難しくなかったですか?」
写真 coba「3歳からピアノをやって音感もある程度育っていましたから、さわっていると割と分かってきて。最初は嫌でね、半年くらい放っておいたんですよ。毎日、うちの父が会社に行くのを横目で見ていると、ちらっと僕の楽器を見て、『まだ開けていないんだな』とすごく寂しそうな顔をして会社に通っていたんですけど。半年後に初めて開けてみて、持ってみて愕然としたんですね。ピアノしか知らなかったんですけど、体にすごく密着するんですよ。ボディソニックって分かりますか? 体にガーッと響く感じ。音を出した瞬間に、子猫でも抱いているみたいな、その子猫が鳴いたみたいな、『うわ、なんだこれは』と思って。それでちょっと虜になったんですかね」

小山「その時から、将来はアコーディオニストになるんだという思いは?」

coba「小学校で、初めてアコーディオンを披露する日があったんです。あの違和感といったらなかったですね。今までは、いわゆる地方にひとりはいる音楽天才少年みたいなもてはやされ方をしていたのに、アコーディオンを持ってみんなの前に立った瞬間に、クスクス笑う声がしたり、非常に冷ややかな反応を受けて。それが悔しくて、自分がこの楽器のイメージを変えるような音楽を作りたいなと思い出したのが、ちょうどその頃ですね」
写真 写真 cobaさんには、スタジオで生演奏も披露いただきました! ぜひ、radikoでお楽しみください(10月16日まで聴取可能)。

小山「どうですか? 初めてこんな近くで生演奏を聞いて」

宇賀「かっこいい! 本当におひとりで演奏しているようには思えない。楽器が生きているという感じがしますね」
写真 cobaさんは10月26日に、ニューアルバム「サムライ アコーディオン」をリリースされます。

宇賀「こちらはどんなアルバムですか?」

coba「実はもう46枚目のアルバムで。今まで30年間、アコーディオンのイメージを変えたいという子どもの時の初心を、ずっと貫いてきたわけですけど。誰も聞いたことがないような新しい音楽を、いつも作りたいなと思い続けて出したアルバムですね。闘い続けて来たので、サムライに」

さらに、お手紙についてのお話もうかがいました。
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにしているのですが、cobaさんはこれまで受け取ったり、書いたりした中で、印象に残っている手紙はありますか?」

coba「イタリアに留学している時、あの当時はもちろんネットなんかなくて。電話をするのも高いし、部屋に電話があるようなホテルじゃなかったので、イタリアに着いてからしばらく何の音沙汰もなかったんですね、両親からも友達からも。2週間目くらいの時に届いたエアメールが、母親からのエアメールで、やっぱり嬉しかったですね。初めての海外ですから、本当に違う世界、次元の違うところに突然ひとりで迷いんじゃった感じで。まったく日常感がなかったんですけど、日本からの手紙が届いて、『よかった、みんな生きているし、日本がちゃんとあるんだな』と感じて嬉しかったのを覚えています」

宇賀「そして今日は、今お手紙を書きたい方へ宛てたお手紙を書いてきてくださったんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
写真 coba「僕にはいろいろな師匠がいるのですが、アストル・ピアソラさん。いわゆる、タンゴを変えた人ですね。その方も、いわゆるバンドネオン奏者で、古いタンゴを変えたいという想いを持って活動をされていた。アストル・ピアソラさんの曲は、本当に多くのミュージシャン達によってカバーされていますよね。その彼に、一度だけお目にかかったことがあって。そんな想いを今日はちょっと手紙にしました」

cobaさんによるお手紙の朗読も、ぜひ、radikoでお聞きください。

宇賀「今日の放送を聞いて、cobaさんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。ご本人に責任をもってお渡しいたします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST cobaさん 宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
写真 宇賀「最後に、今後のご予定やお知らせはありますか?」

coba「10月18日(火)に、僕がプロデュースいたします『オーケストラとの共演 蛇腹楽器200年祭』というコンサートが紀尾井ホールでございます。僕ももちろん演奏しますし、バンドネオンの三浦一馬さんとか、チャラン・ポ・ランタンの2人とか、スペシャルゲストに中西圭三さんとか、タップダンスのHideboHさんも、みんな楽しみにしてくれていますので、是非ともいらしてください」

cobaさん、ありがとうございました!

cobaさん webサイト

10月26日(水)リリース「サムライ アコーディオン」

cobaプロデュース オーケストラとの共演「蛇腹楽器200年祭」For Bellows Lovers
写真

皆さんからのお手紙、お待ちしています

写真 毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、岡山県〈岡山中央郵便局〉岡崎祐太さんでした!

「私は、年に一度の年賀状を大切にしていて、自分の想いや相手のことを考えてしっかり書いています。誰かに宛てて手紙を書くと、そこで自分の気持ちを再確認できたり、新しい気持ちが生まれたり、何か変化があると思うので、是非みなさんも手紙を書いていただけたらと思います。」
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