お寺の掲示板に注目! 僧侶の江田智昭さんが登場
- 2022/07/24
浄土真宗本願寺派の僧侶 江田智昭さんをお迎えして
宇賀「一部の地域ではお盆が終わってしまいましたが、多くの場所では、今年のお盆は8月13日から。ご先祖様が戻ってくる季節ということで、お寺の掲示板に注目しようと思います。浄土真宗本願寺派の僧侶であり、新潮社から『お寺の掲示板』という本を発表されている江田智昭さんをお迎えしました」
小山「『お寺の掲示板』、面白いですね! いわゆるお寺の前にある掲示板の、説得力があるというか、心に刺さるというか、笑ってしまえるというか……そういう言葉の写真を集めた本ですね」
宇賀「どうしてこういう本を作ろうと思われたんですか?」
江田「小さい頃から、お寺の掲示板の一言を読むのが結構好きだったんですね。そのお寺のご住職のキャラクターだったり、センスみたいなものが凝縮されていて、昔から注目していたんですけれども、2018年に『お寺の掲示板大賞』という企画を立ち上げまして。お寺の掲示板の一言の写真を撮ってもらって、SNSに投稿してもらおうという企画を立てたんです。その作品を集めたものが、『お寺の掲示板』という本になります」
小山「江田さんご自身が僧侶じゃないですか。普通の編集者が集めるのはわかるんですけど、いわばライバルの掲示板を収集するのは、やっぱり『人が何を書いているんだろう』と、気になるところがあったんですか?」
江田「そうですね、いろんなお坊さんに言われるんですけど、みんな悩んでいるんですね。大体のお寺で月に1回くらい貼り替えているんですけど。こういう本が出て、『逆にちょっとありがたい』というか、感謝されることはありますね」
宇賀「別にルールとか決まり事はないんですね」
江田「掲示板を使った布教活動は“掲示伝道”と昔から言われているんですね。少なくとも100年以上の歴史があると言われているんですけども、そこにまったくルールは存在しておりませんので、芸能人の言葉だったり、いろいろな言葉が入っている感じですね」
放送では、『お寺の掲示板』から、薫堂さんや宇賀さんが気になった言葉をご紹介しました。
宇賀「江田さんがいちばんお気に入りのものは?」
江田「『お寺の掲示板』の1作目、『のぞみはありませんが、ひかりはあります 新幹線の駅員さん』。これは心理学者の河合隼雄さんという方がですね、終電が近かったんですかね……駅員さんから『のぞみは走っていないですが、ひかりならありますよ』と言われた時に、その言葉に感銘を受けていろんな本でご紹介されているんですね。仏教的に解釈すると、私たちが望みや希望を失ったとしても、仏様の光、仏様の知恵とか慈悲を表す光というのは常に照らしていますよ、と解釈することができるんですね。結構深い言葉だなと思いますね」
小山「(掲示板は)若い人に届けたい、という想いで書かれるんですか?」
江田「そうですね、基本的に掲示板の前を通るのは、そのお寺の檀家さんとかだけではないですからね。若い人からお年寄りまで、いろいろな人が掲示板の前を通りかかりますので、そういった方にもできるだけ優しい言葉で伝える。そういう努力の一つの表れ現れですよね」
小山「江田さんが最初にお寺の掲示板大賞を始められたのが何年前ですか?」
江田「2018年ですので、4年前ですね」
小山「4年前で、本が2冊出ているのってすごいですね! 最初は、大きな告知もしないまま始められたんですか?」
江田「私の思いつきなんですよね。SNSは、今は多くの人が使っていますけど、そこに仏教の教えが乗るってことはあまりないんですよね。SNSを利用することによって、仏教の教えが集まるようなことができないかと前から考えていたんですけど、(お寺の掲示板大賞を)立ち上げたら結構話題になりまして」
小山「今年も、お寺の掲示板大賞の募集は始まっているんですか?」
江田「7月1日に始まっております」
小山「毎年、どのくらいの応募があるんですか?」
江田「昨年は約3ヶ月の応募期間の中で、2,887作品集まりました。最初の1年目が700作品でしたから、4年で4倍に増えて、年々増えております」
宇賀「江田さんが書くとしたら、どうしますか?」
江田「そうですね、『お寺の掲示板』の1冊目にもあるんですけど、『大丈夫だよ 生きていけるよ』とシンプルに書いている掲示板があるんですけど、そういう言葉を書くかな、という感じですね。もともと私が『ダイヤモンド オンライン』というところで連載を書いていまして、それがこの本になっているんですけども。その中で、『置かれた場所で咲けないときは 逃げてもいいよ 咲けるところへ』という掲示板があったんですよ。それがものすごい反響だったんですね。私も驚いたんです。いま不安な想いを抱えている方がそれだけ多いという表れなんだろうな、と。もっと優しい言葉が求められている時代なのかな、というのを感じますね」
小山「時代によっても変わるんでしょうね」
江田「変わりますね。コロナが始まって、2020年くらいからちょっと言葉が変わったな、というのもあるんですね。大体、掲示板は『お前も死ぬぞ』みたいな喝をいれる言葉が多かったんですけど、ちょっと人々に寄り添うというか、優しい言葉が2020年以降増えているかな、という感じはしますね」
江田さんには、番組のテーマである「お手紙」についてのお話もうかがいました。
江田「私は実家が福岡のお寺なんですけども、ちょうど20代の頃にそのお寺で働いていたんですね。30歳を迎える頃に福岡を離れて、東京のお寺で働くことになったんですけども、福岡を離れる時に、大変お世話になった隣のお寺のご住職さんからお手紙を頂いたんですけども、それがすごく印象的でしたね。そこに『どこでもお慈悲の中』と、一言、ぽんと書かれていたんですよ。要するに、東京でもどこに行っても、仏様のお慈悲の中ですよ、ということを伝えたかったんだと思うんです。そのお手紙はいまだに持っていますね」
小山「隣のお寺の方が手紙をくれるんですね」
江田「私の幼稚園の園長先生でもあったんです。すごくいろんなことでお世話になって、いろんなことを教えてもらった先生だったので」
宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいています。どなたへのお手紙ですか?」
江田「うちの母親です」
江田さんがお母様へ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聴きください(7月31日まで聴取可能)。
宇賀「今日の放送を聞いて、江田さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもって本人にお渡しさせていただきます。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 江田智昭さん 宛】にお願いします」
江田智昭さん、ありがとうございました!
「輝け! お寺の掲示板大賞 2022」
『お寺の掲示板(新潮社)』
宇賀「どうしてこういう本を作ろうと思われたんですか?」
江田「小さい頃から、お寺の掲示板の一言を読むのが結構好きだったんですね。そのお寺のご住職のキャラクターだったり、センスみたいなものが凝縮されていて、昔から注目していたんですけれども、2018年に『お寺の掲示板大賞』という企画を立ち上げまして。お寺の掲示板の一言の写真を撮ってもらって、SNSに投稿してもらおうという企画を立てたんです。その作品を集めたものが、『お寺の掲示板』という本になります」
小山「江田さんご自身が僧侶じゃないですか。普通の編集者が集めるのはわかるんですけど、いわばライバルの掲示板を収集するのは、やっぱり『人が何を書いているんだろう』と、気になるところがあったんですか?」
江田「そうですね、いろんなお坊さんに言われるんですけど、みんな悩んでいるんですね。大体のお寺で月に1回くらい貼り替えているんですけど。こういう本が出て、『逆にちょっとありがたい』というか、感謝されることはありますね」
宇賀「別にルールとか決まり事はないんですね」
江田「掲示板を使った布教活動は“掲示伝道”と昔から言われているんですね。少なくとも100年以上の歴史があると言われているんですけども、そこにまったくルールは存在しておりませんので、芸能人の言葉だったり、いろいろな言葉が入っている感じですね」
放送では、『お寺の掲示板』から、薫堂さんや宇賀さんが気になった言葉をご紹介しました。
宇賀「江田さんがいちばんお気に入りのものは?」
江田「『お寺の掲示板』の1作目、『のぞみはありませんが、ひかりはあります 新幹線の駅員さん』。これは心理学者の河合隼雄さんという方がですね、終電が近かったんですかね……駅員さんから『のぞみは走っていないですが、ひかりならありますよ』と言われた時に、その言葉に感銘を受けていろんな本でご紹介されているんですね。仏教的に解釈すると、私たちが望みや希望を失ったとしても、仏様の光、仏様の知恵とか慈悲を表す光というのは常に照らしていますよ、と解釈することができるんですね。結構深い言葉だなと思いますね」
小山「(掲示板は)若い人に届けたい、という想いで書かれるんですか?」
江田「そうですね、基本的に掲示板の前を通るのは、そのお寺の檀家さんとかだけではないですからね。若い人からお年寄りまで、いろいろな人が掲示板の前を通りかかりますので、そういった方にもできるだけ優しい言葉で伝える。そういう努力の一つの表れ現れですよね」
小山「江田さんが最初にお寺の掲示板大賞を始められたのが何年前ですか?」
江田「2018年ですので、4年前ですね」
小山「4年前で、本が2冊出ているのってすごいですね! 最初は、大きな告知もしないまま始められたんですか?」
江田「私の思いつきなんですよね。SNSは、今は多くの人が使っていますけど、そこに仏教の教えが乗るってことはあまりないんですよね。SNSを利用することによって、仏教の教えが集まるようなことができないかと前から考えていたんですけど、(お寺の掲示板大賞を)立ち上げたら結構話題になりまして」
小山「今年も、お寺の掲示板大賞の募集は始まっているんですか?」
江田「7月1日に始まっております」
小山「毎年、どのくらいの応募があるんですか?」
江田「昨年は約3ヶ月の応募期間の中で、2,887作品集まりました。最初の1年目が700作品でしたから、4年で4倍に増えて、年々増えております」
宇賀「江田さんが書くとしたら、どうしますか?」
江田「そうですね、『お寺の掲示板』の1冊目にもあるんですけど、『大丈夫だよ 生きていけるよ』とシンプルに書いている掲示板があるんですけど、そういう言葉を書くかな、という感じですね。もともと私が『ダイヤモンド オンライン』というところで連載を書いていまして、それがこの本になっているんですけども。その中で、『置かれた場所で咲けないときは 逃げてもいいよ 咲けるところへ』という掲示板があったんですよ。それがものすごい反響だったんですね。私も驚いたんです。いま不安な想いを抱えている方がそれだけ多いという表れなんだろうな、と。もっと優しい言葉が求められている時代なのかな、というのを感じますね」
小山「時代によっても変わるんでしょうね」
江田「変わりますね。コロナが始まって、2020年くらいからちょっと言葉が変わったな、というのもあるんですね。大体、掲示板は『お前も死ぬぞ』みたいな喝をいれる言葉が多かったんですけど、ちょっと人々に寄り添うというか、優しい言葉が2020年以降増えているかな、という感じはしますね」
江田さんには、番組のテーマである「お手紙」についてのお話もうかがいました。
江田「私は実家が福岡のお寺なんですけども、ちょうど20代の頃にそのお寺で働いていたんですね。30歳を迎える頃に福岡を離れて、東京のお寺で働くことになったんですけども、福岡を離れる時に、大変お世話になった隣のお寺のご住職さんからお手紙を頂いたんですけども、それがすごく印象的でしたね。そこに『どこでもお慈悲の中』と、一言、ぽんと書かれていたんですよ。要するに、東京でもどこに行っても、仏様のお慈悲の中ですよ、ということを伝えたかったんだと思うんです。そのお手紙はいまだに持っていますね」
小山「隣のお寺の方が手紙をくれるんですね」
江田「私の幼稚園の園長先生でもあったんです。すごくいろんなことでお世話になって、いろんなことを教えてもらった先生だったので」
宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいています。どなたへのお手紙ですか?」
江田「うちの母親です」
江田さんがお母様へ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聴きください(7月31日まで聴取可能)。
宇賀「今日の放送を聞いて、江田さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもって本人にお渡しさせていただきます。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 江田智昭さん 宛】にお願いします」
江田智昭さん、ありがとうございました!
「輝け! お寺の掲示板大賞 2022」
『お寺の掲示板(新潮社)』
番組オリジナルの万年筆がついに……!
以前、番組で取材した大分県豊後高田市の「株式会社ワンチャー」代表取締役の岡垣太造さんから、お手紙が届きました。なんと、薫堂さんと宇賀さんの「リスナープレゼントで万年筆を贈ることができたら素敵だね」という会話を放送で聞いて、SUNDAY’S POSTオリジナルの万年筆を製作してくださったのです!
小山「岡垣さんが、リスナープレゼントとして万年筆を作ってくださったんですね! しかもその数が……200本!」
宇賀「えー!」
小山「ボールペンじゃないですよ、万年筆ですよ」
宇賀「色が綺麗ですね!」
「日曜日の夕方」をイメージした色合いで、海に沈む夕日をイメージしたデザイン。ペン先も職人さんが一つひとつ調整してくださった、とっておきの万年筆です。
宇賀「どうしましょう、200本あったら……お手紙を紹介した方にお送りしていきますか?」
小山「お手紙を紹介した人の中から、抽選で毎回送っていくことに加えて……今回、特別に50本! 欲しいという方にプレゼントしましょう」
宇賀「万年筆を欲しい、という旨と、万年筆を使って誰にどんなお手紙を書きたいか、というのを書いてご応募ください。
宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POSTワンチャー万年筆プレゼント係】までお願いします」
たくさんのご応募、お待ちしています!
株式会社ワンチャー
暑中見舞い、お待ちしてます!
SUNDAY’S POSTでは、現在、番組宛ての暑中見舞いをお待ちしています。ご応募してくださった方全員に、お宝QRコードが付いたはがきを返信します。5種類あるので、何が届くかはお楽しみに!
宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 暑中見舞い係】までお願いします。
はがきの名文コンクール 開催のお知らせ
現在、今年で8回目となる「はがきの名文コンクール」が開催されています。テーマは「一言の願い」。はがきに20字以上200字以内で願い事を書いてご応募ください。
締め切りは2022年8月31日、当日消印有効で、お一人様何通でも応募可能です。大賞は、賞金100万円です。
コンクールの詳細は、「第8回 はがきの名文コンクール」のサイトにてご確認ください。サイトには、過去の受賞作品が掲載されています。作品集も発売中です。ぜひ、参加してみてください。
はがきの名文コンクール 公式サイト
今週の後クレ
今回のメッセージは、愛媛県〈今治郵便局〉吉田正人さんでした!「愛媛県今治市は、サイクリングで有名な、瀬戸内しまなみ海道の四国側に位置しており、今治タオルや柑橘類など、魅力的な特産品がたくさんあります。 今治市とコラボをして、地元サッカークラブ『FC今治』を応援しようと、今年の3月にラッピング郵便車『FCイマバリィ号』を制作し、お披露目しました。この郵便車は、FC今治のユニフォームを着た、今治市のマスコットキャラクターである『バリィさん』がデザインされています。私はサッカー部出身なので、FC今治をとても応援しており、こうしてラッピング郵便車という形でコラボできるのは、大変喜ばしいことだと思いました。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
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