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高齢者の孤立を解決する「えんがお」の取り組みとは?

  • ON AIR
  • 2022/07/17

一般社団法人「えんがお」代表 濱野将行さんをお迎えして

写真 今回は、栃木県大田原市で、高齢者の孤立という社会問題の解決に取り組む一般社団法人「えんがお」の代表・濱野将行さんをお迎えしました。
写真 写真 小山「『えんがお』は、“縁側”と“笑顔”をかけている?」

濱野「そうです。あとは、顔の見える縁の関係ということも含め、『えんがお』としています」

宇賀「今日は大田原市から来てくださっているんですよね。どんなところですか?」

濱野「大田原市は人口7万人くらいなんですけど、非常に広くて。山間部から都市部までいろんな地域がある市ですね」

小山「濱野さんは大田原の生まれなんですか?」

濱野「自分はその隣の矢板市というところで生まれました。大田原の大学に進学しまして作業療法を学んだんですけども、卒業後に高齢者の孤立という問題に取り組みたいと思った時に、大学の後輩に一緒にやりたいという学生が何人かいたので、学生がアクセスしやすい土地でやろうと思いました」

小山「『えんがお』は施設じゃなくて、プロジェクトなんですか?」
写真 濱野「プロジェクトでいくつかの建物を持っている感じです。地方って空き家や空き店舗がたくさんある中で、徒歩2分圏内に6軒の空き家を活用していて。メインは高齢者の孤立の予防と解消ということを進めているんですけど、おじいちゃんおばあちゃんが何か役割を持てるといいなと思っていて。そのために、高齢者だけではなくて、おじいちゃんおばあちゃんが集まる施設の目の前には地域食堂があったりとか、その裏には若者のシェアハウスがあったりとか。若者のシェアハウスの隣には、精神・知的障害という障害を抱えた人のグループホームがあったり……というふうに、近隣で子どもから高齢者まで、障害があってもなくてもいろんな人が関われるコミュニティづくりを行なっています」

小山「お年寄りが集まって、みんなで一つのことをやったりするんですか?」

濱野「そうですね、おじいちゃんおばあちゃんが日常的におしゃべりをしている場所があって。そういうところって地方ではたくさんあるんですけど、私たちが一つ大事にしているのが、そこに普段から子どもが来たりとか、地元の高校生、大学生、中学生が毎日遊びに来たりとか、障害を抱えている人もそこにふらっと遊びに来るみたいな環境づくりをしています」

小山「すごく良い取り組みだなと思うんですけど、(人を)来させるの難しくないですか?」

濱野「今、5年経ってやっと、というところもあるんですけど。目の前にいる人が何を求めているのか、というところで、引っ越して来たばかりの子連れのお母さんがいて、地元で関わる人がいなければ、オムツ代を置いて子どもが遊べるようなスペースを作ったりとか。学生が勉強する場所がなくてファミレスで勉強していることがあれば、おじいちゃんおばあちゃんが集まる場所の2階に学生の勉強スペースを置いて、自然と学生が来るようにして。あとは二つの導線がかなさるような仕組みづくりをして、自然と関わってくれたらいいな、という感じですね」
写真 小山「最初は関わりたくて行くんじゃなくて、自分にとって必要な場所だから行く。そうするとそこに、世代の違う人がいたり、環境の違う人がいて、仲良くなって繋がっていくんですね。でも、これはビジネスではないんですね?」

濱野「ソーシャルビジネスなんて言われるんですけれども、社会課題をビジネスで解決するというところもすごく注力していて。お金にならないこともたくさんあるんですけど、最低でも赤字にしない、ということと、お金になるように努力していくところで、私たちの給料がしっかりもらえて運営できるようなところを目指していたり。ちょっとずつ今、そうなってきているところですね」

小山「どこでお金を生むんですか?」
写真 濱野「よく、ボランティアや社会貢献は無償で提供すると思われがちなんですけど、それをやってしまうと何回も来れないんですよね。たとえばコーヒー屋さんで、『毎日タダで飲めます』って言われると逆に行きづらい。おじいちゃんおばあちゃんからも、ちゃんと100円をいただいていて、でも、その100円あるかないかが大きかったり。大学生も勉強する時に200円を1日もらっていて。それも年間延べ4千人くらい来てくれているので、そうすると家賃と水道光熱費はそれでペイできたりとか。その他、いくつか事業をやっているんですけど、収益性が取れそうなポイントに限ってはしっかり収益を得て運営することを努力しています」

小山「そんなやり方があったんですね」

宇賀「どういうところに、そんなに人が集まる魅力があると思いますか?」
写真 濱野「一つは、おじいちゃんおばあちゃんのあったかさというのが大きいと思います。僕らが誰かの居場所を作りたいと思った時に気をつけているのが、カフェとかを作るとしたら綺麗にしてお客さんとしての喜びを作ると思うんですけど。カフェじゃなくて居場所を作りたいと思った時には、結構古くささとか、『昔のおばあちゃん家みたい』とか。時々、都会から視察でいらした方から、『1千万円かけて綺麗なハコ(建物)を作ったのに、全然学生が定着しない』と相談されるんですけど、それはもったいなくて。たとえば畳は綺麗にするけどあえて張り替えないとか、壁はあえて全部塗らないとか。建物としての余白に僕らは居心地の良さを感じる生き物なのかなと思っているので、あえて古さを残すというのは大事にしています」

宇賀「そういうところが他にないんでしょうね」
写真 放送では、実際に「えんがお」を利用している高齢者の方、学生の方にもお話をうかがいました。この模様はradikoでお聴きください。

小山「『えんがお』のモデルは全国に広がっていくといいですね。今、他のところに広げようとか、ノウハウを他の若者たちに提供したいという想いはあるんですか?」
写真 濱野「チェーン展開とかは僕らのスタイルに向かないので、あまり考えていないんですけれども。どんなに僕らが頑張っても、たとえば北海道で孤立しているおじいちゃんおばあちゃんは救えないし、茨城でも寂しいおじいちゃんおばあちゃんは必ずいるし、若者もそうです。お金をもらわなくても、ノウハウは全部公開していて、問い合わせとかには全部答えていて。収支も全部出して。そうすることで、今いくつかの県で真似してくれる人たちも出ていて。僕らがちょっと学んだことを共有することで、誰かがどこかの地域で似たようなことをやってくれるのが一番嬉しいので、ノウハウを公開して、真似してくれる人を増やすところを頑張っています」

小山「濱野さん、今いくつですか?」

濱野「30になります」

小山「もうこんな息子が欲しかった(笑)」
写真 写真 宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいているんですよね。どなたへのお手紙ですか?」

濱野「大久保さん、という方で、僕らが立ち上げの時から訪問させていただいていたおばあちゃんに書いてきました」

濱野さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聴きください(7月24日まで聴取可能)。

宇賀「これから新しくやってみたいことはあるんですか?」
写真 濱野「今、子ども事業を開設しようと準備を進めていて。高齢化が進む街の中で、子どもが遊びまわる絵があったらすごくいいなと思うんですね。『3時から4時のあいだは、おばあちゃんここで子どもを見ててあげて』みたいな感じで、子どもが遊びまわることでまたおじいちゃん、おばあちゃんの役割が増えて。役割も居場所になると思うので、そうするともっともっと頑張って元気でいなきゃ、と思ってもらえるし。そういう景色を僕が見たい、というところが一番強いんですけど」

小山「役割は確かに大切ですよね。頼られることの生きがい、モチベーションの創出というのはありますよね」
写真 濱野「表現が難しいんですけど、何かをしていないといけない、ということではなくて。そうすると重度心身障害の方は役割が持てないのか、という話になってしまうんですけど、そうじゃなくて。いろいろな世代と関わることでそもそも存在に役割があるみたいな感覚を……言語化しづらいんですけど、ものすごく感じることがあって。90歳のおばあちゃんがいるだけで、なんか空間があったかくなったりとか。車椅子の方も来たりするんですけど、その人がいるだけでなんか皆の気持ちが優しくなったりとか。すごく難しいんですけど、役割が居場所になるということと同時に、そもそも存在自体に役割があるみたいな感覚を、もっと僕自身も深めたいし、伝えていければなというのはありますね」

宇賀「今日の放送を聞いて、濱野さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもって本人にお渡しさせていただきます。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POSTえんがお 宛】にお願いします」
写真 一般社団法人「えんがお」代表の濱野将行さん、ありがとうございました!
写真 濱野さんは『ごちゃまぜで社会は変えられる 地域づくりとビジネスの話(クリエイツかもがわ)』という本も出版されています。ぜひ、お手にとってみてください。

「ごちゃまぜで社会は変えられる 地域づくりとビジネスの話」

一般社団法人「えんがお」
写真

#手紙にしよう


7月22日発売の『ふみの日にちなむ郵便切手』。切手にぴったりなポストカードを作ってくださったイラストレーター・北澤平祐さんから、SUNDAY’S POSTに届いたお手紙をご紹介します。
〈SUNDAY’S POSTの薫堂さま、宇賀さま
はじめまして、イラストレーターをやっております北澤平祐と申します。この度「#手紙にしよう」の企画で今年のふみの日切手を担当なさったデザイナーの山田泰子さんと対談する貴重な機会を頂きました。切手は収集家を名乗れるほどではないですが、昔から郵便局に行く度についつい気に入ったものを購入してしまうくらいには大好きなので、当日はお聞きしたいことだらけであっという間に時が過ぎました。
この日の山田さんとの対話を元に、ふみの日切手に合うようなポストカードを描かせていただいたので、どなたか大切な人(またはそれほど大切ではない人でも)へお手紙をしたためるきっかけとして使って頂ければうれしいです。

イラストレーター 北澤平祐〉

『ふみの日にちなむ郵便切手』を作った切手デザイナーの山田さんと北澤さんの対談の様子が『&Post』のサイトにてご覧いただけます。

&Post

そして、切手の発売を記念した記念押印と、山田さんと北澤さんのサインが入ったカードを、抽選で5名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 「ハッシュタグ 手紙にしよう はがきプレゼント係」】まで、ご応募お願いします。
当選は発送をもって代えさせていただきます。たくさんの ご応募、お待ちしています!
写真

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、広島県〈玖島郵便局〉河野妙さんでした!

「前任の郵便局では6年間お世話になりました。とてもお客さまに恵まれていたので、転勤のご挨拶をした時には『寂しいね』『向こうでも頑張ってね』とお客さまからお花も頂きました。嬉しい一方、新しい郵便局でも大丈夫かしらと、正直不安な思いで現在の玖島郵便局へ赴任したのですが、着任してすぐに感じたのが、前任の郵便局でもそうでしたが、この地域のお客さまも温かい方が多いということでした。『あなたなら大丈夫よ』と言っていただいた時には本当に泣きそうなくらい嬉しかったです。」
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