TOKYO FM / JFN 38 STATIONSTOKYO FM / JFN 38 STATIONS 番組宛に手紙を贈る

SUNDAY'S POSTSUNDAY'S POST

『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
手紙を受け取る喜び、手紙を送るワクワク感、
手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
from

NEWSNEWS

狂言師の茂山千三郎さんをお迎えして

  • ON AIR
  • 2022/07/10

狂言師の茂山千三郎さんが登場! 「狂言」の魅力とは?

写真 今週は、京都から狂言師の茂山千三郎さんをお迎えします。
宇賀「薫堂さんは以前からお付き合いがあるんですね?」

小山「数年前から京都でいろいろなイベントをご一緒させていただいたりしているのですが、とはいえ、僕は狂言に詳しいわけでもなく。狂言と能の違いもよくわからないのですが、その辺から教えていただいてもよろしいでしょうか?」
写真 写真 茂山「『能楽』、というと両方を指すんですよ。能は悲劇的で歌舞劇、歌い舞うもの。狂言の方は会話劇で喜劇。それが原則です」

小山「狂言は面白いんですよね」

宇賀「お話で楽しませるみたいなイメージです」

茂山「そうなんです。笑ってください」
写真 宇賀「実際、どんな感じなのかリスナーの皆さんにもわかっていただきたいということで、大変恐縮なのですが、少しだけお願いしてもよろしいですか?」

茂山「笑ってみましょうか?ちょっと(マイクから)離れます、声が大きいので」
写真 茂山さんには舞台上での「笑い」を実演していただきました。

宇賀「狂言にはテーマとかルールはあるんですか?」

茂山「何でもありっちゃ何でもありなんですよ。登場人物の制限があるわけでもないし、男、女、お坊さん、山伏、あるいはカニ、蚊、キツネ、ゴリラ……何もないです。擬人化するのが得意です。もっと広く言うと、『正義』が出てきたりとか」

小山「正義?」

茂山「正義くん、悪魔くん、そういう心とか概念とかまで擬人化して狂言ではやっていきます。蚊が人間の姿をして出てきて、相撲取りになって近づいて、思いっきり血を吸うとか」

宇賀「面白いですね!そういう意味では、我々の生活の中での身近なことがテーマになっていることも多いんですね」

茂山「そうですね。能の方が特別な物語なんですよ。源氏物語とか、源平の合戦物語とか。狂言は最初に出てきて、『これはこの辺りに住まい致す者でござる』って言うんですよ。『私はこの辺に住んでいる人です』と、皆さんのいちばん近い人でいようとするのが狂言の特徴です。そこが能と狂言の違い」
写真 宇賀「最近では、いろいろなことにチャレンジされているということなんですが、『狂言稽古を通じて120歳まで生きろ!』というのは、どういうことなんでしょうか?」

茂山「狂言を極めた人って軒並み90オーバーまで生きているんですよ。うちの父は96歳まで現役。おじいちゃんは86歳まで現役。今の現役で最高齢は、野村萬先生が、人間国宝でいらっしゃいますけど、93歳。萬斎君のお父さん、万作先生が91。舞台でまだ跳んでいるんですよ。これって何なのかな?と思いまして、いろんな角度から見ていくと、日本人の体ってすごいんですよね。これが狂言の演じるという中で全部健康につながっているんです」

小山「たとえばどういうことですか?」

茂山「たとえば、さっきの笑い。あれはストレスが完全になくなります。大きな声を出してストレスをなくす、ナチュラルキラー細胞で免疫力を上げますよね。お腹から声を出していくということは、深い呼吸をしているんです。お腹から声を出すということは、内臓を活性化しているんですよ。ここを動かしながら体を動かして有酸素運動をしているので、それだけで体が元気になるんですね。次に、腰を落として摺り足で歩いているじゃないですか」

小山「筋肉が鍛えられそうですね」

茂山「下半身を鍛えるっていうことは、若返りホルモンがすごく出るんですよ。男性も女性も骨盤底筋を鍛える。体を引き締める、足がスリムになる。いいことばっかりで。いつまでも若くいられる」

宇賀「どちらかというと、体に負担があるのかなと思っていました」

茂山「摺り足をしているとアーシングに繋がっていくんですね」

宇賀「いいんですね」

茂山「新たにジャンルを作るお手伝いを、(薫堂さんに)お願いしていいですか?」
写真 小山「いいですよね。まだ本はお書きになっていないんですか?」

茂山「徐々に書いているところですね」

小山「まずはやっぱり本がベストセラーになるところから始めるのが早くないですか?教室はあるんですか?」

茂山「もうスタートしています。渋谷のセルリアンタワーの能楽堂で、実際に舞台の上で摺り足の研修をしたり、稽古をしたり。体を活性化して。本物の舞台でやらないと意味がないと思って。2時間、びっちり稽古をして、体ガクガクになって帰りますね」
写真 宇賀「茂山さんは今、京都に住んでいらして。全国津々浦々、海外でも公演をされているということですがそれぞれ反応はいかがですか?」

茂山「おおよそ3タイプありますよね。ヨーロッパ型、アメリカ型、アジア型。ヨーロッパはそれぞれ自分のところにクラシックを持っているので、帽子をかぶったりドレスアップをして、夜遅めの公演に来てくれます」

小山「伝統芸能への向き合い方がしっかりしているんですね」

茂山「敬意を表して観に来てくれます。アメリカは自由なので、ミュージカル的にジーパンTシャツの人もいるし、正装してくる人もいるし。何がすごい、というと立って拍手をする人もいれば、途中で帰る人もいます」

小山「自分の感情に正直に」
写真 茂山「正直でしたね。アジアの人は、お祭りを見るように途中で手を振るわ、声はかかってくるわ。すべての国がではないですけど、そうなんですね。いちばんやりにくのが日本ですよね。素直に観ていないから。色眼鏡で観てますもん。難しいもの、分からないものっていう能狂言の先入観をすでに持っているでしょう。ここで笑ってはいけないかもしれない、っていう感覚」

小山「失礼になるんじゃないか、って思ってしまうのかもしれないですね」

茂山「ここで拍手していいの?みたいなね」

宇賀「確かに、お作法とかが気になってしまって」

茂山「それも感じちゃいますからね。やりにくいな、というのがいつも日本でやっている感じです」

宇賀「どうなっていったらいいんですかね?もっと気軽に観に行っていいものなんですかね?」

茂山「僕は両方あっていいかなと思っています。フォーマルな催しは一つの文化として、きちっとした能楽堂の中での公演もあれば、自由に観て『こういうものなんだ』と知ってステップアップしていく形が必要だと思いますね」

宇賀「最近では息子さんと一緒に、『初心』をテーマにした狂言会を行なっているということなんですね」

茂山「コロナという中で大打撃を受けて、何もできないところから、自分とか狂言とかエンタメとか、いろいろ考えていって……結局何をしなきゃいけないのかな?と思った時に、まずは原点回帰をしよう、というところにいるんですよ。世阿弥で言う『初心忘るべからず』の言葉の通り、そこからリスタートしていくべきなのかな、という思いでやっているところです」
写真 小山「息子さんと一緒に舞台に立つんですか?」

茂山「そうですね。一つは『柿山伏』という狂言を息子がやって、その相手を僕がやる。もう一つは『千鳥』という僕が大好きな狂言なんですけど、これをきっちりといろいろなゲストをお迎えしながら、自分を見つめ直す狂言会をやろうかなと」

小山「息子さんは今おいくつなんですか?」

茂山「今、8歳です。50歳の時の子どもなんですけど、実は今日、彼に手紙を読もうと用意をしてまいりました」

茂山さんには、息子さんに宛てたお手紙を朗読していただきました。この模様は、ぜひradikoでお聴きください(7月17日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、茂山さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもって本人にお渡しさせていただきます。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 茂山千三郎さん 宛】にお願いします」

7月17日(日) 京都北大路「真謡会館年」で、7月18日(祝・月)西宮市鳴尾「西宮能楽堂」で茂山さんの公演があります。ぜひ、足を運んでみてください。
詳細はこちらから
写真 狂言師の茂山千三郎さん、ありがとうございました!

ふみの日イベント&お手紙テンプレートのお知らせ


宇賀「さて、ここでお知らせです。薫堂さん、毎月23日といえば……?」

小山「『ふみの日』ですか?」

宇賀「そうです! 毎月23日は『ふみの日』に制定されていますが、6月から8月の間に、手紙を書く楽しさを体験できるふみの日イベントを全国12ヶ所のイオンモールで開催しています。消しゴムはんこを作ったり、ぽすくまへの暑中見舞いを作成できるイベントもあるそうです。詳しくは、日本郵便の『ふみの日イベント』をごらんください。
さらに、日本郵便のWebサイトでは、季節のご挨拶や、記念日のメッセージカードなどを簡単に作れる、無料の『お手紙テンプレート』を更新中です」

小山「ここにサンプルがありますが、結構な種類がありますね」

宇賀「暑中お見舞いとか、夏のご挨拶に使えるような、空だったりひまわりだったり……夏らしいデザインがたくさんありますので、ぜひ、お気に入りのデザインを見つけて、使ってみてください!」

ふみの日イベント

お手紙テンプレート

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、大阪府〈富田林郵便局〉藤本貴大さんでした!

「配達中、用水路に携帯電話を落としてしまった小学生の男の子を見かけたのですが、川幅も広く、流れも早かったため危ないと思い、私が用水路の中に入ってその子の携帯電話を拾ってあげました。後日、その様子を見ていた方が郵便局へ電話をかけてくださり、お褒めの言葉をいただいたことが心に残る思い出です。自分では当たり前のことをしただけですが、嬉しかったです。」
MORE

ARCHIVEARCHIVE

MORE

CONTACTCONTACT

番組宛に手紙を贈る

この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。

〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛

番組への要望・リクエストを送る

番組宛にメールでメッセージを
送るにはこちらから

詳しくはコチラ