ゴルゴ松本さんの命の授業
- 2022/06/19
ゴルゴ松本さんをお迎えして
今週は、お笑い芸人のゴルゴ松本さんをお迎えしました。
まずはさっそく、ゴルゴさんに「愛」という漢字についての授業をしていただきました(ぜひ、radikoでお聴きください!)。
宇賀「ゴルゴさんは漢字にお詳しいんですよね」
ゴルゴ「そうですね、なぜこの国は漢字を使っているんだろう?と思い始めまして、研究をしておりますね」
宇賀「今、コロナのことや戦争もあって、心が乱されることも多いので、ゴルゴさんに命の授業を通じて多くの方に生きる勇気や意味を考えてもらいたいなと思って、今回お迎えしました」
小山「“命の授業”というのはどういうものなんですか?」
ゴルゴ「僕がギャグとしてやっている『命』。本来は、命のギャグをやる親父の授業なんですね。妻を通じて、おじさんから『少年院で何か喋ってほしい』と言われたんですね。その人の話を聞くと、日本の犯罪を未来的に、数パーセントでいいから減らしたい、日本という国を守りたいという想いがある方で。そういう想いがあるんだったら、一度お手伝いします、ということで始めたのが11年前の11月22日という日付で。初めて150人の少年の前で話をしたんですけど、終わった後になぜかすごくいい風を感じたんですね。メッセージとして、『これはやり続けなさい』と言われているなという感覚があったので、自然と続ける形になりました」
宇賀「どういうメッセージを伝えていくんですか?」
ゴルゴ「その環境や状況で捕まって少年院に行くと、やっぱりネガティブな子が多いですね。『幸せですか?』って聞くと、やっぱり幸せじゃないんですね。99%が『不幸だ』『辛い』と。そのうちの何人かは『今、幸せです』『捕まらなかったら、自分を省みることができなかった』という子もいるんです。その中で、考え方や心と頭を変身させることによって、未来は変わりますよ、と。実は、未来を変えるには今の心を変えなきゃいけない。今を変えると、過去も変えられるよっていう話なんです。過去は変わらないけど、過去の自分の心を変えることによって反省できるから、未来も変わるんだ、という話はします」
小山「なるほど、過去の心は変えられる」
ゴルゴ「だから反省は大事なんだよ、という話はしますね」
小山「10年前から始められて、少年じゃなくなって仕事されている人も多いわけですよね」
ゴルゴ「みんな大人ですね」
小山「連絡とか来ることはあるんですか?」
ゴルゴ「たまにですね。コロナ禍前の話なんですけど、僕が行った講演先で、お母さんと一緒に来た人がいて。お母さんが興奮しながら、〈うちの息子が少年院から出てきたら、『お母さんありがとう』って何度も言うんです。今まで悪さばっかりしていたのに、なぜこうなったか知りたかったんです〉と。その少年が手紙を書いてきてくれたんですけど、その中に、〈お母さんに迷惑をかけた。お母さんにありがとうを言ってもらいたいから、僕は今料理人を目指しています〉とありました」
小山「ゴルゴさんがいちばん好きな漢字は何ですか?」
ゴルゴ「毎日変わるくらいなんですけど、でも僕は『命』というギャグに救われていますので、やっぱり『命』ですかね」
小山「じゃあ、命って何ですか?」
ゴルゴ「僕は、命令だと思っています。母親のお腹に宿るじゃないですか、“宿命”です。生まれ出てきて未来に運ばれる“運命”でもあるし、その中で使わなきゃいけない“使命”でもありますから。人生の中で“一生懸命”、命を使って、“天命”“寿命”をまっとうしていくと思っているので。生きている間に何かしなさい、何かしないとあなたの命は救われませんよ、次に繋げられませんよ、というのがこの時代に生かされているんじゃないかなと思っています。誰かの命令なんですよね、ご先祖さんなのか、この地球なのか宇宙なのか……そんな感覚で僕は捉えています」
小山「今、大阪万博の準備をしていまして。あれは(テーマが)いのち輝く未来社会のデザイン、じゃないですか。それで命ってなんだろうってずっと考えているんですけど。生物学者の福岡伸一先生いわく、すべてのものは朽ちていくものである、と。なくなって朽ちていくものに、抗おうとする力が命であると。人間もだんだん老いていくわけじゃないですか。誕生したら確実に消えていくけれども、そこに対する努力とか、それがさっきゴルゴさんにおっしゃった“命令”というものは、過去の自分のDNAみたいなものが命令をするんですかね」
ゴルゴ「多分そうだと思います。肉体は滅びるじゃないですか。でも命はずっと継続しているんですね。一代で、自分一人で何かやるんじゃなくて、先祖から繋がった命を、過去と未来を線で捉えながら生き続けるというのがテーマのような気がしますね」
宇賀「命が大切にできないとか、どうやって大切にしたらいいのかわからないという方もいらっしゃるのかな、と思うんですけど」
ゴルゴ「僕は自分の命は自分だけのものじゃないと思っているんです。お母さんのお腹で十月十日宿らせてもらって、誕生してくるんですよね。“誕生”という字は、言葉を延ばして生まれてきた日が誕生日なんです。どんな言葉かというと、オギャアオギャアじゃないですか。でも、その前にお母さんが苦しんで、いきんで声をがっと出して、その先に生まれたのが赤ちゃんのうぶ声で。あのうぶ声は、お母さんが命をかけた、それに応えて誕生しましたよ、と。この先未来、一人じゃ生きられないので、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、手伝ってくださいね、っていう宣言だと思っています。だから僕は、毎年、宣言したほうがいいと思って」
宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
ゴルゴ「僕の命をこの世に誕生してくださった母親に対してです」
ゴルゴさんの書いたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(6月26日まで聴取可能)。また、漢字や言葉の意味についての授業も披露いただいています。こちらもぜひ、音声でお聴きください。
ゴルゴさんは去年、2冊の本を出版されています。こちらもぜひ、お手に取ってみてください。
『「命」の相談室〜僕が10年間少年院に通って考えたこと〜(中央新書ラクレ)』
『「あっ命」の漢字ドリル(プレジデント社)』
ゴルゴ松本さん、ありがとうございました!
宇賀「ゴルゴさんは漢字にお詳しいんですよね」
ゴルゴ「そうですね、なぜこの国は漢字を使っているんだろう?と思い始めまして、研究をしておりますね」
宇賀「今、コロナのことや戦争もあって、心が乱されることも多いので、ゴルゴさんに命の授業を通じて多くの方に生きる勇気や意味を考えてもらいたいなと思って、今回お迎えしました」
小山「“命の授業”というのはどういうものなんですか?」
ゴルゴ「僕がギャグとしてやっている『命』。本来は、命のギャグをやる親父の授業なんですね。妻を通じて、おじさんから『少年院で何か喋ってほしい』と言われたんですね。その人の話を聞くと、日本の犯罪を未来的に、数パーセントでいいから減らしたい、日本という国を守りたいという想いがある方で。そういう想いがあるんだったら、一度お手伝いします、ということで始めたのが11年前の11月22日という日付で。初めて150人の少年の前で話をしたんですけど、終わった後になぜかすごくいい風を感じたんですね。メッセージとして、『これはやり続けなさい』と言われているなという感覚があったので、自然と続ける形になりました」
宇賀「どういうメッセージを伝えていくんですか?」
ゴルゴ「その環境や状況で捕まって少年院に行くと、やっぱりネガティブな子が多いですね。『幸せですか?』って聞くと、やっぱり幸せじゃないんですね。99%が『不幸だ』『辛い』と。そのうちの何人かは『今、幸せです』『捕まらなかったら、自分を省みることができなかった』という子もいるんです。その中で、考え方や心と頭を変身させることによって、未来は変わりますよ、と。実は、未来を変えるには今の心を変えなきゃいけない。今を変えると、過去も変えられるよっていう話なんです。過去は変わらないけど、過去の自分の心を変えることによって反省できるから、未来も変わるんだ、という話はします」
小山「なるほど、過去の心は変えられる」
ゴルゴ「だから反省は大事なんだよ、という話はしますね」
小山「10年前から始められて、少年じゃなくなって仕事されている人も多いわけですよね」
ゴルゴ「みんな大人ですね」
小山「連絡とか来ることはあるんですか?」
ゴルゴ「たまにですね。コロナ禍前の話なんですけど、僕が行った講演先で、お母さんと一緒に来た人がいて。お母さんが興奮しながら、〈うちの息子が少年院から出てきたら、『お母さんありがとう』って何度も言うんです。今まで悪さばっかりしていたのに、なぜこうなったか知りたかったんです〉と。その少年が手紙を書いてきてくれたんですけど、その中に、〈お母さんに迷惑をかけた。お母さんにありがとうを言ってもらいたいから、僕は今料理人を目指しています〉とありました」
小山「ゴルゴさんがいちばん好きな漢字は何ですか?」
ゴルゴ「毎日変わるくらいなんですけど、でも僕は『命』というギャグに救われていますので、やっぱり『命』ですかね」
小山「じゃあ、命って何ですか?」
ゴルゴ「僕は、命令だと思っています。母親のお腹に宿るじゃないですか、“宿命”です。生まれ出てきて未来に運ばれる“運命”でもあるし、その中で使わなきゃいけない“使命”でもありますから。人生の中で“一生懸命”、命を使って、“天命”“寿命”をまっとうしていくと思っているので。生きている間に何かしなさい、何かしないとあなたの命は救われませんよ、次に繋げられませんよ、というのがこの時代に生かされているんじゃないかなと思っています。誰かの命令なんですよね、ご先祖さんなのか、この地球なのか宇宙なのか……そんな感覚で僕は捉えています」
小山「今、大阪万博の準備をしていまして。あれは(テーマが)いのち輝く未来社会のデザイン、じゃないですか。それで命ってなんだろうってずっと考えているんですけど。生物学者の福岡伸一先生いわく、すべてのものは朽ちていくものである、と。なくなって朽ちていくものに、抗おうとする力が命であると。人間もだんだん老いていくわけじゃないですか。誕生したら確実に消えていくけれども、そこに対する努力とか、それがさっきゴルゴさんにおっしゃった“命令”というものは、過去の自分のDNAみたいなものが命令をするんですかね」
ゴルゴ「多分そうだと思います。肉体は滅びるじゃないですか。でも命はずっと継続しているんですね。一代で、自分一人で何かやるんじゃなくて、先祖から繋がった命を、過去と未来を線で捉えながら生き続けるというのがテーマのような気がしますね」
宇賀「命が大切にできないとか、どうやって大切にしたらいいのかわからないという方もいらっしゃるのかな、と思うんですけど」
ゴルゴ「僕は自分の命は自分だけのものじゃないと思っているんです。お母さんのお腹で十月十日宿らせてもらって、誕生してくるんですよね。“誕生”という字は、言葉を延ばして生まれてきた日が誕生日なんです。どんな言葉かというと、オギャアオギャアじゃないですか。でも、その前にお母さんが苦しんで、いきんで声をがっと出して、その先に生まれたのが赤ちゃんのうぶ声で。あのうぶ声は、お母さんが命をかけた、それに応えて誕生しましたよ、と。この先未来、一人じゃ生きられないので、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、手伝ってくださいね、っていう宣言だと思っています。だから僕は、毎年、宣言したほうがいいと思って」
宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
ゴルゴ「僕の命をこの世に誕生してくださった母親に対してです」
ゴルゴさんの書いたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(6月26日まで聴取可能)。また、漢字や言葉の意味についての授業も披露いただいています。こちらもぜひ、音声でお聴きください。
ゴルゴさんは去年、2冊の本を出版されています。こちらもぜひ、お手に取ってみてください。
『「命」の相談室〜僕が10年間少年院に通って考えたこと〜(中央新書ラクレ)』
『「あっ命」の漢字ドリル(プレジデント社)』
ゴルゴ松本さん、ありがとうございました!
今週の後クレ
今回のメッセージは、富山県〈小杉郵便局〉釣安伸さんでした!「私は、お客さまファーストの考えを大切に、困ったことがあったら頼ってもらえるような、また、地域の郵便局社員としてだけでなく、『釣』という個人として見てもらえるように心がけています。 以前勤めていた郵便局を転勤するときに、ずっとお世話になっていたお客さまがいたのですが、最終日に「私のところに是非いらしてください」とおっしゃるので、私もこれまでのお礼とともにお菓子を持っていきました。その時に『みんなで食べてください』と泣きながら、私が持っていったよりもたくさんのお菓子やケーキをくださったのが印象深く、今まで頑張ってきたことが報われたなと思いました。」
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